第24話 「お迎え2」
普通の一軒家
みなさんおはようございます。海外住みの方はこんにちは、こんばんわ。わたしは現在ある部屋の前にいます。そこからは今にも強者感を醸し出しています。失礼しました、家主の方には特別な許可を得て上がらせてもらっています。
では、参ります。
「おい、長谷川あおい出てこい!いるのはわかってんのや。早くドア開けんかい」
「 」
「さっさと起きんかい!」
「っせえな」
どうやらこの部屋に住む住人はなんだか機嫌が悪そうです。安心してください、わたしはこのような人間の対処法は心得ています。不安だと思ったそこのあなた、よくお分かりで。
「いただきま~す」
わたしが今何をしたか、みなさんはお分かりですね。いかんいかん。私の頭がピンク色に染まっているのがバレてしまう。
グハッ!!
彼女のグーが私のお腹に。た、助けて。
「いつものように寝ていると思ったか変態野郎。なにか言いたいことがあったら一応聞いておくけど?」
「待ち伏せとは卑怯な!」
「世の中には油断大敵という言葉がある。
つまり、油断したお前が悪いんだよ!」
「それなら一発目で降りて来いよ。かまってちゃんか?」
「もみじ、朝から正論は結構よ」
なんで私が怒られてるの?普通逆だよね?おこしに来てもらった側がキレるってなかなかないよ。確かに朝からガチレスしたのは悪いと思ってるよ。だけど、それと比べてもそっちの方に非があるくない?
「あの、さっさと準備してもらっていいですか?下でお母さまがお待ちです」
「それは失敬」
下に行くとお母さまが待機していた。
「あらやだあおい、その格好はなに?エッチィわね」
「確かにお母さまこれは少々破廉恥でございます」
「黙れそこのバカ2人。ただのパジャマだよ!」
「そんな口の利き方を教えた覚えはありません。誰から習ったか言いなさい」
「少々態度がデカすぎるかと」
「お前らだよ!」
わたしとおばさんに原因があるらしい。べつに大したことを教えた覚えはないんだけどな。じゃあ、犯人はおばさんか。
「おばさんが教えたの?」
「私はそんなふうに教えた覚えはないけど」
「じゃあ、わたしか」
「「はあ、どこで間違えたんだろ」」
「両方だったんかい!」
いや、あおいはもうわかってたでしょ。しっかし、どこで道を踏み間違えたかは正直わからないんだよね。家ではおばさんが、それ以外ではわたしが教えたはずなのにな。
「それで、いつお父さんたち帰ってくるって?」
「しらない。でも金沢だからいつでも帰ってこれると思うけど、仕事落ち着いたら向こうから連絡してくるんじゃないの?知らんけど」
でた、『知らんけど』私たちが住む関西圏ではよく使うけど、関東だと通じるのかな?『知らんけど』は便利です。だって、曖昧のときにそれさえ言えば、たとえ間違ったとしても怒られないからね。悪用厳禁ではありません。まずは身近な友達に使ってみましょう。今日の関西弁講義はここまでです。
「お嬢様、パンはもう焼きあがってます」
「では、いただこうかしら」
あおいの朝ごはんの食べる速度は尋常ではない。だって、朝だから(意味不明)。厳密には、朝ごはんの時間を削って睡眠時間にあててるから、普通に急がないと遅刻するってわけだね。あおいはパン一枚を30秒で食べます。
『そこまでするんだったらもう少し早く起きたらいいんじゃない』と毎回聞くのだが、あおいのは返答はいつも『朝ごはんごときに時間を使うんだったら寝る方がまし』と答えるのだ。
睡眠欲の権化だな。
「朝ごはんの食べ方には何も言わないんですね」
「もう、幸せならいいんじゃないの?」
もう諦めちゃってるよ。口の中にパン詰め込んでお茶で流しこむ。なにかタイムアタックしてるのな?おばさんは娘が中学一年から言ってるのに聞かないから諦めたようだ。そりゃそうだ。もう手遅れだもんね。人前でそんな食べ方したら無理だけど、一応家のなかで誰にも見られてないからね。
「人の前ではしないように!」
「何バカなこと言ってんだ、人前でするわけないじゃん」
「自覚があるんだったら直そうとしなさい」
「うーん時間があったらね」
(おばさん、こいつ直す気はないらしいです)
(もみじちゃんの家で飼ってくれない?)
(こんな態度がデカいペットはいらないです)
(資金はだすから!言い値の報酬だよ?)
(さくらが全部するからもっとダメになると思いますよ?)
(じゃあ無理じゃない!)
だって、うちには万能なさくらがいるからね、あおいの改善には協力できそうにないです。というか、うちに来たらもっとダメになる未来が見える。
「これから歯磨きと着替えに入ります」
「慌てちゃだめよ、慎重かつスピーディーにいきなさい!」
マジでストレスとかなさそうだなこの親子。ここまで仲が良いとほほえましいな。
「あおいに反抗期とかあったの?」
「あるわけないじゃない。あったらこの家から追い出してるわ」
「同じ教育なのに私との差はなに?」
「それは私も知りたい!」
「そこのバカ2人、聞こえとるぞ!」
聞こえるように言ったからね。
「それではお母さま、行ってくるのであります」
そしてひかりと合流するのだった。
なにか忘れてる気が...




