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妹がヤンデレ過ぎて怖い件について  作者: 所天駄
第一章 妹と僕 ― アーデルハイド親衛隊は妹の旗下へ従属するか? ―
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X’mas特別編 聖なる夜 ~ ヤンデレ愛に塗れたアーデルハイドに明日は無い ~

普段はあまり意識していませんでしたが、X’masということで


本編とは、多分、あまり(?)関係無く、特別編(短編)で投稿してみます。



『X’mas特別編』 ~ 本編と全く関係無し(多分) ~



今日は、聖なる日と呼ばれる日。

世界の救世主が降誕されたことを記念して、礼拝堂では『聖誕祭』が行われる。


私?


私は、いつも通り朝はご主人様の兄上を起こして、日課を済ませるつもり。

それから、ひなが一日中好きな場所で日向ぼっこしたり、お昼寝かしら。


伯爵家本宅は、東の方で寒いのよねー。

それよりか年末年始は比較的暖かい王都別邸で過ごそうと思うの。

寒いのは苦手だもの。


さて、そろそろ出番かしら・・・


先ずは、部屋のドアの前でスタンバイ。

私がこうしてドアの前で、ジーっと見つめていれば、誰かが通りかかったときにドアを少しだけ開けてくれるんですもの。


今朝は、執事のハンスがドアをそっと開けてくれたのね。

彼ってばいつも寡黙だけど、気が利いているから私は嫌いじゃないわ。


「ご主人様ぁ~」


軽く呼んでみたけど、返事がない。


上に天蓋の付いた大きなベッドでは、私の大好きなご主人様が兄上に抱き着いて眠っているんですもの。


仕方が無い、ここは私の出番ってことで問題解決よね?


とりあえず、天蓋付きのベッドへ飛び込むには、家具を選ばなければならないから・・・・・


いつも使ていた書棚は、アーデルが移動しちゃて他の部屋に運ばれてしまって無くなっているから

ンー


あ、カーテンによじ登れば行けるかしら?


大分成長した私の背の高さよりも遥かに高い所にカーテンレールがあるから、あそこから飛び降りれば、ベッドまで上手く飛び込めるかしら?


んしょんしょんしょ・・・


分厚いカーテンだけに、手足を引っかけるのには困らなくて、上手く上の方まで登れたみたい。


よしっ!

ここから、ご主人様へ向かってぇ~


「ご主人様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


気持ちが良いくらい、ポーンと放物線を描いてベッドへ向けてダイブすることができたわ!





「ン・・・?

あら、クレオ!

相変わらず早いわね。」


ソフィーがアーデルハイドのベッドへ忍び込んで抱き着いて眠ってると、子猫クレオがどこからともなく飛びついて来た。


しかし、アーデルハイドを叩き起こす様な乱暴なダイブでは無い。


軽くポーンと落下して、ポフっとソフィーが眠っている枕を押すような、そんな仔猫なりの親愛を感じさせる起こし方だった。


グー、グー、と喉の奥を鳴らして甘えるようにソフィーの顔中に額を押し付ける。


「フフ。クレオは朝からご機嫌ね。

そっか、今日は『聖誕祭』の日だったわね。

いつも良い子にしているクレオにもプレゼントをあげなくちゃ!」


隣で未だ熟睡し続けているアーデルハイドの唇へ、慣れた様子でそっと自分の唇を重ねると、ソフィーは仔猫クレオを抱えて小走りで自室へと戻って行った。






それから三十分ほどしてから・・・


「お兄様ぁーっ!

お兄様ぁーっ!!

起きてくださいましーっ!!」


「ソフィー・・・

なんだか、身体が重くって・・・。」


おかしいなぁー 

昨夜も早めに寝ついて、ゆっくり眠ったはずなのに・・・?


不思議なことに、ここのところしばらく熟睡できている気がしないんだよなぁ。

もしや、僕は原因不明の病気なのだろうか・・・。


毎朝起きると、とても甘くて良い匂いが残っている気がするんだけど、寝る前と起きがけにソフィ-が抱き着いて来るせいかな?


あまり気にせずにいたけど、なんとなく、いつ、どこに居てもソフィーの香りに包まれているような気がして、時々胸がドキドキしてしまう。


最近では、夢の中にまでソフィーが登場しては「愛してますわ。お兄様・・・」と悩まし気に僕に抱き着いて来る始末だ。


抱き着いて来るだけならまだしも・・・


何故か、夢の中で僕とソフィーはしっかりとくちづけまで交わしてしまっているのだから、毎朝起きる度に胸の鼓動が高まり過ぎて、マジでヤバイ。


特に最近は、朝起きた時に口元に甘い感触がやけにリアルに残ってたりするんだ・・・・


もしかして、僕はものすごく強い欲求不満を抱いているとでも言うのだろうか。


漢らしさを追求したい深層心理が、夢の中でそんな欲求不満を解消したくて、常に一番身近に居るソフィーで解消しようとしているのなら、超ヤバ過ぎる。


そんな訳で、僕は起き掛けからソフィーの顔をまともに見ることが出来なかった。


「あら? アーデルお兄様。

お顔が心なしか真っ赤に染まっているような・・・?」


「気っ、気のせいだっ!!」


僕は元々色白と言われる方だから、肌の色の変化は人一倍バレやすい。


ソフィーも雪の様に真っ白でスベスベした肌をしているのだから、もう少し分かりやすいハズなんだけどなぁ。


と、思わずソフィーのワンピースの袖から露出されている首元とかスラリと伸びた美しい手足を真剣な眼差しで見つめてしまったら


「あら?

今度は私の身体に興味がおありですの?


それなら、そうと仰ってくだされば良いのに

いつでもお兄様の欲望を受け止める準備は出来ていましてよ?」


とバッチコーイという感じで、両手を広げて “welcome” アピールをされてしまった。


「頼むからそーゆーのは、止めてくれっ!!

ソフィー、お前も、もっと淑女らしくだなぁ・・・。

・・・・ハァ。」


それから、僕たちは二人で一緒に朝食を済ませ、王都大聖堂へと礼拝に向かった。


大聖堂では、会衆に向かうように位の高い司祭やら枢機卿が左右に分かれて雛壇の上段に座り、高所にある天上から鎖で下げられた香炉からは乳香の香りが漂っていた。


そこへ下級司祭見習いたちが長大なローソクに火を灯して入場して来た。


恭しく祭壇へ向けて一礼すると、手にしたローソクから祭壇に設けられている燭台に設置してある真っ赤なローソクへ、一つ一つ丁寧に火を灯して行く。


なんだか厳かで、神聖な雰囲気が漂う中、会衆席側には王都在住や近隣に領土を所有する身分の高い貴族たちが家族連れで集まって座っていた。


僕たちも前列に近い席でソフィーと共に座り、従者たちは従者専用の礼拝室へと移動する。


最前列には、ローソクが灯し終ってから最後に王族が入場して着席し、大司教による聖誕祭礼拝の開会が高らかに宣言された。


それから、会衆席とは別に後方テラスに設けられたパイプオルガンによる『トッカータとフーガ』が鳴り響き前奏として流れた。


前奏を終えるとパイプオルガンが設置されているのと同じ高さで、左右両側に設けられた聖歌隊用テラスからボーイソプラノで宗教歌チャントの調べが始まる。


集まった人々は、うっとりと心洗われる聖歌隊の声に聞き入り、荘厳な宗教世界を味わっていた。


ところが、そんな中で僕はと言えば、日頃の寝不足が原因だったのか迂闊にも、うたた寝をしてしまったのだ。


まあ、隣に座っていたソフィーが嬉しそうに僕の傾いた身体を支えてくれていたようなので、あまり周囲にはバレていないかもしれないけど、それはそれで要らぬ誤解を招きそうで怖いんだけどね。





「フワァァァァーっ・・・。」


「オハヨウございます。ですわ。お兄様。

私に寄りかかってまで、グッスリお休みでしたわね。

クスっ」


「ゴメン。」


「謝ることはありませんわ。

ずーっとそのままでも私は構いませんもの。

お兄様と二人で居られれば、他に何も要りませんもの。

フフッ」


ヤバイ。


妹がとうと過ぎて眩しいんですけど・・・。


礼拝が終わり、僕たちがそんな会話を交わしていると、アドルフとクララ、エリカが僕たちを見つけてやって来た。


「ソフィーちゃん! 今日も可愛いね!

いつでも俺の嫁に来ていいからね?

何だったら、俺が君の家へ婿入りしたって構わないからっ!!

我が親友アーデルを兄と呼ぶことにも抵抗は無いさ。」


キラーンと真っ白な歯を輝かせながら、コイツは何を頭の中に蛆が沸いているとしか思えないセリフを吐いて親指を立てやがるんだ?


僕の目に仄暗くドス黑い殺意が宿った瞬間だった。


しかし、ソフィーの方がもっと上手うわてだった。


「あーら、アドルフ様には、緑色したおさげのソバカス美人さんとアメジストの瞳が素敵なポニテールの可愛らしいお方が居るじゃありませんこと?

私、アーデルお兄様みたいに誠実な人が好きですから、お呼びではありませんわ。」


周囲の視線も気にした素振りも見せずに、僕の腕を取り自分のほのかな膨らみへグイグイ押し付けるように身体を押し付けて来る。


「つれないなぁ・・・・(汗)」


アドルフが撃退されると、クララがしずしずと前へ進み出て来た。


「ごきげんよう。アーデルさん。ソフィーさん。

聖誕祭おめでとうございます。」


そう言うと、優雅にドレスの左右の裾を摘まんで、軽く上へ上げ、ニッコリと一礼して見せた。


うんうん。貴族の子女たるもの、こうであらねば。

ソフィーにも爪の垢でも煎じて飲ませてやりたく・・・?


「ごきげんようですわ。クララ様。

聖誕祭おめでとうございますですわ。」


ソフィーがドレスの両裾を摘まんで、美しい動作で返礼を返して見せただとっ!?


不覚にも僕が一番驚いてしまった。


「ごきげんよう。アーデル。ソフィー。

聖誕祭おめでと。」


何故かエリカが少し不機嫌そうに、軽く一礼だけして挨拶をして来た。

機嫌が悪い原因は謎だけど、とりあえずそこには触れないようにしなければ。


「聖誕祭おめでとう。クララ、エリカ、ついでにアドルフ。」


「俺はついでか!?」


「だってお前、僕への挨拶してないじゃん?」


「あ。」


気づいてすら無かったのかよ!!


それから、ソフィーはクララとエリカの二人と女子話ガールズトークを始めてしまったので、僕とアドルフ二人だけで野郎トークが始まる。


「それよりお前、どうしたんだよ?

礼拝中ずっと寝てただろ?」


「わ、バレてたのかっ?」


「イヤ、バレルだろ?

まあ、ソフィーちゃんが上手く誤魔化してたから気づいたのは少数かもしれんが。」


そうか、やっぱりソフィーが上手く支えていてくれたお陰か、帰ったらお礼を言っておこう。


「最近どうも変な夢ばかり見ているせいか、眠りが浅くて・・・。

マジで意味不明で変な夢ばかり見てしまうんだよ・・・。

欲求不満かなぁ・・・ ハァ。」


最後に小さく聞こえにくいように呟いただけなのに、こんな時ばかり地獄耳を発揮する我が友だった。


「欲求不満だとっ!?

ソイツはイカンなぁ・・・。

仕方が無い、ココは俺様が一肌脱いでだなぁ・・・」


いつもの流れだと、ここで僕に覆いかぶさって来るか、抱き着いてキスを迫る場面だなっ!?


身構えて撃退しようと前もって牽制しておこう。


「いや、お前と二人で抱き合う趣味は無いからなっ!!」


「違う違う。

とんでも無い誤解だぞ?

それよりも、お前にイイモンをやろう。」


少し低くて渋い声で言うと、予め用意していたのか、少し大きめな紙袋に入った四角い品を渡して来た。やけに薄くて平べったいけど、一体中に何が入っているのかな?


「あ、ありがとう・・・?」


「俺からの聖誕祭祝いのプレゼントってヤツだな。

家に帰ってからコッソリ開けるんだぞ?」


そう告げて、アドルフは手を左右に振って去ってしまった。


後から何かお返しにプレゼントした方が良いのだろうか?

とりあえずは、帰って中身を確認してからだな。


そんな風に思っていたら、ソフィーも二人との会話を終えたらしく


「お待たせしましたわ。

アーデルお兄様。」


「ああ、うん。」


「それよりも、私、お兄様の欲求不満はいつでも受け止める覚悟はありますけど・・・。

こーゆーマニアックなモノはちょっとぉ・・・。

いくら私でも、やはり恥ずかしいですわぁ。」


「え? 何を言ってるんだい?」


ソフィーの手には、アドルフから渡された紙袋の中身がむき出しになって握られていた。


タイトル

『エロエロ万歳! 修道女は淫らで淫猥なポーズをキメまくりスペシャルっ!!

~オトコの性なる夜の欲求不満解消には、コレでキマリだっ!! ~』


いかにもなドストレートなタイトルにも呆れたが、表紙に写実的な裸婦の絵が描かれており、見るからに中身も如何わしい写実的な絵画が収められているであろうことが伺えた。


え、アドルフのヤツ、こんなマニアックでド変態な春画エロ本を僕にプレゼントと称して渡しやがったのかぁーーーっ!!


「違うって!!

それは僕の趣味なんかじゃないっ!!

アドルフの野郎が勝手に僕にプレゼントだって言って押し付けてっ!!」


必死で弁解する僕に、ソフィーの薄い桃色の瞳の色がフっと柔らかくなる。


「そうですの。それなら安心しましたわ。

お兄様がそちら方面にご興味を持たれることは健全な男性として成長しておられる証しですもの、喜ばしいことではありますけど・・・。


やはり、そーゆー特殊な性癖などは、もっと、こう・・・

手順とか、段階を踏んでからかしらと・・・モニュモニュ」


珍しくソフィーが真っ白な肌を耳まで真っ赤にして、新鮮な反応だっ!!



なんとか場が和んだところへ


「アーデルさんへは、私からもプレゼントをご用意致しましたから、帰ったら開けてみてくださいね。

ウフフ。」


「え、そうなんだ?

ありがとう、楽しみだな。」


クララは、いつ見ても控えめでお淑やかで、理想的な貴族女子レディだよなぁー


「わ、わたしだってアーデルにちゃんとプレゼント用意したんだからっ!

開けたらきっと喜ぶわっ!」


「そっか、エリカもありがとな。」


エリカはどうしてこうも対抗意識が強いのだろう。

頬を赤らめながらビシっと僕を指さすのはきっと癖なのだろうな。


「それじゃあ、僕からも二人へ聖誕祭プレゼントを贈るよ。

ハンス。例の物を。」


「ハッ。」


礼拝が終わり、従者室から合流したハンスが短く応えると素早く馬車へ荷物を取りに行った。


「アーデルさんからプレゼントなんて、何かしら?」

「ふーん。今年は気が利いているのね?」


二人ともそれぞれにソワソワしている姿は可愛いな。

ソフィーはと言えば、なんか目に表情が無くなっている気が・・・?


「二人からは去年も貰っていたからね。

今年は、先に渡そうと思って用意しておいたんだ。

少し待たせちゃってごめんね。」


「いいえ、アーデルさんのためなら、私はいつまでだって待てますわ。」


詫びる僕に、悠然と包容力と余裕を見せつけるクララ。

彼女だって僕と同じくらいの規模を誇る伯爵家の人間だからそんなに暇じゃないと思うんだけどね。


「わ、私だって、アーデルになら、忙しい中からだってちゃーんと時間くらい割くし、一緒に居てあげたって構わないんだからね。」


お前はツンデレかっ!?


と、ツッコミを入れたくなるようなエリカも今日は素直な方だな。


そんな風におしゃべりをしていたら、両手に小荷物を抱えたハンスが戻って来た。


「どうぞ。」


「ありがとう。ハンス。」


僕は二人への綺麗に包装されたプレゼントをハンスから受け取ると


「さあ、こっちがクララへ。」


彼女の美しい髪の色に合わせて、濃い目の空色の包装紙の箱を渡した。


「嬉しいですわ。アーデルさん。」


クララは、僕に軽く抱き着いて、頬にチュっと口づけまでしてきた。


「・・・っ!?

ど、どう、どういたしまして・・・。」


僕は茹ダコみたいに頭まで真っ赤にしてのぼせてしまいそうになった。


「・・・。」


あ、ヤバイ。

後でソフィーから絶対に何かありそうな予感が・・・。


「もう! いつまでそうやって引っ付いている気なのよっ!?

私にはっ!!」


「あ、ゴメン。

はい。こっちがエリカ、君にだよ。」


エリカのワイン色に近い濃い紫色の瞳と髪に合わせて、似たような色の包装紙で包んだ箱を手渡した。


「フフ。私もお返しにっ!!」

「ふわっ!?」


今度は、エリカからギューーーーっと密着するようにグイグイと身体を押し付けられてしまった。


「っちょっ! 待って、何か当たってるからっ!!

すっごく柔らかくって弾力のあるナニカが僕の胸に当たってるからっ!!」


恥ずかしくって、照れてしまい、小声ですごく近い距離にあるエリカの耳元へ告げて、早く離れるように告げると


「馬鹿。当たってるんじゃ無いわよ。

当ててんのよ!」


と悪戯っぽく微笑みながら囁くような小声でワザと耳へ息を吹きかけるようにして、クララとは反対側の頬に情熱的なキスをされてしまった。


「ギブっ! ギブギブっ!!

こ、これ以上はっ・・・!!」


涙目になり、全身真っ赤に茹で上がっていることを自覚しながらボクは許しを請うた。


だってさ、クララは控えめな性格の通りなのか、その膨らみもふわっと柔らかくって、女性らしい奥ゆかしさを感じさせるソレだけど・・・


エリカの鳩胸は、バイーンって感じで・・・ ダメだ。

僕には刺激が強過ぎる・・・。


危うく鼻血が出そうになってしまった。





ようやく二人から解放された時には、ソフィーの姿が無かった。


「あれ? ソフィーは!?」


僕の傍らに控えていたハンスが冷静に告げる。


「先に帰られました。」


そんな、どうやって帰ったのだろう?


「馬車はっ!?」


「ございません。

私と二人で、駅馬車でも乗り継いで帰れとのご命令でした。」


淡々と告げるハンス。

それって、貴族屋敷手前で降りて、歩かないといけないヤツだよね。


「そんなぁ・・・。」


仕方が無いので、僕とハンスで駅馬車を使って貴族街と呼ばれる王都に住む貴族たちの住居が集まっている一角の馬車停留所で降りて屋敷まで歩いて帰った。





「ただいまーっ!!

ソフィーっ!!

ソフィーっ!!」


先程から物凄く悪い予感が強くなっている気がする。

こんな時は、他の何物をも放置してでもソフィーのことを最優先にしなければ、後で何が起こるか分からない。


「ソフィーっ!!」


呼べど探せど返事が無い。


屋敷の者たちに聞いてみても、帰って来たのは確認済だけれども、誰も居場所を知らないと言う。


「クソっ! 一体何処へ隠れてしまったんだろう・・・。」


仔猫クレオ白髪はくはつ頭赤眼メイドの姿も見え無いから、きっと一緒にいるんだろうけど・・・。





そうやって、あちこちにある屋敷の扉を開いては、ソフィーが潜んでいないか調べて歩いていたけど、そういえば地下はまだ探していないような・・・?


地下一階は、使用人の居住区もあり、僕たち屋敷の主人と呼ばれる伯爵家の人間はシェルターへ行かなければならない緊急時以外は、あまり出入りしないようにしている。


その更に下。

地下二階は、シェルターと普段はあまり使われていない地下牢や物置部屋がある。


「気のせいか、なんだかいつもよりも暗くて不気味だなぁ・・・。」


僕は、最初の扉を開いて見た・・・・ すると。


「・・・・あぁーら・・・・ どちら様かしらぁ・・・。」


「ひっ!? ソ、ソフィィィィっ!?」


真っ暗な部屋に小さな蝋燭の灯りが一つだけ。

異様に暗い部屋の中央にソフィーがポツンと立っていた。


目に光は無く、闇の中に顔だけが浮かんでいるように見えるのが恐ろしい。


「な・・・何をしているんだい?」


なるべく、刺激しないように、優しく声を掛けてみた。


「何? ・・・・・何って・・・・決まってますわ・・・。」


「へ?」


僕は迂闊にも、ソフィーが手にしている獲物の姿に気が付いていなかった。


ヒュンっ!


という風切り音が地下室に反響する。

すぐさま、部屋の隅の方で “スコンっ!”

っと何かが突き刺さるような軽快な音が響く。


ヒュンっ!

スコンっ!


ヒューーーンっ!!

スコンっ!!


そ、ソレは・・・・。


「わぁぁぁぁぁぁっ!!

ちょっと待ってぇぇぇぇえぇっ!!」


僕が叫んでも手を止めようとはしてくれないソフィー。


「ソレって僕が普段愛用している下着パンツとかシャッツじゃないかっ!?

何てモノで射撃練習してくれてんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!」


弓矢で何度も何度も繰り返し貫かれ続けたのであろう。

無残にもズタズタに引き裂かれ、特に股に当たる部分を中心に、原形を留めていない見覚えのある僕の衣類がそこにはあった。


「ぁ・・・ら・・・・ こぉーんなところぉにぃ・・・・

お兄様によく似た・・・・・ ちょうど良いですわぁ・・・・

マトにピッタリ・・・です・・・わぁ・・・・。」


スゥーっと生気の無い虚ろな眼差しで睨みつけられて、何故か身動きが取れないっ!?

まるで、蛇に睨まれた獲物ネズミのようだ。


聖誕祭に他の女に浮かれてしまった浮気者なアーデルハイド少年。

彼に翌朝の朝日を拝むことが出来るのであろうか・・・。

哀れ。



- Bad END! -





「ゼェゼェっ・・・・・。」


聖誕祭当日の朝。

いや、正確には聖誕祭当日の早朝。

深夜と言っても差し支え無い時間だろう。


僕は、妙にリアル過ぎて、恐ろしい夢を見て目覚めてしまったのだ。


「それにしても・・・ 怖かったぁ・・・・

フゥ。」


仔猫クレオになった夢から始まり、ソフィーが抱き着いていて、毎晩僕に口づけをしていたなんて夢。


しかも、最後はメチャクチャ怖い終わり方だったな・・・・。


あれ?


何やら僕の身体に巻き付くようにして、温かな感触が・・・・!?


「ソフィー・・・・。」


それは聖誕祭当日の明け方前。

どうやら僕は、ここ最近の寝不足気味の原因を知ることが出来たようだ。

これが全能神からの僕へのささやかな贈り物なのだろうか。



---- Fin ----



*…..*ハッピークリスマス*…..* 由_(´・ω・`)>*ハィ!!!プレゼント*:..。o○☆


こんな初心者作家な私の拙い作品を読んでくださった皆様の上に、幸あれっ!!



【 落書き 】

ソフィー&アーデルハイド(以下ソ・ア)


ソ「お兄様。夢とはいえ、私の扱いがぞんざい過ぎませんこと?」

ア「いや、ソフィー、アレは夢であってだな・・・ その・・・(汗)」

ソ「そーですの。お兄様は心の奥底では、私のことをあんな風に思ってらしたのですわね・・・

  私、悲しいですわぁ・・・。」

ア「待って、お願いだから待ってっ!!

  その手に構えているクロスボウだけはっ!!

  ソレ、絶対人に向けちゃイケナイ武器だからっ!!

   お兄ちゃん、ソコまで素早くは動けないからね? ね?」

ソ「大丈夫ですわ・・・。

  もしも、お兄様が誤って死んでしまったら・・・・」

ア「死んでしまったら・・・?」

ソ「私も即座に後を追いますからっ!!」

ア「わーーーーっ!! ソレ、全然大丈夫じゃないからっ!!

  絶対にダメなパターンだからっ!! な? なっ?」

ソ「お兄様。落書きですと本編以上にキャラ崩壊が著しいのですわね・・・。」

ア(コイツにだけは言われたくねぇぇぇぇぇぇっ!!)



アーデル&ソフイー

 Merry Christmas♪

  皆様の上に、祝福が豊かにありますように♪




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