第2話 「出発地点2」
サークル内方針は大事
別れたあと家についたわたしはあおいが言っていたサイトのことを調べることにした。
「もしもし、あおい今大丈夫?」
『お風呂あがりなんだけど。それで、話しってなに』
「帰りにいってたサイトのことなんだけど、いっぱいありすぎてどれ使えばわからないんだよう」
『ああ、そんなこと。一番有名なのでいいんじゃない?
ゆくゆくはわたしたち大物になるんだし』
「その自信は一体どこからわいてくるの。まあ、とりあえずそれでいいか」
相変わらずこの子はすごいことをいう。前まではこんなことを言う子じゃなっかたのに。誰が性格をひんまげたのかな。
そう、わたしです。
「一応そこに登録したけど、なにから書けばいいの?」
『え?考えてるんじゃないの?』
「ああ、ええと、うん。一緒に考えていこう」
ガチャ―――プー、プー
なんでや。今回ばかりはなんも悪くないやろ。一応謝っとくか。
『すみませんでした。推しの配信がもうすぐ始まること忘れてました』
『そういうことじゃない。自分のない胸に手を当てて考えろ』
鋭いなこの子。しっかり”ホウレンソウ”はしたのに。
とりあえず、内容については自分で考えろってことか。思ってたより難しいな。
今日はもう眠いし明日からでいいか。
――――――
「ふぁあ」
「眠そうだね。あの後に内容でもかんがえてたの?」
「いいや。昨日は9時間寝た」
「まあ気長に考えればいいんじゃない?受験期までに少しでも書けてれば」
もうちょっと怒られると思ったけど、あんまりだったな。
「それより、お願いがあるんだけど」
「あおいから頼み事って珍しいね。数学でも教えてほしいの?」
「その、もみじの小説のイラスト私に描かせてほしいんだけど。ダメ、かな?」
なにこの子超かわいいんですけど。わたしが男の子やったら完全にほれてたぞ。危ない危ない。
お小遣いを貯めて液タブ買ったのは知ってるけど。
「急にどうした?」
「いや、もみじが頑張るんだったら私もやってみようかなと」
「それは大歓迎だけど絵とか描けるの?」
「それについては問題ないよ。去年からいろんなアニメのキャラとか描いてるから」
まじか。隠れてなんかやっているのは気づいてたけど絵を描いているとは。お母さんうれしいよ。おそらく、描いているのはわたしが貸した恋愛小説のヒロインを描いているのだろう。
「一応どんな感じか見せてもらってもいい?」
「はい、これ」
「これは―――」
「やっぱりヘタだよね」
「あおいがあれの担当のイラストレーターなんじゃないよね?」
「当たり前だよ」
「いやーあおいがこんな才能を隠し持っていたとは」
正直驚きだった。どれにも興味を示さなかったあのあおいがプロ並みの絵を描いていたなんて。ひょっとして、わたしじゃなくもやっていけるんじゃないか。いやこんな考えはやめよう。今こそわたしの得意な逆の発想をするんだ。
私がいや、私たちで一緒に頑張っていくんだ。
そんなことある?