正式入部-6
下校の時刻。私たちいつもの4人は一緒に帰り道を歩く。
「ねえ、もしかしてこの吹奏楽部って結構レベルが高いんじゃないでしょうか?」
そんなことを愛依ちゃんが言う。
「うん。そうかもしれないね」
私が言うと、
「え、そうなの?」
そう美玖ちゃんが言う。
「うん、私、小さい頃に吹奏楽部のコンクールの演奏を聞いたことがあるんだけど、そこと比べたら桁違いに上手な気がするな……」
……やっぱりあの音色は簡単に出せるものではない気がする。
・ ・ ・
翌日。今日は少しだけ寝坊しちゃって、いつもより少し遅い時間に1人で登校している。その時、
「お〜い」
後ろから手を振りながら来る愛依ちゃんの姿があった。
「おはよう!」
「おはようございます、こんな場所で会えるなんて奇遇ですね!」
「うん。今日はちょっと寝坊しちゃってね。いつもだったらもう少し早い時間に美玖ちゃんと登校して、集合場所で結衣ちゃんと合流して、そこからは3人で学校行ってるんだけどね」
「そうなんですね!」
「っていうか愛依ちゃん、朝から元気だね」
「はい、私早起きとか得意なんですよ。……あ、そういえば話変わるんですけど、昨日、足浜中の吹部について調べてみたんですけど、やはりここは強豪らしくて吹奏楽の栃木県大会で7年連続金賞らしいですよ!」
「うわぁ、それはすごい……あれ、でも7年ともダメ金……県大会止まりなの? 強豪なら全国とまでは行かなくても関東地方大会くらいは行けそうじゃない?」
「『ダメ金』というか、そもそも地方大会がない感じですね」
「あれ、そうだっけ? 小さい頃見たのって地方大会だった気がしたんだけど……」
「じゃあそれ、見たのが高等学校部門だったとかじゃないですか? 高校部門なら地方大会と全国大会もありますからね」
「なるほど理解」
「ま、今年度から中学校部門にも地方大会と全国大会が開催されるらしいですよ」
「ホントに!? どこまで行けるか楽しみだね!」
こんなことで、少し楽しみが増えた朝の時間だった。




