第47話 「家族旅行11」
出すもん出しな!
城崎の街から宿に戻った私たちは用意された部屋へと案内された。
案内された部屋で夕飯を食べられるらしい。食堂のようなところで食べるのかと思っていたがそうではないようだ。
食事の準備は入浴が済んでから用意してくれるそうだ。その時間になると部屋にある電話で用意しても大丈夫か確認がくるらしい。
部屋についた私たちはやることは1つ。
そう、部屋の探索だ。
何畳かわからないほどの客間。ここで夕食を楽しむ。
次はベランダ。さっき歩いてきたところ以外に城崎を一望できる。
あとはトイレやバスルームといった感じだ。浴室は1人で入浴するには大きすぎるくらいだった。
「ちょっと休憩してからお風呂入る?」
「別に今からでもいいよ」
今まで歩き続けたこともあり疲労がピークだったが、朝から山登りという名の運動をして汗をかいたからお風呂に入ってすっきりとしたい。
まあぶっちゃけ、夕飯を食べてからでも全然問題ない。いつでもいいと思っている。
「なんなら一緒に入る?」
「わかった」
さくらが言うなら仕方ないか。裸の突きあいということか。突きあいじゃなくて付き合い。
この作品は全年齢対象ということを忘れてはいけない。変換ミスは避けられない。で終わらせちゃダメだぞ。健全な作品です。
中の人には再発防止に努めてほしい。
「なんでかわからないけどシャワーも2つあったしちょうどいいね」
「お風呂セット、お風呂セット」
わたしより妹のほうが乗り気だ。血が繋がった人の裸なんか見たって興奮しない。至極当然のことだ。
でも1つ胸にくるものがあるなら、なぜか下着のサイズがわたしよりも一回り大きいということだ。
男性諸君、私は胸囲の格差も無くしていきたい所存でございます。これは何が何でも成し遂げる。
湯舟に浸かる前にやっておかないといけないことがある。しっかり体の汚れを落とさなければならない。別に湯舟に浸かってからでもいいと思うよ。でも私は反対派だ。
理由はないが、なんとなく嫌だからだ。妹も同じ考えだったので安心した。
「お背中お流ししましょうか?」
「背中より髪の毛洗ってほしい」
私は髪の毛が長いのは鬱陶しいからいつもショートだから洗髪するときに何も思わないけど、やはり長いと洗うのに苦労するらしい。
さくらも長いというが、髪の長さは肩くらいまでなので世間一般的には普通くらいなのではないのだろうか。
さくらの髪の手入れをするのはいつぶりだろうか。その前に最後に一緒にお風呂に入ったのはいつだっただろうか。
私が覚えているところで言えば、私が小学5年生くらいの時だったと思う。当時もそんな会話をしたのだろうか。記憶にあるのは私がさくらの髪を洗ってあげて、いつもよりサラサラだ、と喜んでいたことくらいだ。
「私が洗ってもいい?」
そんなことを思い出し、さくらに提案してみた。
「久しぶりじゃない?お姉ちゃんが私の髪の毛洗うの」
「あの頃よりやさしさと丁寧さを身に着けました」
「お願いしようかな」
親孝行ならぬ妹孝行というやつだ。さくらには普段からお世話になっている。そのお礼と言っては少ないけど、髪を洗うことくらいはしてあげよう。
「よければ毎日洗いましょうか?」
「それは今日の出来次第」
ならば今日から喜んでもらえるために頑張る以外ほかないだろう。
さくらの髪の毛はあの頃とまったく変わっておらず、サラサラなままだった。
「お客様、かゆいところはありませんか?」
「ないです」
「じゃあ流しますよ。怖い人は目を開けて」
「うーん、目沁みるじゃん」
そのあとは体を洗い、湯舟で身も心もぽかぽかさせた。
「熱い、上がろ」
「わたしはもう少し」
昔からそうだ。私は早風呂でさくらはじっくりと長めに浸かる。当時からなにも変わっていない。
髪を乾かしていると、浴室から水から上がる音が聞こえた。
髪を乾かし終えるとさくらが着替え、髪を乾かそうとした。が、彼女のドライヤーは数分で終わった。
「それで終わり?」
「うん」
「いつもそれだけなの?」
私の心の中のどこかに火がついた。
そんななのによくここまで髪の質を変わらずに維持できたものだ。
「そこに座って。私がしてあげる」
「え、これでいいよ」
「いいから座れ」
いつのまにか立場が逆転していた。
どうりでいつも早いと感じることだ。この子髪の毛のケアがなっていないのだ。さすがの私でも髪のケアは丁寧にする。
「明日から私がさくらの髪のケアをするから」
「決定権は私にない感じ?」
「さっきのでなくなったね」
宝石の原石を自分から汚す輩がどこにいるだろうか。
素がいいのにそれをダメにするとかありえない。
「はい、これが髪の毛を乾かすってこと」
「明日からお願いします」
「素直でよろしい」
これで少しは恩返しができるかな。
期待したものはねえよ!!




