第46話 「家族旅行10」
食べ歩き
海の生き物と存分に楽しめる城崎マリンワールドをあとにした私たちは、現在城崎温泉を入りに旅館にやってきた。
旅館といっても、今日は泊まりはしないが、食事とお風呂はサービスの範囲内の旅館にきている。
あまり旅館というところに宿泊したことはないが、すごく広い旅館である。結婚式や宴会などが普通にできそうなレベルな広さだ。
さくらが今旅館の人とご飯のことや、入浴時間など、館内のきまりなどを聞いている最中だ。
つい先ほどアジの唐揚げを食べてきたところなので、食事の時間はそんなに早い時間帯ではなくても全然大丈夫なので、さくらにおまかせした。
恐らくだが、さくらも旅館の人におまかせだろう。
その打ち合わせが終わり、さくらが戻ってきた。
「お疲れ様です」
「それは目上の人に言う言葉じゃない!」
「ありがと」
なんかマナー講師の人みたいになって戻ってきた。
なぜだろう、某マナー講師になりきれていない。普段の一面をみているからだろう。先生のようではなく言葉に重みがない。
「お風呂にする?ご飯にする?それともわたし?」
「最後選ぶんだったら餓死選ぶ」
「なんでやねん」
「冗談冗談」
定番なくだりをさくらがしたところで、入浴時間までもう少し時間があるらしい。
私が大衆浴場を嫌いなこともあり、一室宿を取ったのだが、私たちが早く宿に着きすぎたため、まだ準備ができていないそうだ。
「外でも回ろっか」
「美味しいもの探そ」
「夕飯のことも考えといてよ」
部屋の準備ができるまでの時間、城崎の街を堪能することにした。
歩き始めて早数分。ある美味しそうなものを見つけた。
「今日わたしたち、よく歩くね」
「運動不足が解消されてよかったね」
「私部活してないけど、運動はめっちゃしてるからね」
「そうは見えないけど」
「君は長い休み時間何してる?」
「普通に喋ってるけど」
「甘い。甘すぎる。今から食べるこの卵パンよりも甘い」
私の休み時間は運動三昧といっても過言ではない。なぜなら、すぐにご飯をたべ、ガチのフットサルをするからだ。
自分のクラスに大半のフットサル部がいるのだが、5対5でするには一人だけ人数が足りず、私も混ぜてもらっている。
混ぜてもらっていると言っているが私から誘って、フットサルをしている。
ブランクが開いていたが、そんなのがなかったかのようにボールを操る。
感覚が足に残っているのだ。
サッカーで培った足技は本来フットサル向きなのだとか。そのキャプテンが教えてくれた。
今からでも入部してほしい、とうれしいお誘いがあったのだが、1,2年生に気を使われそうなので遠慮しておいた。若者の育成が重要でもあるし。
「15分ハーフを今でもしてるの」
「中学の経験が活かせてよかったじゃん」
買った卵パンをたべるため、ベンチを探していたが、ようやくみつかった。
「思った倍以上にふわふわしてる」
「これをベッドにしたら気持ちよく寝れるよ」
「それはわかる」
そのくらいしっとりしていてふわふわだ。
妹と半分ずつたべるため分けてみると焼きたてなこともあり、それから発する湯気がさらに私たちの食欲を掻き立てる。
「甘くておいしい」
「久しぶりのデザート」
お昼にそばを食べてからアジの唐揚げまでデザートがなかった私たちにとって、それはまさに砂漠のオアシスだった。
「甘いものを食べないとやってこれませんぜ、姉貴」
「これ『りくろーおじさんのチーズケーキ』に似てる」
「わかる。生地がもうそれ」
あの食べた気がしないあの食感。例えるならそんな感じです。
「お姉ちゃん、気づいてるかと思うけどさ」
「わかってる」
今私たちが座っている目の前にあるもの。
それは私たちが大好きないちご大福が鎮座しているのだ。
買ってくれと言わんばかりにこちらを見つめてくる。
「あれは帰りに食べるために買っておくか」
帰りのおやつも買ったところで、宿に戻ればいい時間になりそうなので、食べ歩きはこの辺で終了することにした。
温泉と夕飯が待ちきれず、走って宿に向かう姉妹なのであった。
太りそう




