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EP1-03 友達 

続きを閲覧しに来てくださってありがとうございます…!

勢いで街へ飛び出した私は、まずは友人のもとへ向かうことにした。

その子は私と同じ、大魔女を目指してる学生時代からの友達。とても頼りになる子なの。

その子の屋敷へ向かうまでの間、私はゆっくりと街の景色を楽しむことにした。

魔界は比較的裕福な魔界人が多い世界で、暴動や強盗などの犯罪が滅多に…というより、私の知る限り今までにそのような話を聞いたことのないくらい、治安の良い土地なの。本当に素晴らしい世界だと思うわ。


「ここ最近はずっと家にいたし、街になんて久しぶりに出たわ。やっぱり私、この地区の明かりが一番好きね…」


魔界という世界は、他の世界―神が集う神界、天使の統治する天界、人間が住まう人間界などに比べると地下の方の世界なので、夜しか存在しない…つまり、いつでも薄暗いの。けれど、そんな魔界のあらゆる所には美しく綺羅びやかな電燈が設置されているわ。

大きく分けて五つの地区、月・魔・太陽・異、そして堕に分けられている魔界では、地区ごとに違った電燈の景色が楽しむことができるし、様々な魔界人達が常に工夫を凝らして街の風景を作っているので、飽きることはないの。


「最後にあの子に会ったのは二ヶ月前…元気にしてるかしら。住んでる地区が違うから、行くまでに少し時間がかかるのが面倒だけれど…」


それでも、早く知らせたい。私はお母様に試験を受けることを許してもらえたら、あの子と一緒に受験するって決めたもの。




−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−




「よし…着いたわ。」


私が住んでいる【月】の地区を出てから少し歩くと、【魔】の地区に到着。一つの区を越えるだけで、飛行魔術を使っても大体一時間弱はかかってしまうから…少し疲れてしまったわ。

そうそう、大体の魔女は地区の名前と同じ属性の魔力を持つの。魔女は五つの属性から一つの魔力を生まれつき持っていて、それを活かすために魔女学校へ通う。例えば、私は魔女名義だと「月の魔女 ダイアナ・ティターナ」になるわね。

その、【魔】の地区をまっすぐに飛んでいくと、すぐそこには見慣れた屋敷の屋根が見える。


「こっちだよ。アナ!」


「シャロ!久しぶりね!」


「疲れたでしょう?さぁ、入って入って。」


玄関で手招きして私を招き入れてくれた魔の魔女シャロは、学生時代に生徒会副会長を二年間務めていた、私と同じ年の魔女。因みに、私は生徒会長を三年間務めていたのよ。

そして、シャロは世間では所謂「’’イケメン’’の部類に入る美少女」…らしいわ。噂で他の魔女から聞いただけだけれど、確かにシャロは美形。学生時代も異常な程のファンがいたけれど…


『あら、今日も凄まじい数の魔女達がシャロのこと待ってるわね。』


『うーん、今日はアナのファンも半分くらいいると思うな。ほら見て、アナの真ん前に立ってるあの子とか。』


『ダイアナ会長!お…おはようございましゅっ!』


『あら、おはよう。ふふ、今日も一日頑張りましょうね。』


『ありがとうございますッ!!!!』


『生徒会長の眩しすぎる御笑顔!朝からとんでもなく神々しい物を見てしまった!』


『あのお隣にいらっしゃるシャロ副会長の御顔も見てよ!会長を微笑ましげに見ているあの輝いている御顔…!!』


『今日早起きして校門で待っててよかったーーッ!!』


『あらあら。』


『あはは…』


「シャロは覚えてる?毎朝の校門前で…他の生徒達の、私達の挨拶を聞いたときの反応。」


「ああ…そんなこともあったね。アナの笑顔で何人か両目を抑えてたよね。確かに美形だから仕方ないよね、アナは。」


「シャロだって大概じゃない。合同授業の時にシャロとペアになった相手の子の顔!可哀想に…」


「それは多分…隣にアナがいたからだよ、生徒会長様。」


「もう、やめてよ。生徒会副会長様?」


お互いに軽口をたたき合いながら、私達はシャロの部屋へ向かった。

今日はお母様が心配しないくらいの時間まで、二人でたくさんお話をするつもりよ。楽しかった学生時代の話。今まで会えてなかった間に何があったか。これからの大魔女試練の話。それに、大魔女になったら何がしたいか。

――今日は、特に長くここにいることになりそう。





――――――――――――――――――――――――――――――――




【??? Side】



「………………ねえ。

これで、本当に、よかったんだよね。」


月の魔女ダイアナが【月】の地区を出たのを確認した頃。

とある目立たない端の建物の上で、綺羅びやかな魔界の街を見下ろして、私はこう問いた。…顔は絶対に他人に見られてはいけないから、羽織った厚いローブのフードを強く抑えながら。

同じく厚手のフードを被った相手は、そっぽを向きながら小さく答えた。


「私はお前の野望と執念に協力しただけ。本当によかったのか、など過去の自分に聞くが良い。」

「…分かってる…」

「ここからはお前の判断次第だ。私は干渉しない。後は勝手にしろ。」

「ええ、…今までの手助け、ありがとう…




堕天使、ルシフェル様…」

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