正式入部-5
基礎合奏の始まりの時間になった。
「それではまずはチューニングから行います。いつも通りB♭の音から出していきましょう」
そう大島先生が言うと、音域が低い楽器から順に音が重なっていく。しばらくして全員の音が重なり、その数秒後。
「良いですね。それでは基礎合奏を始めましょうか。ではお願いします」
そう先生が言うと、前に出ていた陸斗先輩が小太鼓を叩き始める。よく聞くとメトロノームが1度鳴る間に2回の音が入っている。つまり八分音符だ。管楽器は……2拍ごとにいくつかの楽器が重なり合っていく感じ。
う〜ん、音を言葉で表すのって難しい!
これを音を変えて数回繰り返すと合奏は終わった。
「オッケーです。本当は意見交換をしたいところですが、時間も少ないですし、1年生もいますので、今ここで思ったことを2,3人に聞こうと思います。では何かある方は挙手をしてください」
……すると数人の生徒が手を挙げる。そして大島先生に指名された生徒が立ち上がり、意見を発表する。
「音のバラつきは少なくて良かったと思う。だけど、楽器ごとで強弱が違った感じがした。特に木管が弱くて金管が強くなっちゃってるから、周りの音を聞いて強弱を合わせる意識を持ちましょう」
そう言うと、
「なるほど、確かにそうでしたね。そしたら次の合奏ではそこに注意して演奏してみましょうか。他に意見のある人はいますか?」
・ ・ ・
その後、強弱だったり音程だったり、他の意見も出た。
「はい、それではこのあとはハーモニー練習を行いますから、今出た意見を特に意識して頑張っていきましょう。ではお願いします」
そう言ったあと、また陸斗先輩が小太鼓を叩き始め、音が重なっていく。
その演奏も終わると、ちょうど部活終了のチャイムが鳴る。
「ちょうど良い時間ですね。それでは先に今後について軽くお話させてもらいます。……まず、1年生の皆さん、改めて吹奏楽部に入部してくださりありがとうございます。皆さんと音を出せるのを楽しみにしていますからね。そして、2,3年生の皆さん。まだ今年度のコンクール曲は決まっていませんから、当面の間は1年生が満足できるレベルの音を出せるように色々教えてあげてください。それじゃあ本日はここまでにしましょうか。では部長さん、号令をお願いします」
すると部長の咲夢先輩が立ち上がり、号令をかけた。
「起立! ありがとうございました!」
そして、楽器をみんなで片付けて解散になった。




