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わんだーけみかる!~煩悩まみれな薬剤師男が美女の尻に敷かれる異世界旅~  作者: ぽんぽこ@銀郎殿下5/16コミカライズ開始!!
第一世界編

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10/47

⚪︎ロ


 聖都グルメに舌鼓を打ち、女神まんの柔らかさとジューシーさに満足した一行は、大聖堂カシードラに到着した。


「そういえば神器の一つってこの大聖堂にあるんだろ? 大切に保管されてるようなものをあっさり貰えるのか?」


「うふふふ。ご心配ありませんわ、勇者様」


「あ、あなたは?」


 大聖堂の奥から出てきたのは、ウェーブのかかった漆黒の髪をした妖艶な美女だ。

 身体の局所を必要最低限の白い布のみで隠している。

 いろんなところがこぼれそうだ。

 薄暗い中にステンドグラスから差し込む光が、彼女に陰影を作り、美しさを更に際立たせている。


 女神だ。

 女神に違いない。



「ようこそいらっしゃいました。(わたくし)はここの枢機卿であるレイナと申します。ちなみに国王レクスは(わたくし)の兄ですの」



 この世界にも遺伝子はあるのかな?

 あるんだよな?

 いや、確かに国王もイケメンだったよ?

 だけど俺が知ってる王様って、飲み屋のねーちゃんにセクハラしようとして店主のおっちゃんに殴られてたし。

 しかも王妃様が店に突撃してきて、首根っこ掴まれてドナドナされてた人だよ?

 ていうか初めて王様の名前知ったよ?



「あらあら? 旅でお疲れなのかしら? 大丈夫?」



 この歳で頭撫でられたー!?

 男だけどナデポしちゃう!

 ていうか近い!

 柔らかいのが当たってる!

 いい匂いする!!



「ふふふ、いい子ね。そんなに()()()()が好きなら、ゆーっくり撫でてあげるわよ?」



 ツツーゥと胸を指で撫でられたアキラは強制起動終了した。



「あーレイナさん? その辺にしていただかないと勇者(笑)が愚者に退化しそうだから離してあげて」


「あらあら、残念。まぁいいわ。(わたくし)の部屋にいらして。歓迎いたしますわ」




 外観と違い、内装は質実剛健(しつじつごうけん)な作りをしていた大聖堂。

 執務室といっても過言でもない、必要最低限の物しかない枢機卿室で一同は寛いでいた。



「それで、この聖都には神器を回収しにきた、ということでよろしいのですね?」


「えぇ、この旅に欠かせないとのことで。この大聖堂に保管されているんですよね?」



 (なまめ)かしく生足を組み替えるレイナを見ないように、視点を後ろの壁に固定し、真面目な態度を取り繕うアキラ。



「いいえ。保管はされていないわ」


「えぇっ? まさか魔族に奪われた?! それとも何か試練が必要とかですか?」



「大丈夫、神器はこの大聖堂にある……ハズよ。そうね、実際に取りに行ってもらったほうが早いかしら。アキラ君、一人で私に着いてきてくれる?」


「ちょっ! まだ日中ですよ?! ……って違いますよね、分かってる。分かってるからロロルさんお腹つねらないで!」




 迷路のような聖堂内を案内されること10分。

 青銅製の両開き扉の前に着いた。



「神器はこの扉の先にありますの。詳しいことは中にある石碑に書かれておりますので。さぁ、いってらっしゃい」


「え? いやそんなニッコリ言われても……わかりました。行けばわかるんですね」


 ギギギ……と音を立て扉を開く。

 なるほど、確かに石碑がある。

 そしてその側には小さな泉。



「えーっと、なになに? 『(なんじ) 魔ヲ払ウ心正シキ勇気ヲ持チ (ちから)ヲ求メルナラバ 時ヲ捨テ 泉ニ命ノ欠片(かけら)ヲ入レヨ』だって?」



 うーん……と悩むアキラ。

 戻ってレイナに聞きたいが、一人で行かせたからには何か理由があるハズだ。

 人によって欠片が違う? 血だったらちょっと嫌だなぁ。

 命の欠片であって、命ではない。

 命のように大事なモノ……か?

 それでいて泉に入れるモノ。

 そういえば、泉に何かを落とすって何かで聞いたな……

 ――そうだ!



 アキラはまだ新品同様の片手剣を腰から外し、助走をつけて泉に投げ入れた。

 唯一の武器が沈むと、一拍の間を置いてブクブクと泡が立ってくる。



「おっ? 正解か? やはり勇者は賢さも高いようだなぁ!! ふはははは! ……は?」



 ――ザシュッ!



 綺麗な弧を描いてアキラの両足の間に()が刺さる。

 一歩間違えれば足がもう二本増えるところだった。

 四足歩行で手も持つ勇者。

 ケンタウロスかな?



「ヒッ……ヒヒヒヒ……ちょ、ちょっと想定外はあったが神器ゲット? ん?鎌の(つか)に何か書いてあるな。『原作のイソップ物語は女神じゃなくて男神じゃボケェ! あんな露出狂と一緒にすんな! それにアイツは泉じゃなくて川に潜ってただけよ! やり直し!』だって?えぇー知らんがな。大体童話の類は幼児向けにするにあたって編集されてるんだよ。原作なんて殺伐過ぎて子供泣くぞ!」



 涙目で腰を抜かしたアキラ。

 ぎりぎり漏らさず尊厳は守られたが、武器は鎌になってしまった。

 神器じゃなかったかー。もう帰りたいなー。

 草を刈り、作物を守る勇者もいいかもしれない。

 命は名声やお金では買えないのだ。



「ん? お金? 時を捨てる……たいむ、いず、まねー? まさかお金を投げ捨てろ、と?」



 いやいや、まさか。

 でもどこか俗物そうな女神様ならお金も大好物かもしれない。

 少なくとも喜捨やお賽銭で怒られることもないだろう。

 もう、どうにでもなーれ気分でポケットにあったお金をポーンと投げ入れた。






 ……何も起こらない。今月のお小遣い全部入れたのに。

 と思った瞬間、胸に焼ける痛みが走り――銀色に輝く(やいば)が生えた。






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