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お昼休みに固いパンを食べる。もくもくと食べる。(とりあえずお腹いっぱいにする)
固くて不味いが量は山ほどある。(嬉しい)
冷めたコーヒー(のようなもの)でごくごくと胃の中に流し込む。そんなことを静かな古くて広い薄暗い食堂でホラーは山盛りのパンを前に繰り返している。
「お肉が食べたい」
「贅沢言わないの。ご飯がお腹いっぱい食べられるだけでも幸せなことなんだよ」
ホラーの影はそれだけ言うと笑ってまた読んでいた漫画の続きを読み始める。
「ここは地獄だ」
「天国に行きたいの?」顔をあげて影が言った。
「私は別に贅沢を言っているわけじゃない。大金持ちになりたいわけじゃないし、ずっと遊んでいたいわけじゃないし、仕事をしたくないわけじゃない。ただ太陽を見たり、虹を見たり、青色の空を見たりしたいだけなんだ。緑の大地の中で、気持ちのいい風を感じて、笑っていたいだけなんだ」