第48話 「家族旅行12」
行動してみる
身も心み綺麗に洗い流し、さっぱりした私たちは夕飯時を迎えた。女将さんが料理を準備している間、自分たちの私生活について話をしていた。
「私のすっぴんを見られちゃう」
「お姉ちゃんはメイクしたことないでしょ」
「さくらだってやったことないでしょ?」
「私は一度だけ。なんかすみません」
同族ではないのか貴様。さくらはこっち側だと思っていたのに。
でも家で化粧している姿を見たことはないのは事実だ。
さくらがメイクしたときであろう頃の写真を見せてもらった。
「さくらこれ自分でやったの?」
「クラスの子にしてもらった」
なんということか、彼女はメイクをしたことがあると言った。
しかしそれはコスプレメイクだったのだ。しかもその恰好は花子さんだった。つまり白塗りだった。
「これをメイクと言わなきゃ何をメイクっていうんだ!!」
「私の言い方が悪かった。じゃあ、自分で化粧したことある?」
「次の日は自分でしたけど?」
「これ以外で!」
「めんどくさいからしたことない。てかまだ私ぴちぴちの女子中学生だし」
とりあえず本編では私たちは両方とも受験生ということだけ知ってもらえると助かります。
ここで中の人の話をすると、私立に関西で有名なところを3つ受けたが数点差で撃沈。
国公立の前期は自分が目指していたところを受験するがベクトル問題を見事につまずき完敗。中期、後期は判定が出ていたところに突撃。中期は小論文、後期は数学一本だけのところを受験。どちらとも手ごたえがあったものの見事に不合格。
結果を受け止めたが数日後病院に行くと鬱と診断され、挫けそうになっていたが、中学からからみてもらっている塾の恩師と高校最後の担任にあうことで次の一歩を踏み出すことができたのだった。
先日帰ってきた共通テストの結果を見ると英語リーディングが32点というクソみたいな点数を取っていたことを知らされる。そりゃ落ちるわなと悟った中の人なのであった。
みんな、本番で欄ズレだけはしたらダメだよ。
焦りすぎるとこうなるから、全部解けてなくても終了の数分前にチェックはしようね。
こうなるから。
合計で6割弱あったから許せ、と言っているが、リーディングができていないと受験は始まらない。
その理由として、リーディング(R)とリスニング(L)の比率がRのほうが1.6、もしくは0.6倍されるからだ。
少々長くなったが、クソ浪人生野郎の話はここまでにするとして、夕食の準備ができたようだ。
出来上がる前から美味しそうな匂いを漂わせていたものをようやく食べられる。
「「豪華」」
すごく豪華だった。もちろんだが普段家でたべる夕飯よりも。
さくらが作った晩ご飯が質素というわけではない。むしろそっちのほうが食べ慣れてて美味しい。
だが迫力が違うのだ。普段はワンプレートのお皿で3品盛り付けされているが、ここのは一品ずつ小分けにしているのだ。
「お姉ちゃんは海鮮が盛り合わせとかのじゃなくてよかったよね?」
「でもこんなの1人で食べるのはもったいない」
「そう言うと思って違うのにしたの」
さくらの海鮮盛り合わせと違い、私のは丹波牛のステーキだ。
こんなのは一人で食べるよりみんなで食べたほうが美味しい。
「「いただきます」」
早速お肉を一口。
「ジューシー」
みんなが想像する油が口の中で爆発するようなお肉ではなく、しっかりとお肉の味をわからせるものだ。
カルビみたくそこまで脂っぽくない。
想像しているものをはるかに超えるものだ。
さくらの海鮮盛り合わせの魚を食べてみたが、脂がのっていて新鮮で美味しかった。
やはり美味しいものを前にすると無言になるのだろう。あっという間に完食していた。
「「ごちそうさまでした」」
晩ご飯を済ませた私たちは、少し宿でゆっくりしてから帰宅の途につくのだった。
お腹空いた




