6 夜の恋バナタイムもセバスの語りが止まらないですわ!
今日の授業は終了しました。
寮に帰ってオーちゃんと語らう時間。
ゲームでいえば、翌日からの行動を決めるメニューコマンド&恋の話をする相談タイム。
平安時代にタイムスリップするアレとか、3年間高校生活するトキメキなあれとか。乙女ゲームわかる人はわかるわよね。
お風呂に入ってパジャマに着替えて、ベッドに座りながらオーちゃんが話を振ってくる。
「ねぇねぇ、シュウちゃん、気になる殿方はいる?」
はいきたキマシタワ! 恋のお悩み相談タイム!
ゲームだと出会った攻略キャラしか選択肢が出ないけど、今はわたしが主役だ。
我が愛しの人の名前を口にする。
「わたし、セバスが好きなの」
「セバスって、食堂舎にいたセバスさん? ほんとうはシュウちゃんのお屋敷の執事なんだっけ」
「そうよ。うちのお父様が理事の一人だから、学院の食堂舎の人手不足に助っ人として来てくれたの。はぁー、学生の間毎日セバスと会えるなんてシ・ア・ワ・セ!」
両手をくんで、窓からうっとり空を見上げてしまう。
「そ、そうなの。身分差だけでなく年の差もすごいわね……」
なんともしみじみつぶやいている。
オーちゃんのこの反応始めてみたわ。ゲームだと同世代キャラしかいないものね。うん。
でもいくらスパダリイケメンキャラが勢揃いしていても、わたしの瞳にはセバスしか映らないから無問題!
わたしにとってのスパダリはセバスだから!
「オーちゃんはまだ出会ったばかりだから知らないわよね。セバスの何がわたしを惹きつけるか。いい、セバスはね…………」
良いところしかなくて語り尽くせぬセバスの魅力。
二時間語ったところでオーちゃんが寝落ちした。
「ごめ、ん、シュウ、ちゃ…………眠」
「オーちゃーーーーーん!!!! まだセバスの素晴らしさの1%も語れてないのに!」
しかたないから、また明日朝食のときにでもセバスの魅力を語りましょう。
ゲームのとおり日記を書いて1日を終える。
【今日はセバスと会えて最高の1日だったわ。セバスがいる学院生活はバラ色、玉虫色、それともダイヤモンドの輝きかしら。セバスに会ってセバスの声を聞いてセバスのいれるお茶を飲んで過ごせる学生生活楽しみ!】