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妹がヤンデレ過ぎて怖い件について  作者: 所天駄
第二章 学園祭編 ―悪役令嬢暗躍―
55/104

52.ソフィーからの挑戦状(贈り物) 『カトル-カール』と『トライフル』

※変更済み


ソフィーがメイドにお使いを頼んだ同日午後。


双白百合印の荷馬車が、ガタゴトと石畳の上を、木製の車輪で進む姿があった。

御者台には、若い男性が座り、巧みに轍内へ車輪を乗せながら、道を行く。



インテグラ辺境伯 ― 王都別邸 ―


辺境伯城門前には、門を挟んで、兵士が二名ずつ、内側と外側の両脇に立っている。

そこへ、先程の荷車が到着して、衛兵たちに挨拶する。


「お勤めご苦労様でーす。

お届け物でーす。」


決められた手順通り、兵士たちが荷を改める。


「どこからの荷だ?」

「へい。ソフィー・ツバイシュタイン伯爵令嬢から、ガエラ・インテグラ辺境伯ご令嬢へ、焼き菓子の贈り物でございます。」


御者台から降りた青年が、恭しく荷台から、綺麗に包装された長方形の品を差し出して、兵士の一人へ手渡した。


「中身は?」

「私は、御者にしか過ぎませんから、『焼き菓子』としか聞いておりません。」

「そうか、怪しい品でもなさそうだから、こちらでお嬢様へお届けしておこう。

ご苦労だった。」

「へい。」


一礼して、荷車へ御者が戻り、元来た道を引き返して行く。


すると、兵士の一人は、両掌に乗るくらいの、包装済みの小さな長方形の焼き菓子を屋敷へと届けた。


「ガエラお嬢様へ、お届け物をお持ちしました!」


屋敷の者に告げると、執事の一人が、品を受け取り、中身を確認する。


「フム。カトル-カールですかな。

後程、お嬢様のお茶請けにお出ししましょう。」


それからしばらくして、学園から帰っていたらしい、男装の麗人といった風情でガエラ嬢が通りかかった。


「お嬢様。お届け物でございます。」


執事が恭しく告げる。


「何かボクに届いたのかい?」


興味を魅かれたのか、執事が手にした品へ視線を注ぐ。


「ハイ。ツバイシュタイン家ご令嬢ソフィー様より、お嬢様へ焼き菓子が届けられました。」

「焼き菓子だって?」


日頃から、イケメン女子などと呼ばれているガエラ嬢でも、やはり、スイーツ類には興味があるのだろう。


「フーン。『カトル-カール』かい?

ソフィー嬢が、わざわざねぇ・・・・。


一体、このケーキにどんな意味が込められているのだろうね?

まあ、美味しそうだから良いか。

屋敷の者たちで頂くとしようじゃないか!」


こうして、ソフィーから届けられた焼き菓子は、ガエラ以下、インテグラ家で美味しく食された。




インテグラ家へ焼き菓子が届けられるのと、ほぼ同じくらいの時刻に、初老の男性御者が、ラウエンブルク家の王都別邸を訪れていた。


「お届け物でさぁ。」

「ご苦労。どちらからの届け物か?」

「ヘイ。ソフィー・ツバイシュタイン伯爵令嬢から、シンシア・ラウエンブルク辺境伯ご令嬢へ、生菓子の贈り物でございます。」


こちらもまた、綺麗に包装されて荷台に乗せられていた品を、御者の男が、兵士へ手渡す。


「中身は?」

「あっしは、聞いてはおりませんが、『生菓子』とだけでさぁ。」

「フム。こちらで預かろう。

ご苦労、帰って宜しい。」

「ヘイ。では、あっしはこれで。」


門の前に立つ兵士たちへ、ペコリと頭を下げると、初老の御者は去って行った。


ここでもまた、インテグラ家と似たようなやり取りが、兵士と執事の間で交わされ、贈り物が学園帰りのシンシアの手元へ届けられた。


「それで?

こんな物がどうして、私のところに、しかも、ソフィーから贈り付けられて来たというのかしら!?」


シンシアは不機嫌だった。


談話室サロンのテーブルの上には、生菓子の『トライフル』と呼ばれる伝統的なスイーツが乗せられていた。


「さあ? 私どもには、推察しかねますが・・・・。」


困り顔で、初老の執事が恭しく頭を垂れる。


「これが私への宣戦布告って言う訳ね。

いい度胸だわ。捨てて頂戴!」


癇癪を起してしまったシンシア嬢を宥めるのは、とても面倒だ。

初老の執事は、もう一度深く頭を下げると、生菓子を片手に大人しく引き下がると、そのまま奉公人たちの共有スペースへ運んでしまった。


こうして、ソフィー差し入れの『トライフル』は屋敷の者たちで、美味しく処分しましたとさ。



『カトル-カール』

 一般的には『パウンドケーキ』と呼ばれていますよね。

小麦・砂糖・バター、卵、これらの全てを、同量=1パウンドずつ配合して、オーブンに入れて焼くだけで完成!


英国でも好んでお茶請けに用いられるケーキの一つだとか。


『トライフル』

 こちらも、英国では一般的に食される生菓子の一つかと。

レシピは様々ですけど、代表的(?)と思われる材料としては~


1.ボールを用意して、スポンジケーキを底に敷き詰める。フルーツソース(ジャムでも可)を塗る。上にスポンジかぶせる。

2、1の上に、カットしたフルーツを沢山載せる(ベリー類やリンゴ、洋梨等好みの果物)

3.2の上から、フルーツソース(ジャム可)を乗せる。

4.3.の上へ、カスタードクリームを先に乗せて、次に生クリームを下地が見えないくらいに乗せる。

  好みで、ミントやブルーベリー、ラズベリーなどをトッピングして終わり!


どちらも、非常に簡単なレシピでンまい!

ウマ━(●゜∀゜●)━ス!!!!


※カトル・カール(仏語)本作中では、英国も仏国も独逸までもが混ざった感じの世界観です(藁)。

 所謂『なーロッパ』ですみません。







蛇足追伸 - 後にソフィーから、どんな意味を込めて贈ったかについては説明が入る予定。




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