第36話 「4月1日」
エイプリルフール
「今から嘘をつきます」
「急にどうした」
いつもとは違いそんな突拍子もないことを言い出した柚葉だった。
今はというと、買いものに向かう途中である。私がさくらから買い物を頼まれ、スーパーに向かおうとしている最中、野生の柚葉が自転車で猛スピードで飛び出してきたのだ。このことは軽いジョブである。
そんなことはさておき、今日はどうやら柚葉の様子がおかしい。もしかしておめえ、進化するのか?今日がその時なのか。
「今日が何の日か知ってる?」
「四月一日」
「そう、1日に1回ウソをついていい日なの」
「柚葉に会えたってことはまだ夢か。じゃあ帰ろ」
「私より先に嘘つかないで。そんなこと言いながらスーパーに行くのやめて」
それはつまりホントに帰れということではないのか。そうとなっては話しは早い。すぐさまお家に帰ろう。あったかい我が家がまっている。待ってるのは妹だけだけど。
「うそうそ!回れ右して帰るのはやめて!一緒にいくよ」
「御意」
「そんなことは置いといて今から嘘をつきます」
ウソって宣言して言うものだったっけ。そこまでしてつきたいものなのか。
しょうがない。時間しかないもみじさんが構ってやる。
「じつは今月から転校するんだ」
「違う学校に行っても頑張って!応援してる」
「ウソ」
「ワービックリ。コリャオドロイタ。」
「私たちの学校今年からクラス替えあるらしいよ」
「ワービックリ。コリャオドロイタ。」
「これはホント」
え。マジかよ。2年までなかったのに今年から始まるってどうなってんだこの学校。来週の学校がさらに楽しみになってきた。
「これもウソ」
「私の喜び返してくれる?」
「やめて!どつきまわそうとするのはやめて!」
おっと失礼。ホントにグーパンが出そうだった。でも全部世間が悪い。悪いのは私たちじゃない。
悪いことは政府に擦り付けよう。こう考えると今の政府言い方が悪いがうんこみたいだな。すべてきたない汚れは洗い流さなきゃいけない。
すみません。口が悪くなりました。取り乱しました。
「来月のニュートンに私とあおいが載るんだ」
「ワービックリ。コリャオドロイタ。」
「これはホント」
「ワービックリ。コリャオドロイタ。」
「ほら」
「ワービックリ。こりゃホントだ!」
なんか見知ってる2人がなんか本の中にいたわ。しかもなんかインタビューされてある。
「あおいをここまでさすとは。どんくらいお金詰んだの?」
「たまたま通りかかったから道連れにした」
よくこんなのあおいがオーケーしたな。こんなの苦手なはずなのに。なんかウソっぽいから一応本人にも確認とっておくか。
『ニュートンにあおいの写真発見』
『有名人になっちまう。すまねえ』
これマジだ。レスポンスが鬼早かった。
『2人だといけるんだ』
『そりゃあ親友とならいけるよ』
『じゃあ私たちもいけるってことか』
『それは要相談』
なんでだよ。十数年間一緒にいるのに私と柚葉の違いは何だっていうんだい。毎日毎日送迎してやってるっていうのになんなんだよ。
「なんでそんなに怒ってるの?」
「怒ってると思うでしょ?今日は四月一日だからね」
だって2人の新しい一面を見つけたから。
嬉しいことは共有すべき




