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妹がヤンデレ過ぎて怖い件について  作者: 所天駄
第三章 レベッカ・ザルツブルグ侯爵令嬢との婚約騒動!?
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74.図書館と凶報 ― 親友兇刃に倒れる! ―


王都にあるザルツブルグ家では、オルティアが少し嬉しそうに弾んだ声で報告をしていた。

相手は勿論、レベッカ・ザルツブルグ令嬢その人だ。


「レベッカお嬢様。

『プロネシス商会』支配人は、我が軍門へ降ることを考えている様子でした。

まもなく、お嬢様の勝利が確定することでしょう。

おめでとうございます。」


「ありがとうオルティア。

でもね、私はまだソフィーさんが何か、反撃を仕掛けてくるのではないかしら?

と思っているのよ。」


「反撃・・・・ ですか?」


オルティアには、全く予想できないようで、首を傾げるだけだった。


「そう。何か、私たちの予測も出来ない様な、そんな反撃をね。」


声も表情も変えずに、それが既定の事実であるかのようにレベッカは応える。


「でも、現時点では、王都や周辺都市では、『プロネシス商会』は取引先を失い、委託販売も原材料の仕入れも出来ずに、売り上げを激減させております。

確かに、ツバイシュタイン伯爵家の領土では、我がザルツブルグ家の威光も届かず、今まで通り販売出来てはいるかもしれませんが・・・・。


それでも、最大のドル箱であるはずの王都と周辺都市での収益が見込めない現状では・・・・。」


これは、誇張された情報では無く、ソフィーがその場に居たとしても認めたであろう事実だった。


「そうかもしれないわね。

それでも、私はソフィーさんを底知れないと警戒したくなってしまうのよ。

杞憂だと良いのだけれどもね。」


顔には笑みを浮かべてはいるものの、それは、無理やりに浮かべた笑みであり、決して心からのものでは無いことが、オルティアにも伝わった。


年若い主をなんとか励ましてやりたい。

それでも、「杞憂」という一言に込められた強い思いを感じてしまい、実際に出てくる言葉もまた、力無い一言だけだった。


「お嬢様・・・・。」


それから、二人は一言二言交わすと、それぞれの目的地へと向かって行った。





王立学園では、アーデルハイドの婚約騒動も少しだけ沈静化して、レベッカが腕にしがみ付いて歩き回る姿も日常の一部と化していた頃。


学生たちにとっては、一番悩ましいイベントが始まっていた。


学期末考査テスト』である。


ある者は、神に必死で祈りを捧げ。

またある者は、ひたすらに机に齧りついてひたすら己を追い詰めるかのように。

別の者は、まるで試験など無いかのように平然と振る舞い。

また他の者は、必死で友にノートを「見せてくれ! 分からない所を教えてくれ!」と拝む。


そんな光景が、彼処で繰り広げられていた。


アーデルハイドや成績上位者はといえば、いつも通り、授業を真面目に受け、家へ帰宅してからは、課題や予習、復習をこなし、平常通りの生活を続けているように見受けられた。





「そういえばさ、レベッカは、いつも成績5位だったよね?」

「はい。いつでもアーデルさんの直ぐ後ろに居られるように・・・・。」


顔を若干赤らめながら、モジモジして言う姿は可愛いけど、本来なら、彼女の方が成績は上に行けそうな気がするんだよね。


だって、中等部までは常に成績1位が彼女だったのだから。


「そういえばさ、中等部までは常に一位だったのに、高等部へ移ってから少し成績が下がってしまったように見えるのだけれども・・・・?」


あまり一緒に居るものだから、最近ではこんな不躾な質問でもある程度は気軽に出来るようになってしまったから、慣れって怖いかも。


でも、そんな僕の質問にも、彼女はちゃんと応えてくれる。


「それは・・・・その・・・・。

ポショポショポショ(アーデルさんを見つめていて)・・・・・。」

「ん?」


あれ?


ますます顔を赤らめて、最後には聞こえにくくなってしまったけど、本当に何て言ったんだろうか?


まあ、言いたく無いなら、無理に聞く必要もないし。


「我が友よ。

相変わらずレベッカとベッタリだな!」

「まあ、婚約者という立場でもあるからね。」


いつも通り、気軽に声を掛けてくれるアドルフと軽く会話を交わす。

これが、最近の僕にとっての日常だ。


ちなみに、レベッカが側に居るようになってからは、エリカやクララ、その他の女子たちからは、時々会話はする程度になってしまい、逆に、レベッカと親しい親衛隊の女子との会話率が高くなったような気がしている。


なにせ、レベッカこそが『アーデルハイド親衛隊(を愛でる会)』会長だと、婚約発表の後で聞かされた時は驚いた。


僕と彼女との接点なんて、中等部の頃に図書館で会話を交わしたくらいで、高等部へ進学してからも、それほど親しく会話をしていた訳ではなかったから。


でも、彼女から「中等部の頃に、図書館でお話しした時からずっとお慕いしておりました。」なんてストレートに告白された時には、ちょっとドギマギした。


とりあえず、現状では伯爵家本領では戦闘行為が継続しているだろうから、こちらからの婚約確認の作業は控えたままだ。


「と・・・とりあえず、ですわ。

とりあえず、試験勉強をご一緒に図書館でするのはどうかしら?」

「それも良いかもしれないね。」


こうしてレベッカの提案で、良く二人で行く図書館で、静かに肩を並べて試験勉強をすることになった。


アドルフはというと、「俺はああいう堅苦しい場所は苦手なんんだ。お前たち二人だけで行ってこい!」と言うが早いか、さっさと居なくなってしまった。


一応気を遣っているのだろうか?





僕とレベッカが、図書館で二人仲良く試験勉強をしている時だった。


「大変だっ!!

アドルフが刺された!!」

「「っ!?」」


突然すぎる凶報に、僕の頭は一瞬で真っ白になってしまった。



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