第22話 「報告」
治れ!治ってください!
お、落ち着け。そうだ、いったん落ち着こう。
まだ故障したわけではない(いいえ、完全に故障してます)
考えろ、普通の人ならまずはどうするか。
とりあえず、ネットでどんな対応をすべきか検索しよう。
私の頭の中では第一に『ネット見ろ!』という言葉が浮かんできたので早速検索をかけることにした。
なるほど、このときはコマンドプロンプトをいじるのか。
でも、私の頭ではこのような動画が流れた。
それは、Vチューバーの大空スバル氏がコマンドプロンプトをいじろうとし、それをむやみやたらにいじるなと、制するルーナ姫。
機械に乏しい私は本当に軽々しくコマンドプロンプトというものをいじっていいものなのか葛藤していた。
あおいに聞けばよかったのだろう。でも、彼女が悲鳴をあげているのに他の女と話すことなんてできないよ!(あおいは暇人)
そもそも、そんな余裕なんかないんじゃ!
知ってるよ。あおいに連絡さえすれば協力してくれることを。
でも、友達1人さえ救えない私ではない。つまり、こんなピンチなんて余裕ってこと!
―――さかのぼること1時間前―――
「いただきます」
「っす」
気が抜けていた。
「お姉ちゃん、いただきますってなんでするか知ってる?
それはね、農家や漁師さん、食材を育てるのに関わった人、
そして食事を作った人に対する敬意と感謝の気持ちを表すために言うの。
いただきますぐらい言わんかい!」
妹のドスの効いた言葉で、我に返った。いかんいかん、つい『いただきます』を言うのを忘れてしまった。
『ありがとう(いただきます)』と『ごめんなさい』という言葉は魔法の言葉だからね。それすらいえない奴は人じゃない。だって、手伝ってもらったり、悪い事をしたときに何も言われなかったら嫌じゃない?私は嫌だね。あおいは若干ツンデレのところはあるが、絶対『ありがとう』と『ごめんなさい』は言うもんね。だって、そう育てたからね。(違います)
「わたしがいただきますを言ってなかっただと?」
「いえす」
「まずは父、母、ごめんなさい。あなたたちのおかげで生活していることを忘れていました。
そして、農家や漁師、畜産農家のみなさん。私たち人間を裏でささえてくださり、ありがとうございます。
これからも皆様方のおかげで生きていられることを忘れません」
「それでいいんだよ。パソコンはなくても生きていけるでしょ」
「何言ってんだ妹!パソコンは私の命と同じくらい大切だぞ。そのことを忘れんな!」
「こりゃ重症だ。お医者様に見せるしかないか。お姉ちゃんが中毒のこと話したらお母さんたち悲しむだろうな」
「噓です、冗談です。病院とお母さんにだけは!」
病院と両親だけはいけない。1人で病院に行けないのにさくらはわたし一人で行かそうとするし、両親はWi-Fiを捨てようとする。極め付きに病院はお医者さんと話すときが一番嫌いな時間だ。余計なことを聞かないでほしい。もちろん、善意で聞いてくれてくれるのはわかっている。だけど、人見知りな私にしては地獄でしかない。
「お母さん達には言わないから早く食べて寝ろ!今のお姉ちゃんの相手するのがめんどくさい」
言うねえ、あおいみたい。
2人とももくもくとさくらが作ったご飯を食べ進めた。
「ごちそうさまでした」
「した」
「おい、クソ姉、さっきの言葉を聞いていなかったようだな」
その後妹に、いや、さくら様に説教をくらったのは言うまでもないだろう。
そして現在に至るというわけだ。
さっきのは自分が悪いけど、女の子を怒らすとこわいね。私はこれまでの人生(17歳)で怒ったことは一度もない。だって、もし怒って喧嘩になったら絶対に負けるからね。負ける勝負は避けるタイプなんでね。
しかし、眠い。眠すぎる。このままではテキトウにやって、パソコンがおかしくなる未来が見える。いや、見えた。(見えません)
一応あおいに報告だけしておくことにした。
『すまん、パソコンから音が出ない』
それを送り、深い眠りへとついてしまったのだった。
ふて寝すればなおってるよね!




