表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
わんだーけみかる!~煩悩まみれな薬剤師男が美女の尻に敷かれる異世界旅~  作者: ぽんぽこ@銀郎殿下5/16コミカライズ開始!!
第一世界編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/47

ヌメヌメ、襲来

 


 港の側に集まると、遠く海の彼方から、うねりをあげて波が襲ってくるのが見えた。

 否、津波の如くモンスターの群れが大量に向かってきているのだ。



「来たぞー!! モンスターがウジャウジャ来やがったぁぁあ!!」



「奴ら、泳ぐだけじゃねぇ! 空を飛んでやがる!」



「アレはピギールじゃな。……ふむ。どうやら此度呼ばれたのは八十年振りかの」



「あ、あなたは!?」


 アキラ達の背後に突然現れた人物。

 180cmを越える長躯に、足首ほどまであるスカイブルーの長髪。

 身体はスレンダーで、肘や足首に特徴的な薄いヒレがついている。

 局部は自前なのか、鱗でできた部分鎧のようなもので覆われており、不思議な上品さでイヤらしさは感じられない。



「我はマーレ族の族長、レジーナ=クーラブじゃ。そこの騒いでおる過去の勇者、じゃな」


 彫刻のような整った顔と切れ長の目で、慌てふためく街人を見つめるレジーナ。



「へ? 勇者カニ男? おと、こ??」


「ナニを指差しておる。不敬じゃぞ?」


「だ、だって。な、無いよな?」


「我らマーレ族は繁殖時にのみ性別が現れる。前回の騒ぎの時は、たまたま男だったのじゃろ。それより其方。その身体に神器を宿しておるな? 女神が召喚した本物の勇者であろ?」



 アキラよりも上から、中性的なボイスで耳元に(ささや)くレジーナ。

 なんだろう、すっごくゾクゾクする。

 今のレジーナの性別はどっちなのだろう?




「あ、あの……レジーナさんは街の人に呼ばれて?」


「いや、我は同族がピギールの大群を見つけての。街へ押し寄せそうじゃったので、警告にきたのじゃが……少し遅かったようじゃの」


「その、ピギールというモンスターはどういったモンスターなんです?」


「ん? 其方は女神教の神官か。陸の者は知らぬじゃろうが、ピギールは海神リーヴィアの肉片より生まれたとされるモンスターで、普段は深海で大人しくしておるのじゃ。しかし突如何かに惹かれたかのように陸へ向かったのでな、こうして我が参ったわけじゃ」


「じゃあ街の人も普段は見掛けないモンスター!? しかもあんな大量に……」


「あのモンスターは太く大きく、ヌルヌルウネウネしておっての。マーレ族の必殺槍でも中々刺さらん。魔法も粘膜を剥がすまでは中々いかぬのじゃ。前回のサクサクシャークは相性抜群だったのじゃが……」


 悔しそうにフォークのような三叉槍を握りしめるレジーナ。

 モンスターを食べられないから悔しがってるんじゃないよね?

 サクサクシャークもすっごく気になるけど今はピギールとかいうモンスターに集中しなければ。

 と、話をしているうちに敵の第一陣がやってきたようだ。



「「「ぴぎぃ! ひっぎぃいぃいいい!!!」」」



 豚のような鼻を持ち、太く長くて黒光りしているモンスターがぬめぬめわっしゃー!と飛んできた。


「え。豚とウナギのキメラか何かか!?」


「なんかすっごく戦いたくないんだけど……」


「たまにあぁいう信徒さんいらっしゃるです。気持ち悪いですぅ……」


「くっ! 我の仲間も彼奴(あやつ)らに幾度となく犠牲となっておる! 今度こそは仇を討ってやるのじゃ!!」



 カニ男改め、麗しの海の勇者レジーナが槍を回転させながら果敢にもピギールに立ち向かう。


ひぎぃぃい!(お前ら!) ぴぎぃひぎぃいい!(獲物が来たぜ!)


ぴぎぃ!(上者だ!) ひぎぃぃっ!(やっちまえ!)



「くっ! まとわりつくなぁあ! やめっ! ちょっ、入ってこないで! あっ!」



 そしてウナギの波に飲まれて消えた。




「ちょっ! レジーナさぁぁあん!!」


 少し経つと、ぺいっ!と弧を描いてドサッと何かが落ちてくる。



「ふ、ふえぇっ、ヌメヌメこわいよぉぉ」



「や、やばいぞ! 勇者クラーブ様でも敵わないなんて!」


「に、逃げろぉおお!!」


 ピギールの粘膜に手も足も出ない街の兵達も、僅かばかりを残して逃げだしてしまう。



「大丈夫ですか、レジーナさん!」


「うっぐ、ひっぐ。わたち穢されちゃったぁ……うえぇ」


「ダメね、幼児退行してしまったわ」


「あのヌメヌメはキョーイです! どうにかしないとボク達もアレにヤられてしまうですよ!!」


「うっ……取り敢えずやってみるしかないな! やっぱ水棲生物には雷魔法だろう! クード・フードル!!(運命の戯れ)



 左手に集めた魔力球からピギール達へ、蜘蛛の巣のように雷が(ほとばし)る!


「やったか!?」


「あんな呪文、初めて聞いたです?」


「地球のフランスって所の意味で一目惚れらしいわよ、気障よね。ていうか呪文ってほぼ無意味だし?」


「うるさいよ、君達! いっつもいっつも観てるだけの癖に文句言わないでよ!!」



「そんな事より光が収まったわよ! 倒したの!?」



「けっこーな魔力込めたし、大半は倒し……てないですね」


「はっ! ココは!? ピギールはどうした!」



「あ、レジーナさんおかえりなさい。今俺が雷魔法撃ったんですが、全く効かなかったんですよ……」


「そ、そんな。これでは余はまた陵辱されてしまうのじゃ! イヤじゃイヤじゃぁ! またアレをぶっかけられるのはイヤじゃぁ!!」



 自分のじゃない体液まみれにされて、クールさのカケラも無くなってしまったレジーナ。

 さすがに哀れに思ったリタがタオルで身体を拭いてあげている。


「とにかく、あの粘液をどうにかしないと……粘膜……魚……も、もしかして!」




 何かを思い付いたアキラ。

 その場を離れ、どこかへ走っていってしまった。

 どうなるアキラ!

 女性陣を置いてけぼりにするとモンスターより驚異だぞ!!





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ