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●悪役令嬢に転生したのだが、病弱すぎだなんて聞いてない  作者: Crosis


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腐っても皇族という武器

 そう、マリーは俺なんかよりもよっぽど優秀なのである。


 この俺がここまで考え方が偏ってしまい、そしてマリーに対してだけキツく当たっていた理由でもある。


 この時点で俺はマリーよりも劣っているという何よりもの証拠であらのだが、俺は『男性である』だとか『皇族』であるなどというくだらないプライドを守る為にマリーを傷付けていただけに過ぎない。


 認めることが出来なかったら。


 認めてしまう事が怖かった。


 俺の生まれて来た意味が無くなってしまいそうで。


 しかしながらそれはマリーも同じ事で、その不安を払拭する為に努力したマリーと、その不安を払拭する為にマリーの足を引っ張る俺。


 誰が見ても、年々俺とマリーの差は広がっていく事など容易に想像出来ると言うのに、この時の俺は気付こうともしなかった。


 気づく事に恐れて無意識のうちに目を逸らしていた。


 そして、ようやっと気づくことが出来た俺は今、父親であり皇帝陛下でもあるお方が待つ扉の前に来ていた。


 俺の周囲には護衛が複数人。


 彼らは俺を守る為に用意された護衛ではなく、俺が何かをしでかそうとした時に皇帝陛下を守る為に付けられた皇帝陛下の護衛達である。


 この事からも今の俺の位置が分かる。


 まさに自業自得であろう。


 そして、目の前の重厚な扉は開かれ、広い部屋、その奥で玉座にすわる父親の姿があった。


 その姿は一国を背負う皇帝の姿であり、息子に向ける姿ではなく、そして俺が背負う事のできなかったモノを一人で背負っている男の姿でもあった。


 その男性の元へ俺は予め指定された場所まで歩くと首を垂れる。


 その俺の姿を見て目の前にいる男性は、一瞬だけ驚いたような雰囲気をした。


 むしろ驚く程、今までの俺が酷かったという事であろう。


「ふむ…………そういう態度を取れるようになったくらいには成長したという事か。 ……面を上げよ」

「はいっ」

 

 皇帝陛下の許可を貰い、表をあげるとそこには息子ではなく、いち家臣へ向ける皇帝陛下としての顔がそこにあった。


「して、其方はなぜ今日我を呼び寄せた?」


 その目は『普通ならばただの家臣にはこんな事はしない。 この場自体があり得ない事。 その場で何をお前は申す?』という目をしており、まるで俺を見定めているようでもあった。


 いや、実際にそうなのだろう。


 そして恐らく、これが最後の、俺が出来る我が儘でもあるのだろう。


 しかしながら、こんな俺にも俺にもまだ武器はあるのだ。


 腐っても皇族という武器が。


 もうどうせ最後のチャンスならばそれを使わない手は無い。

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