なんで?
「あっそ」
「女が男に向かってなんだその口の利き方はっ!?」
「逆にお聞きいたしますが公爵家に向かってそんな口の利き方をしてよろしいのですか?」
「それ以前に女性としての態度があるだろうっ!!」
やはり、想像通りの返答で返す言葉も出てこないので適当にあしらうのだが、それがウィリアムの癇に障ったみたいである。
顔を真っ赤にして唾を飛ばしながらどなるウィリアムは実に滑稽で、こんな奴に貴重な体力回復に回す時間を削られているのだと思うと怒りすら覚えて来るのだが、いかせん冗談抜きで体力が無くなり、体調が悪くなってきているので言い返す気力も沸いてこない。
それにしても女性というだけでここまで見下してくるような人物だとは、今日の事をお父様にチクってこいつの家との交流を考えるように進言するのも良いかもしれな──
「けふっ」
──血……?
これからウィリアムの家、伯爵家であるペイジ家との関係を考えていると、思わず咳き込んでしまうのだが、その時口を覆う為に使ったハンカチに血痕が付いているのが見えた。
あ、やばい。
そう思った時にはもう遅く、横になって楽な姿勢を取る間もなくわたくしは今度は大量に吐血しながら倒れ、そして記憶が途切れるのであった。
◆
目が覚めると、最初に保健室の天井が見えた。
わたくしが倒れた後、誰かが血みどろであろうわたくしをここまで運んでくれたのであろう。
しかしながら、あの時あの場所にはウィリアムしかおらず、あのウィリアムがわたくしをここまで運んでくれるのかという疑問がある。
そもそもウィリアムであればあのままわたくしを見捨てて校舎に戻り、あわよくば死ねぐらいは思っていてもおかしくはない。
「ったく、体調が悪いならば初めからそう言え。いきなり血を吐きながら倒れた時はびっくりしただろうが」
「……………………え?ウィリアム?なんで?」
しかし、実際に目の前でわたくしを見ていたのはウィリアムであり、その物言いはまるでわたくしをここまで運んできたかのようではないか。
「あ、あのままお前を見捨てたら俺のプライドが許さねえんだよ。それに、万が一あの場面を誰かに見られて、俺が見捨てたりでもしたら、俺は牢獄行きであった可能性もある。お前が原因で牢獄に行くことなど耐えられないだろ。そもそもなんで体調がわるいなら悪いと言わんかったんだよ。言ってくれればおれだってもう少し気遣ってやれたというのに。という事を考えれば何も言わなかったお前が全面的で悪いわけで──」
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