表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妹がヤンデレ過ぎて怖い件について  作者: 所天駄
第二章 学園祭編 ―悪役令嬢暗躍―
50/104

47.メイド少女ミラとザルツブルグ侯爵令嬢 ― お届け物でぇーすっ! ―

※変更済み



学園祭準備期間に入り、残りの一週間は授業が無くなった。

僕はと言えば、午前中は騎馬戦演習。午後は昼食を挟んで、第三音楽室にてインテグラ先輩たちと演奏の準備をしていた。


ちなみに、僕とバイエル二人で出店する部屋の準備や買い出しなどは、全て執事やメイドたちに任せてあるので、僕は時々報告を受けるくらいだ。


そんな訳で、第三音楽室へ練習のために来た僕だったが・・・。


「やあ。アーデル。今日もよろしく頼むよ。」

「こんにちは。インテグラ先輩。

先輩方も、今日もよろしくお願いします。」


いつも爽やかに片手を上げて挨拶して来るインテグラ先輩は、今日もイケメン女子力が高い。

そして、顔が近すぎですっ!


他のバンドメンバーの先輩たちも、美しい人や可愛い人が多いんだけど・・・。


「キャァーーーーっ!! アーデル君!」

「良く来たわねぇーーーっ!!」

「ささ、入って、入って、入ってぇーーっ!!」

「今日も可愛いわぁ・・・♡」

「ハァ・・・ 美しい男の子って・・・ 罪よねぇ・・・・」

「ウフフ。遠慮しないでぇー 一緒にイイことしましょ♡」


ちょっと待ってぇーっ!!

お触りは禁止ですーーーーっ!!

ってゆーか毎回このノリ止めて欲しいっ!!

マジで。


アドルフ辺りが見ていたら「ドコのハーレム野郎だよっ!!」とツッコミを入れられそうだけど、こお細菌ずっと一緒に練習しているせいか、先輩女子たちが妙に親し気に話しかけて来る。


というか、正直に言えば馴れ馴れしい。


顔が近いのもそうだけど、やたらと僕の肩や身体を触りたがるし、手を握りたがったり、自分たちの身体や胸を押し付けて来るので、困っている。


「だぁーーーーっ!!

もうっ! 練習しないのなら、僕は家に帰りますよっ!!」


我慢の限界。

先輩たちとは言え、堪忍袋の緒が切れてしまう。


「まあまあ、そう邪険にするものではあるまい?

君のような魅力的な男の子と一緒に居られるのが嬉しくって、皆ついはしゃいでしまうのさ。

悪気は無いのだから、許してくれるのだろうな?」


そう言って、インテグラ先輩に毎回宥められてしまう。


「・・・。

先輩。

そう言いながら、せめて、僕の太ももを撫でる手を止めてから言ってくださいっ!!」

「いやあ、スマン。

つい。

な?」


だから、ウィンクしながらペロっと片方の舌を出すのって、計算ずくですか!?

周囲でインテグラ先輩のウィンクとテヘペロかましに、貴女の同級生たちが『キャアキャア』騒いでますよー


「ウム。冗談はともかく、そろそろ本当に練習しないと、アーデルが帰ってしまうかもしれんな。

皆、アーデルを愛でるのは、一旦休憩して、練習を始めようか!」

「「「「「ハーイっ!」」」」」


先輩・・・。

ツッコンで良いですか?


『僕を愛でるのを一旦休止して』って・・・・

僕は先輩たちの愛玩具じゃないぞーーーーーっ!!


とはいえ、インテグラ先輩を邪険にも出来ない事情がある。


現在、学園祭準備期間とはいえ、僕を廃嫡させようという陰謀が、伯爵領内にて進行中であり、誰が敵か味方か判明しない中で、インテグラ先輩は数少ない貴重な味方でいてくれている。


一応、僕なりに警戒はしているけどね。

でも、キッパリと味方だと言う先輩を信じたい気持ちもある。


そんな事情もあり、僕は今日もまた、神経をすり減らしながらも、先輩たちと一緒にバンドの練習に励むのだった。





アーデルハイドたちが学園にてバンド練習に励む頃、王都伯爵邸でも、二人の少女が一つの部屋で向き合っていた。


「では、この親書を侯爵家へ届けて頂戴ね。」

「ハイ。お嬢様。」


ソフィーが幅の広い机の引き出しから、蜜蝋で封印され、筒に入れられた密書を一人のメイドへ手渡していたのだ。


「では、行ってまいります。」

「ええ。気を付けてね、ミラ。」


シャギーを軽く揺らしながら、しなやかに頭を垂れると、メイドは退室して行った。





それはちょうど私が、二頭立ての馬車に揺られて、通用門を潜り抜けようとしたタイミングだった。


「止まれ!」

「一体なんの御用ですか?」


門の近くにある護衛隊詰め所から、完全武装した兵士たちが出て来て、馬車を取り囲んでしまったのだ。


「バイエル様のご指示だ。馬車の検閲を行う。

速やかに降りてもらおう。」

「分かりました。ご自由にどうぞ。」


ここで言い争いをしても時間の無駄になるでしょうから、素直に従っておきましょう。

私が素直に応じると、二名の兵士たちが馬車の装飾が施された箱体へ乗り込み、中の荷を調べ始める。


御者席から降ろされたデレールまでもが、身体を調べられているのには、少し驚いたけれども。


次の瞬間、ギュスターブ隊長が私へ鋭い視線を向けてくるまでは、正直他人事だった。


「貴女にも身体検査を受けてもらう。」

「何を言い出すのですか?

私は、ソフィーお嬢様直属のメイド。

何の権限があって、この身を調べると言うのですか?

私の身を調べるのであれば、お嬢様から許可を受けてからにしてください。」


今、私は侯爵令嬢へ届けるための密書を帯びている。

発見されれば、非情に不味い事態となるだろう。


無論、お嬢様のことだから、どうとでもすり抜けてしまわれるだろうけど、要らない労力は裂きたくは無いでしょうから。


「それには及びません。

貴女の身体を調べることについては、アーデルハイド様よりお許しが出ています。

それに、調べると言っても、服の上から、私が改めるだけですから。」


詰め所から、メイド頭のカーミラが現れて、冷酷にそう告げられてしまった。


「分かりました。

どうぞ、ご自由にお調べ下さい。」


私が馬車から離れて、両腕を空へ向けて服従の意思を示すと、カーミラがやって来て、周囲を護衛兵が取り囲む中で、厳重に、丁寧に調べられてしまった。


「ありません。」


私の身体を調べ終わった彼女は、そう報告した。

周囲で緊張した面持ちで、私を取り囲んでいた兵士たちから、溜息や唾を飲みこむ音が漏れる。


「そうか、協力に感謝する。 通って良し!」


隊長の号令で、包囲網が解かれて、御者台にワタフタと乗り込んだデレールが、手綱を握る。


私も、兵士の一人が用意してくれたタラップを使って、ゆっくりと見せつけるように馬車へ乗り込む。


「お勤めご苦労様です。では、行って参ります。」


そう告げて、手を振ると、カーミラさんも手を振り返してくれた。

兵士たちは、それぞれの持ち場へ戻り、人形のように直立不動の姿勢で門の内外の両側へ張り付いた。


「行く先は『プロネシス商会本店』へ。」

「ヘイっ!」


御者台に座るデレールに告げると、彼は慣れた手つきで馬たちを操作して、目的地へと向かってくれた。





ここは、王都中心にある繁華街。

地上6、地下1階建ての瀟洒な店舗へ本部機能と売り場を移転した『プロネシス商会本店』だ。


「これは、ミラ様。本日は、どのようなご用件でしょうか?」

「畏まらなくて結構です。支配人。

伝令2号を使わせてもらいに来ました。

今回の用向きはそれだけです。」


支配人は、かつてはソフィー様の家庭教師を務めていた60代男性だけれども、現在は、その優秀さを買われて、商会の支配人として雇われている。


お嬢様と支配人との連絡係として、双方の指示書や企画書、報告を届けているに過ぎない私のような若輩にも、丁寧な応対をしてくれている。


「それはまた、お急ぎのご用件でございましょうか?」

「いいえ、それ程ではありません。小うるさい耳障りな羽音が飛び交っているだけです。お気になさらず、業務にお励みください。」


今回の件は、支配人には知られていなくとも構わない内容なので、用件さえ済ませば、それで良いのだから。


「ソフィーお嬢様にも、くれぐれもよろしくお伝えください。

『事業は順調である』と。」

「ええ、分かりました。

お伝えしておきましょう。」


支配人が呼び出してくれた少年が小さな箱を持ってやって来た。

私は、箱の中へ円筒形の密書を託すと、店の裏にある荷車溜まりへ向かった。

箱を持った少年は、そのまま階段を上へ目指して行った。

これで良い。


「用は終わりました。

屋敷へ・・・・ その前に、ちょっとだけ嫌がらせをしておきましょうか。」

「ヘイっ」


デレールは、鞭を振るうと馬たちを巧みに操り、王都中を疾走して回ってくれた。





「それで・・・・ 何か所に付き合わされたんだ?」

「ハイ・・・・。 五十か所以上を・・・・。」


なんてこった・・・!?

俺たちが尾行していたことに気付かれていたんだろうか?


「ご・・・ 五十か所だと・・・・!?」

「ハイ・・・・。それも、王都中に点在しているお嬢様個人所有の店舗から、ライバル同業他社のスイーツ類の販売店やら、下着専門店、高級エステサロンは前を通り過ぎただけでしたが・・・・。」

「もういい・・・。念のため、店舗名が判明している場所だけでも、リストアップしておいてくれ・・・。」


ウゲェーーーーっ!!


っと、部下たちの怨嗟の声が挙がる。

無理も無い、自分たちが日ごろ興味の無い店舗名や、行くことが無い場所をリストアップしなければならないのだから。


だが、これまもまた、ソフィーお嬢様の疑惑を晴らすためにも必要な行程なのだろう。

俺たちは護衛の為に王都伯爵邸に派遣されている騎士だ。


普段は護衛隊などと呼ばれているが、主任務が屋敷を守るためであり、探偵紛いの任務は守備範囲外だ。


それでも、この屋敷の女主人であるソフィーお嬢様へ疑惑の目が向けられているのであれば、出来ることなら俺たちの手で晴らしてやりたいものだ。


「た・・・ 隊長・・・・ せめて・・・・ せめて、明日まとめちゃダメですか・・・・」

「お前たちが明日になっても、店の名前と場所を覚えてられるなら構わんぞ?」


うがぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!


と、今度こそメイドの馬車へ尾行に出していた8名の兵士たちが項垂れる。

彼らのことを騎乗させて、距離を取りながら跡を付けさせたのだ。


「それで、その五十件もの訪問先の中に、侯爵家はあったのか?」

「いいえ。侯爵家どころか、貴族の屋敷には一度も近づいておりませんでしたぜ。」

「そうだったのか・・・。」


すこしだけ嬉しくなり、ホッとした。

うむ、今夜は上手い酒が飲めそうだぞ・・・・


などと油断していた俺が馬鹿だった・・・。





「ちわぁーーーっす!

お届け物でぇーーーっす!!」

「貴官の所属及び姓名を述べよ!」


いつもの出入りの者ではない、見慣れない配達業者が突然やってきて、一頭立ての荷馬車から大きな品物を詰め所へ降ろそうとしている。


「待て待て! 勝手に荷を下ろすんじゃないっ!!

こちらで改めてから、手順を踏んでからだな・・・」


門の内側へ入り込んでしまっている荷馬車を足止めしている兵士たちが、戸惑いながらも必死で押しとどめようとする。


「なんでぇなんでぇっ! あ?

こちとら、荷車配送業様でぇっ!!

お貴族様のお高く止まった『待った』なんざ掛けられた日にゃぁ、荷車なんざ引いてられっかってんでぇっ!!


グズグズしてちゃぁー日が暮れちまうってもんでぇーっ!!

てやんでぇっ!」


威勢の良い啖呵を切る業者だと、呆れるやら戸惑うやら。

それでも、なんとか誰何する。


「いや・・・ だから、どこの商会か配送ギルドに所属していて、誰なのか、氏名を述べて貰わないと・・・」

「あんでぇ! こちとら、天下無敵の一匹狼っ! ギルドにも商会にも飼われてなんざいねぇーよっ!!


氏名だぁ? 平民様のオレッちには、氏だなんてご立派なモンは無ぇーけどよ、タイラーって親父が名付けてくれた御大層な名前があるんでぇい!!


んーで?

このデカブツどーすんでぇ? あん?

いらねーってんなら、オレっちが持って帰えっちまっても構わないんだぜ!?

あーん?」


そのまま、降ろした梱包済の荷物を、元来た道を引き返すように、荷車へ戻そうとして見せるから、兵士たちも慌てた。


「待て待て! 分かった! 分かったから!!

一旦荷物は、当方で預かる。だから、依頼主の名前を教えてくれ!! 

な?」


先程までは、決められた手順通り、四角四面に執り行おうとしていた兵士たちも、タイラーの巻き舌気味のべらんめぇ口調に乱されたのか、最後は懇願までしている始末だ。


「あー ホレ、伝票。

依頼主様はなぁ、ザルツブルグ侯爵令嬢様だ。

宛て先は、ココン屋敷に住んでるっつー ソフィーお嬢様宛てだってよ。」


っ!?


その場に居た全員が、一人の例外無く、互いに顔を見合わせた瞬間だった。





すみません。

ここから、お話しをまるっと差し替えします。


やはり、書いていて、筆者の技量では二つの物語をテンポ良く書くのにはマダマダ無理ぽかと

(;´・ω・)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ