9話
投稿が遅れてしまい申し訳ありません。
こんな感じのマイペースな投稿間隔ですが、これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m
「次は、攻撃魔法を教える。
さっきも言ったけど攻撃魔法には属性があって、火属性、水属性、風属性、森属性、雷属性、光属性、闇属性、無属性の八属性があり、魔法の強さは下級魔法、中級魔法、上級魔法、超級魔法、神級魔法まであって、使える魔法は契約した精霊の階級で大きく左右される。
私は大精霊だから、神級魔法まで使えるはずだけど………」
「どうしたの?」
「ユーリスは上級魔法までしか使えない」
「え、そうなの?でもなんでだろう」
「憶測だけど、昨日私が全属性魔法が使える精霊だって言ったこと覚えてる?」
「うん。あれは衝撃的だったからね」
「その全属性が使える弊害と言えば、辻褄が合う」
「なるほど」
辻褄が合うってどういう意味かわからないけど、内容を聞く限り疑問が解けるという意味なのかな?(←違う)
あ、そうだ。ステータスが何なのかを聞くのを忘れてた。
「ねぇシャナ、昨日から気になってたんだけど、ステータスって一体何なの?」
それに僕が聞き覚えのあるような気がするのも気になるし……。
するとシャナの顔が『……はっ!忘れてた!』と言わんばかりの表情となり、気まずそうな雰囲気になった。
「…………ごめん。先にそれから教えるべきだった」
「い、いいよ。そんなにならなくても」
「………じゃあ、ステータスについて教える」
シャナは申し訳なさそうな顔をしながら説明を始めた。
「ステータスというのは、自分の強さとか、使える魔法とかを表示するもの。
これを見ることで、自分が相手より強いかや、自分のできることが分かる。これ、便利」
「へぇ〜そんなのがあるんだね。じゃあ、シャナは今まで僕のステータスっていうやつを見てたってこと?」
「そう。だからさっき見た時、ユーリスが上級魔法までしか使えないことがわかった」
「なるほど。それって僕も見ることができるの?」
「ん、見る?」
「見たい!」
「それじゃあ、はい」
シャナが虚空に手をかざした途端、そこに透明の板が現れた。
「うわぁ!凄いねコレ!」
僕は、今までに経験したことのない未知の世界に強い興奮を覚えていた。
空中に現れる透明の板とか、これから僕が見る世界が変わるくらい、すごいものだった。
「それじゃ、見てみて」
僕は、シャナに言われるがまま透明の板を見てみると、
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名前 ユーリス・ヴァレンツァ
種族 人間
職業 精霊魔術士
状態 健康(記憶喪失)
筋力 39
精霊力 ∞
敏捷 25
器量 100/1000
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……………うん、色々とツッコミどころが満載な僕のステータスでした。
まず、僕はやっぱり記憶喪失だった。
この前から、変な夢を見るし知らない単語が無意識に頭の中に浮かんでくるから、何となくそうなんだろうなとは思っていたけど……。
………この時、僕は自分が記憶喪失になっているのに、年相応の反応とは思えないくらい落ち着いていることに気づいていなかった。
そしてもうひとつは、
「シャナ、この8を横にしたのって何?」
「さあ?」
未解決に終わった。
「ユーリス、それよりもここに注目して欲しい」
そう言ってシャナが指をさしたのは、『器量』というところ。
「普通の魔術師と精霊魔術師のステータスの表示が違うところは主に二つ。
魔力の表示が精霊力になっているのと、器量という表示が増えている。
精霊力はさっきも言ったように魔法の源で、大切なのはこの器量という欄。
これは端的に言うと、精霊とどれだけ契約できるかを表すもの。
私と契約するのに必要な器量は100だから、このステータスにあるのと同じ」
「あ、本当だ。100って書いてある」
「うん。ちなみに言うと、一般的な上級精霊と契約するのに必要な器量はだいたい30くらい。
大精霊となると、だいたい50から70くらい」
「え、でもシャナは100なんだよね?」
ちなみに言っておくと、僕は一般的な知識は身につけている。おじいちゃんに教えてもらった成果だ。
もちろん数字も千まで数えることができるし言葉の意味もそれなりにわかるつもりだ。たまに知らない言葉を聞くことはあるけどね。
もしおじいちゃんがいなかったら僕は何も知らず、頭が悪い子供になっていただろう。
改めておじいちゃんの存在に感謝した。
「昨日も言ったけど精霊族の長の娘だからというのと、全属性魔法が使えるから私は他の精霊と違うのかもしれない」
「なるほど、そうなんだ」
「うん、そういうこと………って違う。
重要なのはユーリスの器量の多さにある」
「僕の器量?」
僕は改めて自分のステータスに注目すると、
『器量 100/1000』
「えっと、これってもしかして………」
僕はことの重大さにやっと気づいてしまったかもしれない。
「そう。ユーリスは昨日も言ったように器量が大きすぎる。私が今まで見た中でも、とびきり多くて50が最大。だから、ユーリスは今までの間精霊と契約することができなかった」
なるほど。昨日、シャナに器量が大きすぎるから精霊と契約できなかったと言われたと言われた時は、その程度でとしか思わなかったが、全然その程度じゃなかった。
そして、事の重大さを再認識させられた僕はとあることに気づく。
「ね、ねぇ、シャナ。もしかしてこれって………」
僕は恐る恐るシャナに聞こうとすると、
「?」
シャナは何もわかっていない様子だった。
ちなみに、頭を傾げた時のシャナに普段とは違うときめきを感じてしまったのは、仕方が無いと僕は思う。
僕は改めてシャナに聞いてみた。
「これって、僕の存在が世界に何か影響を与えるんじゃないかなって思って……」
「…………………あ」
そう、僕みたいな人が現れたら、世界に影響を及ぼすに違いない…………って何かの絵本で知った。
そして案の定、シャナは何もわかっていなかった…………かわいい。
「ど、どうしようユーリス………。これから、どうする?」
珍しくシャナが狼狽えていた。
しつこいようだが、その珍しい姿を見れた僕は、シャナの新しい面を見れたような気がしてすごくときめいてしまった。
…………………最低だな、自分。
っとそんなことを考えている場合じゃなかった。
「シャナ。僕はこれから、このことを秘密にして行こうと思う」
「え?」
僕は考えた。このステータスが世界に影響を及ぼすのだとしたら、隠していけばいいと。
それに僕は、平穏な暮らしがしたいと思っている。
そこまで人に知られなくても構わないし、有名になろうとも思わない。
だったら、普通の人になればいいと考えた結果、このことを秘密にすることにした。
「…………そう。あなたは、前の人とは違うのですね………」
「………シャナ?」
「っ!ごめん。ちょっとボーッとしてた」
「だ、大丈夫!?」
「うん。もう大丈夫。ごめん、心配かけた」
「いや、シャナが大丈夫なら安心だよ」
それより気になったのは、さっきのシャナの発言。
『前の人』って一体誰のことなのだろうか。
さっきのシャナは何か雰囲気が違うような気がした。
僕はひっそりと、さっきのことを胸の奥にしまうことにした。
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おまけ
「そういえば、シャナのステータスも見てみたいな」
「ん、いいよ」
そう言ってシャナはステータスを僕にみせてくれた。そこに書いてあったのは、
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名前 シャナ
種族 精霊
職業 大精霊
状態 健康
筋力 245(735)
精霊力 5523(16569)
敏捷 473(1419)
器量 100
契約者 ユーリス・ヴァレンツァ
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「うわぁ〜、シャナのステータスってこんななんだ!このカッコに入っている数字は何?」
「精霊族は、人間やほかの種族と契約するとステータスが3倍になる。カッコの中の数字は、私がユーリスと契約したから普通のステータスの3倍の数字」
「なるほど。じゃあ、シャナはすごく強いんだね!」
「ん、もっと褒めてもいい」
シャナは少し、いやかなり自慢げな顔になった。
「うん!本当に凄いよ!僕はシャナと出会ってなかったら、こんなに感動することは無かった!だから本当に、僕と契約してくれて本っっ当にありがとう!シャナのことは一生大切にするから!」
「………///」
シャナは突然顔を赤くしてそっぽを向いた。
僕はまた何かやらかしてしまったのだろうか。
「シャナ、どうしたの?僕、また何か変なことでも言った?」
「…………天然たらし(ボソッ)」
「え?なんて言ったの?」
「なんでもない」
シャナがなにか呟いたように思ったが、僕にはなんて言ったのか聞こえなかった。
魔法練習まだなの?と思ったそこの君!次は必ず魔法を使うので待っててください………(;´∀`)




