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12話

眠たいのです(´ - ω - `)

内容薄かったらすいません。




昼飯の後、おじいちゃんが物置小屋から出て行き、僕とシャナだけが残った。


僕の親が帰ってくるから外での魔法練習はできない。


シャナが防音魔法と幻影魔法を使ってくれているおかげで、屋敷で働く人達はなんとか誤魔化しているが、不幸にも僕の両親は魔法が王に仕える魔術師と同じくらい、まぁつまりすごく強いので、すぐにバレてしまうだろう。


なので親が屋敷にいる間、僕はシャナに攻撃魔法ではなく、身体強化魔法や防御系魔法などがある無属性魔法を練習している。


「シャナ、これはどうかな。『精霊の力よ!不可視の力となりて我が身を守れ!防御(ガード)!』」


「ん、この前より性能が上がってる………もう、気にしないことにした。うん、それがいい」


「ほんと!?やったぁ!」


シャナに褒められて喜んでいた僕は、その後に続いていた言葉が聞こえていなかった。


「あ、そうだ!今のステータスどうなってるかな。『ステータス』」


僕は自分のステータスが気になり、『ステータス』と唱えた。


するとこの前と同じように、僕の目の前に透明の板が現れる。



-----


名前 ユーリス・ヴァレンツァ

種族 人間

職業 精霊魔術師

状態 健康(記憶喪失)


筋力 39

精霊力 100000

敏捷 25

器量 100/1000


-----



「あれ?この前見た時と変わってない」


「それが当たり前。筋力と敏捷は平均が100くらい。私が今まで見てきた中でも、最大が300から400の間だった。ステータスを上げるとなると、相当の努力が必要。筋力を1あげるのに、およそ五日くらいかかる。だから0と1の間には、かなりの差がある」


「ふんふんなるほど。え、じゃあシャナのステータスってめっちゃ凄いんじゃ?」


「ん、これは年季の差っていうやつ」


『え、じゃあシャナは何歳なの?』と聞こうとしたが、シャナは「これ以上聞くな」と言わんばかりの顔でこっちを見てきた。


うん、深くは聞かないでおこう。


なんだか分からないが、女性にはタブーな発言の予感がした。


「そっか、じゃあこれから毎日特訓しないといけないね!」


「ん、頑張れ」


シャナにジト目で見られた。僕は何も変なこと言ってないはずなのに。






そうしてシャナと話していると、ふと思い出した。


「そういえばさ、僕って記憶喪失らしいんだけど、どうやって治すの?」


そう、僕は記憶喪失という事になっている。


多分、夢で見たあの光景が僕の頭に残っている記憶なのだろう。


もし、記憶が戻ったら僕が夢で見た光景以外の風景や出来事を思い出すかもしれない。


そう思ったら気にならずにはいられなかった。


シャナは少し考える仕草をすると、こう言った。


「ん………確か、それは状態異常っていうやつで、基本的にその時は光属性の魔法の『解呪(ディスペル)』で治せる」


状態異常、もしかすると風邪や熱のことを指しているのだろうか。


「そうなんだ。それって自分に向けて使えるの?」


「使えるけど、他の人からやってもらった方が、効果は高い」


もしそうなら僕が頼れる人、いや、精霊は一人しかいない。


「じゃあ、シャナがやってくれないかな?」


するとシャナは驚いた様子で僕に聞いてきた。


「………ユーリスは平気?」


「ん?何が?」


「記憶が戻ることによって、今の自分がどうなるのか不安じゃないの?」


あぁ、そういうことか。


確かにシャナの言いたいことは分かる。


記憶が戻って僕が僕じゃなくなったとしたら、今の僕はどうなるのかということなのだろう。


だが不思議と僕は、記憶が戻っても大丈夫だという変な自信があった。


「うん。僕は大丈夫だから心配しなくてもいいよ」


「………なら、いい。それじゃあ、始める。

…………『解呪(ディスペル)』」


シャナは、少しだけ躊躇っていた。


やはり記憶云々に関して簡単に考えるべきではなかったかと僕は思った。


だが決心したのか、シャナはすぐに僕に魔法をかけてくれた。


「……………………」


「……………………」


僕とシャナの間に、変な空気がうまれる。


僕はシャナに確認を取ることにした。


「シャナ、これってほんとに効果あ……」


しかし、最後まで言い終えない内に僕の頭に激痛が走った。


「う、うぐぅ!ああああああああぁぁぁ!!!」


「ユーリス!?しっかりして!ユーリス!」


僕は珍しくシャナが取り乱しているなという、どうでもいいことを思いながら意識を闇に落とすのだった。






*******






「いや〜、楽しみだな!遠足!」


そう言いながら弁当を食べているのは、俺の幼馴染であり、学校でイケイケなイケメン男子高校生、雄一だった。


「ふふっ。そうね、明日だもんね。遠足」


そして、雄一の言葉に反応したのが、学級委員長であり、現在雄一とラブラブな関係を築いてる川上千雪である。


「ヒロキ。明日の準備って何だったっけ?」


そして僕に話しかけてきたのは、僕が一方的に好意を抱いている、中村雫玖だった。


「あ〜、確か箸と皿と飲み物だっけ?」


そして雫玖の質問に答えたのが、平凡で特に目立つとこのないアニメオタクな男子高校生、まぁつまり、俺、横河弘樹である。


現在、俺達は昼休みになったので学校の教室で昼食をとっていた。


明日は学年全体での遠足がある。


その内容は、隣の県にある湖の傍でバーベキューをするというものだ。


ちなみにグループは俺が知らない間に、川上、雄一、雫玖、俺というメンバーになっていた。


そして今は、バスの座席をどうするかについて話していた。


「明日のバスの座席どうしようか」


「そんなの決まってるじゃん!ちーちゃんとゆーいちが隣で確定でしょ!」


そう言ったのは、雫玖だった。


だが俺は、その提案に異を唱える。


「おいおい、普通は川上と中村が隣になるだろ」


すると川上も俺と同じ意見だったのか、加勢してくれた。


「そうだよ雫玖。私と隣になろうよ。そ、それに、雄一と隣なんて………恥ずかしいじゃない」


そう言って川上は顔を真っ赤に染めた。


違った。ただの惚気だった。


「お……おう、そうか……」


そして雄一の方も顔が赤くなる。


そして二人の間の空気がとてつもなく甘くなった。なんだコレ。


「おいそこ。自然な流れで甘い空気を生み出すんじゃない。」


「だったら弘樹も彼女を作ったらいいじゃないか」


「お前は口を開いたら彼女を作れとしか出てこないのか?前にも言ったように俺みたいなやつは他の女子と釣り合わないんだよ。悲しいことにな」


俺は言いながら精神ダメージを受けた。


まぁ慣れてるからいいけどな。ははっ………


すると雄一は憐れむような目で俺とは別の方を見ていた。


その目線につられて俺が目を向けると、そこには雫玖がいた。


しかし、その表情は怒っているように見えた。


「おい中村、どうしたんだよ」


「…………ふん!ヒロキなんか大っ嫌い!」


そう言って顔を背けた。


「ぐはっ!」


多分今までの人生の中でこんなにダメージをおったことは無かっただろう。


俺は胸に手を抑えて机にうつ伏せになってしまう。


「あーあ。それもこれも、弘樹が原因だからな?」


「一体俺が何をしたっていうんだよ〜」


俺の問いに答える人物はいなく、ただただ俺の悲鳴が虚しく教室内に響くのだった。







放課後、川上と雄一のペアと別れ、俺と雫玖はいつものように下校していた。


しかし、雰囲気は最悪である。


「……………。」


「………なぁ中村、そろそろ機嫌直してくれよ」


「……………。」


「俺がなにか中村の機嫌を悪くするようなことを言ったんなら謝るからさ」


「……………。」


俺がいくら雫玖の機嫌を取ろうとしても彼女は黙ったまま前を歩く。


最悪だ。


俺はこのまま雫玖とこんな雰囲気のまま、明日の遠足に行かないといけないのか。


だとしたら本当の本当に最悪だ。


俺はどうにかして再度雫玖の機嫌を直そうと試みる。


「なぁ中村。その、あの時にお前の気に障るようなことを言ったのだとしたら謝る。本当にすまなかった。だから、明日の遠足は楽しく過ごそう。うん、それがいい」


すると雫玖は、突然俺の方を向いてこう言った。


「私に許して欲しいなら一つ条件があります」


「お、おう。なんだ?」


あまりに突然の事だったので、半分流されるように俺は返事をした。


どんなことを要求されるのだろうか?


荷物持ち?バーベキューで肉を焼くだけで食べてはいけないとか?


だが雫玖は、俺の予想とは全く外れたことを言ってきた。


「明日、ちーちゃんとゆーいちを隣同士にして、私とヒロキが隣になること!これが条件!」


「…………へ?」


俺は雫玖が言ってきた条件の内容が、頭の中で上手く噛み砕けなかった。


こころなしか、雫玖の顔が赤くなっているように見える。


「え、でも中村はそれでいいのか?」


「なにが!」


雫玖は若干キレ気味だった。解せぬ。


「いや、だって俺みたいなやつと中村が隣になったら変に誤解とかされたり噂になったりするだろ?お前はそれでいいのかよ」


「もし誤解とかされて噂になったとしても、ほっといたらいいでしょ!そ、それに……その方が私としても嬉しいかな〜………なんて(ボソッ)」


「え、それってどういう」


「と、とりあえず!さっき言った条件を守ってくれるなら、私はヒロキを許す!これでこの話はおしまい!じゃあね!」


そして雫玖は逃げるように帰って行った。


は?その方が嬉しいだって?


もしかして雫玖は俺のことが好きなのか?


俺はそんな予測を立てるが、直ぐに自分の中で否定する。


いやいや、俺みたいな奴に限ってそんなわけない。あるわけが無い。










あるわけ……………ない、よな?




結局、最後の雫玖の言葉が頭から離れず、悶々としながら俺は帰宅したのだった。

ラブコメを書くのが下手くそな自分が、ラブコメを書こうとした結果。

ユーリスの記憶云々に関しては完全にご都合主義でございます。早速発動したね、ご都合主義。


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