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第55話 「7月7日」

日本じゃ旧暦7月15日前後にしてたからセーフ!!

 七月七日、そう、七夕である。


 日本では織姫と彦星が1年に1度だけ、天の川で会える日。


 また、違う解釈をするなら、中国語では中国神話に登場する牛郎と織女の逢瀬を祝う祭り。 ロマンチックな愛を祝うこの祭りは、しばしば中国の伝統的なバレンタインデーに相当する日。


 個人の勝手な考えだが、自分たちが住んでいる国の独自の習慣に則って祭りごとを楽しめばいいと思う。もう世の母親がよく口にする、『よそはよそ。うちはうち』ということでいいじゃないか。


 そんな自分の理想を相手に強制するから、世の中のありとあらゆる争いは終わらないんだと思う。昔の、宗教対立、中華統一が当てはまるのではなかろううか。


 中華統一で思い出したけど、私はキングダムのなかで王騎軍が好きです。女性なら羌瘣です。楊端和も強くてカッコイイんだけど、羌瘣はその中に可愛さというか、ピュアな部分がたまらない。王騎将軍と騰はもう、いうまでもないでしょう。(映画見てください)


 話しが脱線したけど、今現在七月七日もう少しで午後5時をまわりそうな時間帯、今日は運が良いことに休日で、まだ夕食には早いこともあって、妹と一緒にだらだらと過ごしていた。


 だけど、世間はそんなに甘くはなかった。平穏な時間を奪うようなことを妹が言ってきた。


「ねえ、お姉ちゃん、笹の葉飾ろうよ」


 まるでどこかの音ゲーで双子の妹がいいそうななことを言い出した。

 助けて紗夜さん。


「めんどいから便予約するから動物園でも行ってこい」

「一応聞こう、姉上よ。そなたは一体私をどこの動物園に飛ばそうとしているのかね?」

「言わなきゃわかんないか。―――」


「中国だよ」


「上野動物園とかアドベンチャーワールドとかじゃないの?」

「神戸の王子動物園にもいたんだけど、死んじゃったの」

「いやいや、そういうことを言ってるんじゃなくて、なんで中国かってこと」


「え?七夕だから?」

「私はこの国の七夕を楽しみたいの!」


「ごちゃごちゃ言わずにパンダのいる動物園行ってこい。南半球じゃ見れないんだから」

「それホント?」

「なんかの動物が南半球では生息できないのは聞いたことがある。何かはしらんけど」


 まったく、諭すのにも苦労するよ。

 しかし、こんなことで折れるような妹ではない。


「外に出たくないだけでしょ。そんな動物園にある笹なんかネットでいくらでも見れるよ」


 ほう。なるほど。そう来たか。

 確かに妹が言うように、動物園でパンダが食べている笹なんて、ただ間接的に見えているだけで、それだけならインターネットの笹の画像をみているのと同じだ。

 でも、よく考えてみてほしい。

 生のパンダがそこにいて笹を食べてるんだよ?

 その光景を見た立希ちゃん見てみ、たぶん過去1で興奮していると思うよ。

 まあ、その光景をどう捉えるか次第だ。


「メリットとかあるの?」

「短冊に願い事書いたら叶うかもしれないよ」

「エビデンスとかあるの?」

「わかった。じゃあ、これからお姉ちゃんは初詣とか神頼みとかしないってことね」

「それとこれとは話が別じゃないの?」


 形勢逆転しそうな…


「何が別なの?神様は信じて、これは信じないって矛盾してない?これって数学で言う反例だよね」


「わかったよ。行くよ。でも笹の葉は買わないから」

「なんで!?」

「そのあとの処理はどうするのよ」

「それは...その…」

「そういう大掛かりなことの処理はいつも私がしてるよね」

「うっ…」


 そう。彼女は後先考えずに行き当たりばったりでものごとを進めるのだ。

 ほんと、誰に似たのだか。(お前だよ)


「それで、私祭り嫌いなんだよね」

「それは大丈夫。なにせこの町の商店街の七夕祭りは屋台一切出てないから」

「知ってたけど」


 何年この町に住んでると思ってるのかね。

 かれこれ生を承ってからもう18年くらいだ。その歳の数だけ、この町で暮らしている。そんな私がこの町の仕組みを、いや、衰退化の一方をたどる町の変遷を知らないわけがなかろう。


 大体、私が中学に入ってから、ここの七夕祭りはなくなった。

 だけど、街に活気があふれるように、という理由で去年からまた再開しだしたのだ。もちろん、これまでしてたいたのと比べ規模はかなり小さいものとしてだ。

 自然だけは豊かなこの町は南は海に、残りの東西北は山に囲まれているのだ。そのため、笹が山ほど取れるから、短冊を書いてつるすことだけはしよう、ということらしい。


「行きたいって言いだした張本人が私より準備してないってどういうこと?」

「え?なんか、びびーんってきたから」

「さてはお前、さっきまで今日が七月七日だってこと知らなかったな?」

「私が忘れてたっていうエビデンスあんの?」

「あー、はいはい。図星で見透かされた人は大体同じこと言うから」


 いうまでもなく、ソースは私。


「え、こんな暑い夕方から行くの?」

「それもそうか」


 たしかに、七月と言っても余裕で30℃を超える。

 さくらの言う通り、晩ご飯を食べてからいくことにした。


 茄子がメインの夕食を食べ終え、早速家を出て、商店街に向かったのだが、私はあることがきになった。

 それは知り合いに会うかもしれないということだ。私からすると、休日に知り合いに会うことは苦でしかないからだ。仲がいい友達とかだったらいいんだけど、そうじゃなくて、相手が一方的に私を知ってる場合は本当に嫌。

 そんな私とは違ってさくらはそんなことは一切お構いないらしい。

 さすが陸上部で主将をしているだけはある。

 でも、一応私も同じ中学校でサッカー部のキャプテンを背負ってたのにな。

 この違いはなに?


 そんな悲しい会話を実際に妹ともしているとあっという間に商店街についた。


「さ、願い事書いて帰ろっか」

「それだけのために来たの?」

「うん。お姉ちゃんずっと家にいてうざかったから」


 なんでだよ。普通休日って家で休むためのものじゃないの?

 でもまあ、いい気晴らしになった。


「短冊に願い事、か」

「やっぱり、受験生だから受験のこととか?」

「ん?まあ。高校入試の県内で戦うのに対して、全国の猛者と戦うからね」

「そっか」


 さくらはそれ以上なにも言わなかった。


 確かに第一志望のところに受かるのが大事ではあるけど、それよりも一番大切なのは大学入試より、このままみんなで楽しく暮らせることだ。

 辛くても、生きてればいいことがあるから。


「お姉ちゃんは何書いたの?」

「普通のこと」

「普通が一番だからね」

「そういうさくらは何書いたの?」


『健康で安全にいられますように』


『みんなの笑顔が続きますように』

笹の葉に飾られた願いが、どうか願いが届きますように

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