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18話

お待たせ致しました。気づけばもう4ヶ月弱………ほんとに時の流れが経つのが早すぎる。

そして最初の投稿から一年以上が経っていたという現実。一年で18話は遅いんじゃないですかねぇ!?(知らんけど)




どれだけ頭を撫で続けていただろうか。日は既に落ちており、外は真っ暗になっていた。


そろそろ起こそうかとも思ったが、このまま朝まで寝かしてもいいのではないかという気持ちもあり、なかなか行動に移すことができていなかった。優柔不断、ここに極まれりである。


そんなことを考えていたら、いつの間にかシャナが目を覚ましていた。しかし、さっきと同様寝ぼけているのか、ぼーっとしていたので、声をかけることにした。


「おはよう。シャナ」


「んみゅ………ゆーりす、おはよ……」


「あはは。おはよう」


シャナはまだ若干寝ぼけているらしく、目を擦りながら伸びをしていた。俺はシャナの目が完全に覚めるのを待つと、まず現状確認をすることにした。


「シャナ、よく眠れたか?」


「ん。眠れた。それより、ユーリスは大丈夫?」


「俺はこのとおり、元気いっぱいだよ」


「そう……よかった。ユーリスが起きてくれて」


シャナはそう言った後、微笑んだ。やっぱり彼女の笑顔はとても美しい。いつでも見ていられる。


俺は早速、話の本題に入った。


「シャナ、俺は一体どれだけの間眠っていたんだ?」


「っ!…………今日で五日目……」


シャナは俺の変化にすぐに気づいたのか、真剣な表情になった後にそう答えた。俺はそんなシャナの反応にあえて触れず、話を続けた。


「そっか………五日も寝てたのか、俺は」


「(コクリ)」


俺は、一番心配だった事をシャナに聞いた。


「その間、家族はどうしていたんだ?」


俺が五日も眠っていたのなら、家族は何かしらの行動を見せると思ったのだが、どうしてか物置小屋から見える家の明かりは灯っておらず、外はとても暗いという状況だった


「あの人たちは今、王都にいる」


「王都に?どうしてだ?」


「貴族達のパーティがあるって、ユーリスのおじいさんから聞いた」


「あぁ、そうだったのか……シャナがそう言ったのなら、おじいちゃんも一緒に行ったんだよな。いつここを出たんだ?」


「ユーリスが意識を失った日の翌日。一週間くらい向こうにいる予定だって聞いた」


「なるほど。偶然にも俺が寝ていた期間と被っていたわけだ。あれ?じゃあどうして俺はまだ家にいるんだ?………いや、なんとなく察しはついた」


「………多分、ユーリスが思っている通りだと思う」


「ははっ。やっぱりそうか」


思っている通りだとしたら、俺の家族は自分をパーティに連れていったら何かしらまずいことでもあるのか、あるいはただ恥さらしになるからと、あえて連れていかなかったのだろう。しかし今回は俺にとって都合が良いい結果となった。


「…………ユーリスは、悔しくないの?」


「え?何が?」


「あの人たちは、ユーリスの事をわざと置いてパーティに行ったから………」


確かにシャナの言うことは普通のことなのだろう。

しかし俺は、あれだけ酷い扱いをしてきた人達にこれといった感情や思いを持つ事ができなかった。記憶が戻った今なら尚更、彼等のことが同じ家族という風には思えなかった。なので俺の答えはただ一つしかない。


「いや全然悔しくないけど?」


俺がそう答えると、シャナは一瞬ポカンとした表情をした後にこう言った。


「そう……ならいい」


「そうか………」


…………なんだか、変な空気になってしまった。シャナに変に思われていないだろうか。ここに来て俺の人見知りが早速発動してしまったらしい。俺とシャナの間に沈黙が流れた。このままではいけないと俺はすかさず、次の話題に変えた。


「そ、そういえば、おじいちゃんも王都に行ったって言ってたけど、行く前に俺の事について何か話した?」


もしユーリスの記憶通りなら、おじいちゃんがここに来てもおかしくは無いはずだ。しかし、俺は意識を失っている状態だった。なら、シャナはどうやっておじいちゃんに不審がられないようにしたのだろうか。


「『ユーリスは昨日からずっと寝ている』って言った。そしたら『そうか、ならユーリスに伝えておいて欲しい。一緒にいてやれなくてすまないと』って言われた」


おじいちゃん………厳密にはこの体のおじいちゃんだけど、そんなこと気にしなくてもいいのに。それにしても、 たった一言だけでよくその場を乗り切ったなとふと疑問に思ったが、気にするだけ無駄というものだろう。俺はすぐに浮かんだ疑問を消し去ることにした。


「そっか」


………会話が途切れてしまった。再び俺とシャナの間に沈黙が流れる。しかし、その沈黙を破ったのはシャナの次の一言だった。


「…………ユーリス、ううん、違う。あなたは、一体誰?」


「っ!それは………」


その質問は、今回の件についての核心に迫るものだった。俺は突然の質問にすぐに答える事ができなかった。


本当は自分からその話を切り出そうと思っていたのだがシャナに先を越されてしまった。


そこでふと気づく。俺はこっちの世界で弘樹として生きるかユーリスとして生きるか決めていなかった。


しかし、そんな決断など俺には必要なかった。俺の中ではもう既に、どう生きるかが決まっている。俺は意を決してシャナに自分のことを説明することにした。


「…………シャナ、もうわかっていると思うが、今の俺は眠りに落ちる前のユーリスとは全く違う。もっと言うと、俺は前世の記憶を持っていて、その記憶が今の俺を形作っていると言ってもいい」


「……………やっぱり、そう」


なんだろう。俺からすれば、かなり重大かつ驚くような話をしたつもりだが、シャナの反応がイマイチだ。それとも、驚きすぎて言葉が出ていないだけなのか。どちらにせよ、俺には判断がつかなかった。


「えっと………話の続きなんだけど、俺は前世の記憶を取り戻したからこんな風になったけど、それと同時にユーリスとしての記憶もちゃんと残っている。それだけは分かって欲しい」


「(コクッ)。それじゃあ、なんて呼べばいい?」


「そうだな、前世では弘樹と呼ばれていたが、シャナは俺の事をユーリスって呼び慣れているからな…………よし、どっちにするかは、シャナが呼びやすい方でいいよ」


シャナがどう呼ぶかを俺が強制する気は全くない。シャナは、あくまでユーリスとしての俺と過ごしていたのだから、彼女の判断に身を委ねるつもりだったのだが、


「ん、じゃあヒロキにする」


決断が早かった。俺はあまりの拍子抜けさにギャグ漫画みたいにガクッとなってしまった。


「い、いいのか?俺からすればかなり深刻な選択をさせたつもりだったんだが」


「だって、ユーリスはヒロキだから。それに、ユーリスもヒロキも同じ。それ以上でもそれ以下でもない」


それは、俺もユーリスも同じ人物だという風に思ってくれているということなのだろうか。シャナの考えている事はたまにわからなくなるのだが、今日は特にわからなかった。


ただ、表情の些細な変化は何となくわかるようにはなっている気がする。今のシャナは、何だか楽しそうな表情をしている気がした。あくまで気がした程度だが………。


「そっか。シャナがそう言うなら、俺のことは弘樹と呼んでくれ」


「ん、これからよろしく。ヒロキ」


うっ。いかん。普段女子から下の名前で呼ばれていないということもあり、耐性がほぼ皆無だった俺は、どうしても変な感じに反応してしまう。


「おう。よ、よろしくな」


俺はそう言って笑ってみせた。しかし、上手く笑えているかどうかはわからなかった。

何もせずに頭の中だけで考えながら書いていると、やばいということがようやくわかったので、ストーリーを考えているのと、忙しいというのがあるのでまた投稿頻度が激減します。それでもいいという人はぜひ読んでくださいm(*_ _)m

ストーリーがある程度考えられたらもしかしたらまた投稿頻度が上がるかも………

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