第45話 「家族旅行9」
やりたいことをやっていこう
「仲いい子いないの?」
「ラインの友達の人数見る?」
まだこんな話をしていた。
ざっと30分くらい釣りをしていたが成果はまずまずといったところだった。
「ラインの友達が家族と麗星だけ。お前どんだけ悲しいやつなの?」
「家から近いからスマホ学校にもっていかないし」
「これ少ないっていうレベルじゃねえぞ」
「そういうお姉ちゃんはどのくらいなの?」
「ん?私?そんなに多くないよ」
そうやって妹にスマホの友達の一覧を見せる。
「少な!高校3年なのにまだ家族とあおいちゃん以外に1人しかいないの?」
「あんた何か見忘れてないか?」
「何も見忘れてないよ」
「あと2人いんだろ」
「これ友達としてカウントして大丈夫なの?」
その2人が誰なのか。言うまでもないだろう。
でも私も家から学校までの距離がすぐなのでスマホは持って行ってはないから妥当な人数だと思う。でもこの3年間誰からも聞かれなかったのが事実である。
「そろそろいいんじゃない」
「食べる分以外は戻そっか」
食べれるぶんしか釣らなかったが、この後の夕飯のことも考えて少し捕れすぎてしまった分を返すことにした。
持続可能な開発目標の何番目にあたるかわからないが、乱獲を避けて、その返した分が飢餓で困っている人にまで届いてほしい。そんな簡単なことで飢餓を撲滅することはできないだろう。であれば何十年も前に飢餓がなくなっているはずだ。
今考えればSDGsというのはおかしいと私は思う。
その理由として、現在先進国である国が地球環境を良くしてみんなの暮らしを豊かにできるように、と定めた目標なのだが、その地球環境を悪化させた原因の一つが今の先進国であるのと同時に、その貧困の格差などを拡大させたのも今の先進国だからだ。
やはり20世紀の列強諸国の帝国主義的考えが原因だと思う。
植民地支配というそれこそが国ごとに上下を区別し始めた根源であると考えるからだ。
これ以上すると今の日本情勢にも飛び火しそうなので本編に戻ろう。
「サクサクで身もふかふかで美味しい」
「すごいジューシー」
釣り上げたアジをその場で唐揚げにしてもらい、2人で美味しく食べ始めた。
自分たちで釣り上げたこともあいまってより一層お美味しく感じた。
「次はイルカのショー」
「あと5分もせずに始まるんだって」
「とんとん拍子で進みすぎじゃない?」
「それはまあ。運がいいんだよ」
本当は中の人が時間の描写がヘタクソなことは言えない。文学部志望ならまだしも経済、経営学部志望なので温かい目で見守ってやってください。
「急がなきゃまずいんじゃない?」
「さくら、あとちょっとだけ待って。まだ食べきれてない」
「味わって食べるのはいいことだけど、そんなに時間かかる?」
「ちょっと骨が刺さったもので。あと一口」
アジの唐揚げを骨の髄までしゃぶりつくしたところで、イルカショー楽しむべく、水がかかりにくく、イルカが見やすいところに移動した。
ショーが始まるのと同時に私たちは見やすい席についた。
「私たちがしたのと段違い」
「安心してみてられるね」
自分たちと違い、安心しきったトレーナーに指示を出してもらって芸を披露する。イルカたちも信頼しきっているためだろう、私たちが指示を出した時よりも優雅に披露している。
「ええ、本職のイルカのトレーナーには惨敗ということでよろしい?」
「異論はない」
結論、イルカに興味があっても見るのが一番。
「これで終わりだけどなんかお土産でも買っていく?」
「次来た時でいいかな」
「そっか」
たぶん、次に来た時も私たちはお土産は買わないだろう。
それは旅したところの余韻がずっと家に残り、またその場所に行くことがなくなってしまうからだ。
やりたいことをやり続ける。行きたいところに行く。それだけだ。
日も徐々にくれてきたこともあり、これまでの旅の疲れを流すため、温泉に入りに行こう。
お世話になった城崎マリンワールド様
https://www.youtube.com/watch?v=aV_pwhkhilc




