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みなそこに祈りを

作者: 青岩 縁

見通すことのできない未来に

意志と勇気で光を見出し、

強くまっすぐな瞳に

絶望を希望に変える力を宿す。

たとえ明日すべてを失おうとも

今日を悔いあるものにする理由にはならない。

得たものなど何ひとつ無くても

笑顔を捨てる必要はない。

行き当たりばったりの生き様だろうと

決まりきった世界に留まるより面白いし、

もし突然に別れが来ても

微笑んで明日へと送り出せるだろう。


冷たく澄んだ風を受けながら

広がる空と海のあわいを見つめる。

冷たさはやがて痛みへと変わるが

頬と鼓動は熱さを増してゆく。

切り開いていく道のゆく先

手を差し伸べたときの高鳴り

そして共に見る、無限の星空。

この身に受けるのが祝福でも許しでも

あるいは断罪だったとしても、

自分はきっと恐れることなく

それを受け入れることができるだろう。

本当の恐れと喪失を知り

打ち勝つ強さと優しさを得たから。


凍える世界の中にあって

それでも心はどこまでも温かく、

愛しい想いと共に広がっていく。

別れは痛みであり悲しみかもしれないけれど、

鎖から解き放たれる瞬間でもある。

遥かなる海とひとつになりながら

先に待つ未来を言葉に込める。

信じている。

願っている。

そして、愛している。

共にいた時間は短いけれど

その瞳がもつ気高さを知っている。

その足が力強く地を蹴ることも

その手が迷いなく可能性を描けることも

その心がどこまでも、自由であることも知っている。

だから、どうかこの空のように

広く澄んだ笑顔を見せて。

囚われていた日々を取り戻すように

思いのままに羽ばたいて。


いつか、再びこの手を差し伸べる日を

ここでいつまでも待っているから。

静かなる海と空の狭間で

世界の刻む時の針を見つめながら。

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