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わんだーけみかる!~煩悩まみれな薬剤師男が美女の尻に敷かれる異世界旅~  作者: ぽんぽこ@銀郎殿下5/16コミカライズ開始!!
第一世界編

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【急募】異世界で車で轢かれたら地球へ転生した経験のある魔獣の方

 

 冒険者として初の依頼を受け、モンスターの被害があるという村へ魔導機に乗って向かうアキラ達。



「ねぇ、ロロルさんや。この魔導機、座席増えてませんかね?」


「あら、今頃気付いたの? 最新式のこの魔導機は使用者に合わせて変形するのよ。まぁ積載量が増えれば必要なエネルギーも増えるけど」



 MD(マジックディスク)の音楽を大音量で聴きながら、アクセルベタ踏みで魔導機を飛ばすロロル。


 こんなにスピードが出てるのに、ロロルはキチンとモンスターとそれ以外の区別が付くのだろうか?

 ……この乗り物が免許制だったら、間違いなく適性試験でこの(ロロル)落ちる気がする。

 などと失礼なことを考えていると、目の前に人影が飛び出してきてしまった!




 ――ザシュッ!!!




 あっと声を出す間も無く。

 その人型()()()モノは何かに上下に切断され、魔導機がその上を通り過ぎた。



「ロロルさぁぁぁあん! ()いた! 今誰か轢いたよね!? ど、どうしよう。警察? 今なら証拠隠滅できるか? い、いや、轢いたのは俺じゃない。俺は悪くない悪くない悪くないぃぃい!!」


「うっさいわね! 今のはモンスター! ゴブリンよ。それに轢いてないわ。MDを射出して斬り殺したのよ」


「は? え? MD? 飛ばした?」


「勇者用にカスタマイズしたこの魔導機には、各種戦闘システムが搭載されてるわ。今のはMDを高出力で飛ばしてダメージを与える、その名も"フルーツシード(夏の思い出)システムよ!」



 スイカの種を吐き出しても、生き物は真っ二つになんかならない。

 MDってただの円盤だよね? モンスターに当たったのに、ブチ抜いてそのまま消えていったよ?


「ふえぇっ異世界こわいよぉぉ」


「ちっ、ふぬけ勇者が!! ほら、いいからアイテム回収! もちろんMDもよ! お気に入りのヤツだったんだから!」


「勇者使い荒すぎィ!」




 ◆◆◇◇


 無事(?)に初戦闘(?)をこなしたアキラ達は、依頼のあった村に到着した。



「ククックー。ようこそフラン村へおいでなされた。ワシは村長のディカプリオ・ディ・デル・ピロール・ダ・フランですじゃ。クルルッ」



 なんだか子泣き爺みたいな奴が来たんですけど……

 コイツが村を襲うモンスターだろうか。

 ていうか名前なげーよ、ダ・ヴィンチの本名かよ。

 ピカソがモチーフじゃなくて良かったよ、あの人もっと長いもん。

 ていうかその語尾どうなってるんだよ。



「初めまして、依頼を受けて冒険者機関から参りました、アキラと申します。早速ですが、詳細を伺ってもよろしいでしょうか?」


「ククッ。ご丁寧にどうもですじゃ。ことの始まりは……」



 村長の話によると、十日ほど前からこの村で飼育している香辛鳥(こうしんちょう)が、数羽ずつ小屋から忽然(こつぜん)と消えたそうだ。

 もちろん戸締りはしっかりしていたし、野犬などの獣さえ見た者もいない。

 村人達が調査をしているが原因は分からない。

 香辛鳥はこの村の大事な特産であるため、ほとほと困った村長が機関に依頼した、ということらしい。



「つまり、香辛鳥が居なくなる原因については分からない、と?」


「クククッ。申し訳ない限りですじゃ。小屋の前に見張りを立てても、朝には香辛鳥が居なくなっているのが現状で……」


 くるるる……としょんぼりする村長。

 いや、しょんぼりされても可愛くないし。

 "〜じゃ"なのか"ククク"なのか口調がハッキリしない爺さんだな、という言葉は心の中にしまっておく。



「取り敢えず、現場を見せてくれますか? その香辛鳥というのも見てみたいですし」


「おぉ、どうぞ。こちらですじゃ。クルック」



 案内されたのは小屋と言うより、大きな(うまや)そのものだ。

 そして、そこに居たのは――



「うーっわぁ! でっかいなーー!」



 ――ダチョウほどもある大きさの巨鳥だった。

 いや、なんかもう、鳥なのに高身長のイケメンだった。

 白く立派な脚に、まつ毛が長くキリッとした目、鋭いクチバシ。



「ふぉー! カッコいいなぁ! 国民的ゲームのあの鳥みたいだ! 乗れたりするのかな?」


「今はゴーレム馬車があるから乗る人は少ないけど、昔はよく馬代わりに乗ってたわよ」


「すっごく大きくて立派です〜! アキラ様よりカッコいいであります!」



 人の言葉を理解しているのか、くるるる!と得意顔をする香辛鳥を見上げながら村長は言う。



「この鳥は今では食用として育てておりますじゃ。卵はもちろん、食肉としても出荷してましての。特にコイツの肉は塩や調味料が無くても、焼くだけで美味しいのでこのような名前が付けられたそうですじゃ。クルルル」


「なるほどな〜。こりゃしっかり原因を突き止めて、今夜の酒のツマミを守ってやらなきゃならねぇな!」


「くるるッ!? くるるるるる!!!!」



 アキラが食欲に満ちた目で見つめると、香辛鳥達が怯えた声で抗議する。



「なんだか、アンタの方がモンスターより害悪な気がしてきたわ……」





 ◆◆◇◇


 一同は早速、小屋の中を調査しながら話し合い始めた。



「うーん、特に変わった物は無いんだよなぁ」



 餌箱や寝床を退かしても抜け道は無さそうだ。



「そうねぇ、世話や見張りの人以外は立ち入らないって言うし」



 出入り口の扉はしっかり(かんぬき)で施錠でき、モンスターは入れそうにない。



「小屋の外には森しかないであります〜」



 木窓の(わず)かな隙間から、外を確認していたリタの声がする。



「うぅーん。小屋の確認は一度これくらいにして、村の人達にも聞き込みをしてみようか」


「そうね、そうしてみましょう」



 フラン村は人口六十人ほどの小さな村だが、子供達が広場で遊んでいたりして賑やかだ。

 そこで追いかけっこでもしていたのだろうか、男の子に追いかけられていた女の子が転んでしまう。



「ゔ、うぇーん。痛いよぉ……」


「おい、ココ! 大丈夫か?」


「あら、おちびちゃん。怪我したの?」


「お、おい。ロロル?」


「ここは任せて? 貴女はココって名前なのかしら? ホラ、泣かないで。この飴玉あげる。その間ちょっと傷口見せてね」



 普段は見せない優しい口調で、ロロルは水筒の水を少女の擦り剥いた膝にかけ砂を落とすと、清潔なハンカチで巻いてあげた。



「これでよし、と。後は『痛いの痛いの、飛んでけ〜』はい、これでもう大丈夫よ!」


「あ、あのさ。俺の治療魔法があるん「わぁ! 痛くなくなった! お姉ちゃんありがとう!!」だけど必要無かったみたいだね」



 てててて〜とまた女の子達は元気に走って行ってしまった。



「意外にロロルは面倒見が良いんだな〜。処置もなんか慣れてたし?」


「おほほほ、私を女神様と讃えるがいいわ! ……なんてね。まぁ子供の扱いにちょっと慣れてるだけよ」


「いやいや、ウチの子らがご迷惑をお掛けして申し訳ないです」



 アキラ達の背後から、真っ黒な出で立ちの大男が話しかけてきた。



「あ、あなたは?」


「クククッ。失礼。僕はさっきの子供達の親で、クロウと言います。ご丁寧にハンカチまで使っていただいたようで、ありがとうございました。僕は香辛鳥小屋の見張り役でして。村長から冒険者の方が聞きたいことがあると伺ったので参りました。クルルルゥ」


「そ、そうなんですか。でも何故そんな真っ黒なお姿で?」


「それがですね。外で見張りをしてても効果が一向に出ないので、夜の見張りの間を小屋の中で隠れて監視をしてみようかと思いまして。良かったらあなた達もどうです? ククックゥ」


「おぉ、そうですね! では今夜からご一緒しても良いですか?」


「どうぞどうぞ。 この村は宿も無いので、先程のお礼も兼ねて夕飯はウチで食べていってください。僕の奥さんの手料理は美味しいですよ!」



 その後もクロウに話を聞いてみたが、手掛かりとなるような情報は得られなかった。

 一同はクロウ家の絶品香辛鳥料理を頂いた後、小屋の中で息を潜め、標的が直接やって来るのをひたすら待つのであった。





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