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私、少し疲れているのかな? 穴掘りの仕事場で居眠りをして怒られたホラーはそんなことを思った。
「ホラーは頑張りすぎなんだよ。それにさ、少し前はさ、穴掘りの仕事から逃げようって言ったり、最近はすごく穴掘りの仕事に真面目になったり、極端なんだよ。そんなんじゃ、体も心も持たないよ」ホラーの仕事まで手伝ってくれた影が言う。
影に言われてホラーは頬を膨らませる。
でもいいのだ。家に帰ればひなちゃんが私を待っていてくれる。それだけで穴掘りのお仕事がすごく頑張れた。
「いつかはさ穴掘りの仕事も無くなっちゃうのかもしれないね」午後の仕事中に影は言った。
「穴掘りの仕事は無くならないよ。人間は、ううん。人間だけじゃないよ。命は死から逃れることはできないから」愛用の銀色のスコップです穴を掘りながらホラーは言う。(最近うさぎの絵が消えかけてしまっている。あとでもう一度同じ絵をスコップに描こうとホラーは思った)
「人はさ。もうすぐ死ななくなるらしいよ。みんながそんな話をしてる」
人が死ななくなる? 影の言葉を聞いてホラーは首をかしげた。
「そんなわけないでしょ? そうしたら死そのものがなくなっちゃうじゃん」もしそんなことになったら、この根っこの国だってなくなってしまうかもしれないじゃん、とホラーは思った。




