1. 妹と僕①
僕の名前は、アーデルハイド。歳は17歳。
伯爵家の長男として生まれ、次期当主として父上や周囲からも嘱望され、父上の経営する領地を離れ、王都にある別宅から王立学園へ通いながら、貴族としてのたしなみや人脈作りに勤しんでいる。
170cmほどの僕の見た目が柔らかな薄水色の毛に、長い睫毛のために、中性的なんて言われることもあるけど、そんな自覚は毛頭無い。
無いったら無い!
そりゃぁ、同じクラスの女子とかから「アーデルハイド君って女の子みたーい」とか
「本当は中身も女の子なんじゃなーい?」などと、心無い台詞に内心かなーり傷付いているけれども・・・ (涙)
高等部一学年の頃の学園祭では、クラスの投票で危うく僕がお姫様役をやらされそうになった時は、全力で拒否った。
クッソーこんな見た目じゃなかったら・・・。
僕だってもっと漢らしく、恰好良く、クールに見られたいんだよ!
なのに・・・。
兎に角、そんな悩み多き僕のもう一つの悩みは、二つ年下の妹のことだ。
見た目は儚げで、か弱い美少女そのもので、ソフィーという極普通の名前を持つ妹は、僕にとって恐ろしく、最悪な存在となってしまっている。
◇
そんな恐怖の妹のことで頭を悩ませながら、疲れた頭を休ませるべくベッドで寝ていると。
「アーデルお・に・い・さ・まーーーー!」
「・・・う・・・ん・・・。」
「もう! 朝ですわよ!!
起きてっ! 起きてくださいましっ!!」
あれ?
おかしいな、昨夜は早めに寝たはずなんだけど、疲れていたのだろうか。
身体が重たい。
ダメだ。このままもう少し寝ていたい。
「・・・もう少し
・・・未だ眠いよぉ・・・。」
「・・・。
分かりましたわ。」
今朝はやけに聞き分けが良いな。
いつもなら、もう少ししつこいくらいか、僕のベッドへ入り込んでくるのに・・・。
「?」
ヤバイ!
虫の報せとでも言うのだろうか。
何故だか分からないけど、僕はクルリと身を捻らなければいけないような気がした。
うん。
命の危険というものを感じたのかもしれない。
「それなら、永久にお眠り遊ばせっ!!」
「っふわっ!?」
「危ねーっ!!
お前っ!! 何ていう物を使ってんだよっ!!」
「戦斧ですわよ?」
「って凶器の名前を聞いてんじゃねーーーーーーっ!!
僕を殺す気かっ!!」
どこから用意したのか、華奢にしか見えない妹の腕には、不釣り合いで、これまた立派な戦斧が握られていた。
あれって、片手で扱えるものだったっけ?
しかも、ご丁寧なことに一瞬前まで僕が眠っていたベッドには深々と戦斧によって作られたばかりの裂傷が刻まれていた。
もし、僕が身を躱すのが遅れていたなら・・・。
冷汗が出て止まらないんですけど。
そんな僕の気持ちも知らないとばかりに、妹は最高の笑顔で恐ろしい毒を吐き出してくれた。
「ええ、私がいくら起こそうとしても起きてくださらないお兄様なんて、この世にはおりませんもの。
偽物のお兄様を殺して、本物のお兄様を探し出せばよろしいのですわ!」
「お前な・・・。
この僕がそう何人も居てたまるかっ!!」
「あら? 言われてみればそうですわね?
私ったら。
テヘペロ!」
片手に戦斧さえ握られていなければ、天使の微笑みとでも題することができるであろう、天上の美を彫刻として表そうとしたら、芸術家はこぞって今の妹の笑みをモチーフとするであろう小悪魔的なテヘペロをかましてくれた。
が、ダメなものはダメだ。
「このタイミングでそんな真似されたって、ちっとも可愛くねぇぇぇっ!!」
「あら? 私のテヘペロは屋敷中の者はおろか、学園中でも、いえ、王宮でも可愛らしいと評判になるレベルで認められていましてよ?
お兄様だけ効果が無いなんて・・・
まさか、お兄様、どこかお加減でもお悪いんですの!?」
今更心配そうに僕の顔色を伺うなよ。
全てお前が悪いんじゃないか!
「ああ・・・。具合なら悪いよ。
たった今、お前が戦斧で僕を殺そうとしたせいでなっ!!」
唾を飛ばして喚く僕を、まるで母親が聞き分けの無い幼子をあやすかのように、妹は気にした様子すらない。
「あらあら、朝から興奮するなんて、なんて元気なお兄様なのかしら?
何か良いことでもありまして?」
「お前のせいだろがっ!!」
一事が万事こんな感じだ。
もう嫌だ。
誰か、代われるものなら、代わってはくれまいか?
◇
ソフィーの悪戯好きは、幼いころからだ。
まるで、呼吸をするように、悪戯を仕掛けてくる。
しかも、性質の悪いことに、本人に悪意が皆無なのだ。
子どもの頃に、アリの巣に大量の水を流し込んで、どうなるのだろうか?
などと疑問に思ったことのある人も居るのではなかろうか?
もしかすると、小さな穴にしか見えないアリの巣が、長大なトンネルを掘り進んでいて、地の底へと続いているのではないだろうか?
とか。
中には、そのアリの巣へ、非情にも大量の水そのものを流し込んでしまう者も居ることだろう。
僕の妹も後者の方だ。
妹の好奇心は、確かめてみなければ気が済まないところがあるらしく、色々やらかしてくれている。
一番最初の恐怖を味わったのは僕が6歳の頃だった。
僕のエメラルドグリーンの瞳が綺麗だからという理由で、無邪気にも短刀片手に寝ている僕の目をくり抜こうとしている妹の姿を見つけたメイドが悲鳴を上げてくれなかったら、僕は失明していただろう。
それにしてもあの短刀はどこから持ち出したのだろうか。
8歳の頃。
乗馬の訓練を始めたばかりの僕が、初めて芝生の上で従者が握る手綱を頼りに馬をひたすら真っすぐに歩かせている時だった。
父上からお土産に貰ったというシンバルを、僕にも見せようとして持ってきたと言うが、何も乗馬の訓練中に鳴らさなくったって良いじゃないか。
驚いた馬たちが右往左往してしまい、振り落とされまいと必死にしがみつく僕と、馬をなんとか宥めようと頑張る従者たちに、「ガンバッテぇーっ!!お兄様ぁーっ!!」と更にシンバルを何度も鳴らし続ける妹。
従者たちが繰り返し「お止め下さい!! お嬢様っ!!」と大声を出しても、自分が鳴らすシンバルの音が大きすぎて、耳へ届かなかったという。
馬が暴れる姿を見て、ケラケラ笑う妹の後ろには、黒くて先の尖った尻尾が生えているに違いないと本気で疑ったものだ。
後で風呂場で妹の身体を確認したけれども、見つけられなかったときは、心底納得が行かなかったっけ。
10歳の頃。
鉄板と木で作った船で、領地にある湖の向こう岸へ渡ることができるだろうかと実験するために、妹が作ったという船に乗せられて、湖の深みで船が沈没した時は死にかけたものだ。
岸から手を振って「お兄様ぁー 側に浮いている木材に捕まれば沈みませんわよー!」と呑気に言ってくる妹に「出来たら苦労せんわっ!」と殺意さえ沸いたが、おぼれかけていた僕には側に浮いているという木を見つけるゆとりさえ無かった。
結局、近くを通りかかった漁師の船に助けてもらったから良かったものの、本当に危なかった。
妹は、他にも数えきれないほどの悪戯を繰り返しているが、怒られたり、注意されても最後には
「ごめんなさい・・・。もうしませんわ・・・。」
と怯えて、生まれたての仔鹿のようにプルプル震えながら、潤んだ瞳で見つめ返されると、それまで叱っていた大人たちの方が罪悪感を覚えてしまうらしく、それ以上強く言えなくなってしまうようだ。
僕なんて、何度父上からゲンコツをお見舞いされたことだろうか。
ソフィーなんて、あれだけやらかしている癖に、一度も父上から手を挙げられたことすら無いのだから、世の中、否。我が家は僕だけに不公平すぎる気がするんだ。
そんな妹の悪戯は時に、好奇心や良かれと思って行うこともあるらしいので、始末に負えない。
その犠牲になるのはほとんどが、一番身近に居る僕であることが多い。
妹は、本当に見た目だけなら超絶美少女だ。
妹という存在でなければ、僕だって恋に堕ちてしまっていたかもしれない。
実際、妹のソフィーは、口さえ開かなければ深窓の令嬢にしか見えないし。
その性格に難があるなんて、誰も思わないらしく、女子しか居ない中等学校から転校して僕と同じ学園へ通おうとしたら、全学年の生徒はおろか、教授陣や末端の職員まで、独身の者から妻帯者に至るまで、正妻として、側室として、愛人でも良いからとあらゆる条件で求愛されてしまった。
幸い、僕たちの父親が愛娘ラヴな親馬鹿だったのと、本人に全く嫁ごうという気持ちが無かったため、全ての縁談をお断りすることができた。
「もし、王家からまで求愛された日には、断ることが怖すぎて胃が痛い」と、後日父上が胃薬を飲みながら嘆いていたっけ・・・。
まあ、妹だって未だ15歳だ。
華も恥じらう乙女な年齢だけに、恋に憧れたりはするかもしれないけれども、それほど結婚なんて焦る必要も無いのだろうけど・・・。
そんな事情もあって、現在妹は僕と同じ学園へ通うことも出来ず、自宅へ家庭教師を招いて勉強を教えてもらっている。
「・・・本当は、お兄様と同じ学校で、机を並べて勉強したかったのにぃっ!!」
と頬を膨らませて言う姿は、日頃の小悪魔を忘れさせてくれる程に可愛いのにな。
「お前、それ以前に僕とは二歳違いじゃないか。
そもそも違う学年なんだから、机を並べるっていうのは無理じゃないか?」
当然と言えば、当然な事実を失念しているようなので、親切に指摘してやると
「あら、お兄様がご卒業されるまでに、留年されるか、私が優秀な成績を取って、飛び級すればよろしいのですわ。」
と、さも当たり前のように返されてしまった。
ちょっと待て、僕はこれでも学年でも常に上位の成績を収め、先生方の評判だって良いのだぞ。
そう簡単に留年なんてするはずがないではないか!
「残念だったな。僕は常に学年上位5番以内の成績だ。
そう簡単に留年なんてあり得ないだろうが!
それに、王立学園のレベルをなめるな!
僕を含めて成績優秀者でさえ、そう簡単に飛び級なんて出来ないのだからな!
お前みたいに、日頃から勉強が嫌いだなどとぬかしているヤツが出来るものか!!」
鬼の首を取ったように、ビシっと人差し指で妹の過ちを指摘してやることが出来たのは、久々に爽快だった。
「あら。お兄様こそ、知りませんの?
どんなに成績優秀者であっても、出席日数が足りなくなれば、必然的に留年しますのよ?
それに、私は、これでも結構頭の良い子らしくて、今の家庭教師の先生からも、『貴方にはもう教えられることが何もありません・・・。次回からは別の家庭教師をお探しください』って言われたのでしてよ?」
え。
ちょっと待て、あの家庭教師って、元王立学園で教鞭を取っていたけど、定年退職して悠々自適な人生を送るって言っていたのを、優秀さを見込んで父上が説得してソフィーの家庭教師をしていたという、元は偉い教授さんじゃなかったっけ!?
「いやいやいや、ちょっと待て!!
僕の出席日数が足りなくなる?
お前っ! どんな手段を使って!?
兄である僕を監禁でもするつもりかっ!?
それに、あの家庭教師の先生にも、どんなボイコットをしたんだっ!?
以前の先生の時には、部屋の入り口の扉の上に、黒板消しを仕掛けて、躱すのに気を取られているところを、ネズミバサミを足に噛ませるように誘導して、怒らせただろうがっ!!
今度はどんな手を使ったんだっ!!
あの先生は高名な教授で、父上が是非にと頼み込んで、お前の家庭教師を引き受けてもらったんだぞ!!
それを・・・」
「あらあら、監禁も良いですわね・・・。クスっ
それにしても、お兄様は随分前の家庭教師の先生のことを覚えているのですわね?
それに、今回の家庭教師の先生には、私だってとても良く勉強を教えてくださるから、もっと詳しく教えていただきたいと、色々と質問をしただけですのよ?」
「本当にそれだけか?」
「ええ、本当にそれだけですわ。
お疑いなら、私のこの眼を見てくださいませ。」
上目使いで、下から可愛らしく僕の顔を覗き込んでくるソフィー。
その瞳は、一点の曇りも無く、澄み渡ったカルデラ湖のようだ。
ちくしょう。
やっぱり可愛いな。
その瞳に吸い込まれそうになるじゃないか!!
「・・・。」
つい、じーっと妹の瞳に見とれて、見つめてしまう僕。
「・・・。」
何も言い返さずに、澄み切った瞳でひたすら僕の瞳を見つめ返すソフィー。
「・・・。」
くそう、一体何やってたんだっけ?
そう僕の方が根負けしそうな時だった。
「・・・うわっ!?」
「あら」
一瞬の出来事だった。
「何するんだっ!
いきなりっ!!」
「何って、キスですわ。
知りませんの?」
僕の瞳を見つめ返していたソフィーから、いきなり僕の唇へ急接近したかと思えば、チュッと素早く僕の唇を奪い去ってしまったのだ。
「・・・キ、キスくらい僕だって知ってるわい!!
そ、そうじゃなくって・・・
何故いきなり、僕に向かってキスをしてきたんだっ!!」
「あら、それは私がお兄様のことを慕っているからですわ。
知りませんでしたの?」
動揺しまくりの僕に対して、妹のはずのソフィーの方は全く動じる気配も無く、まるで軽い挨拶でも交わしたかのようにキョトンとして、小首を傾げる。
「いやいやいやいや!!
お前は、僕の、妹であって、恋人でも婚約者でも妻でも無いんだぞ!!
ましてや、兄と妹でそんなこと!!」
当然のことを告げる僕に、ソフィーはポンと軽く手を叩くと、とても良いことを思い浮かんだとでもいいたげな、小悪魔的な笑みを浮かべた。
こういう時って、大体僕が痛手を被ることになることしか思い浮かべないんだよな、こいつってば。
「あら?
それでは、父上に頼んで、恋人にしてもらって、婚約者になって、妻になれば問題解決ですのね?
もう、それならそうと言ってくだされば良いのに。
お兄様ったら、もう」
ポッと頬を赤らめ、モジモジと身を捩らせながらソフィーは今度は目を合わせないようにして、僕から少しだけ離れようとする。
ちょっと待って。
今の会話の、どこに恥じらう要素があるというのだろうか!?
「ちっがーう!!
違うから、どこをどうしたら、そんな話の流れになるんだっ!!
僕と、お前は、『兄』と、『妹』だ!!
兄妹は恋人にも、婚約者にも、ましてや妻になんてならないんだよっ!!」
そうなのだ、どれ程ソフィーが可愛いかろうと、超絶美少女であろうとも、所詮妹は妹なのだ。
家族愛と恋愛は別物だ。
この大前提は崩れない。
「・・・酷いわ・・・。
お兄様・・・私のことを、愛していないのですわね・・・
散々私のことを弄んだのにですわ!!」
ポロポロと大粒の涙を零すソフィーに哀れさを感じてしまった。
というか、その誤解を与えるような表現は止めて欲しい。
万が一、周囲で人が聞いていたならば、絶対に誤解される。
というか、父上の耳にでも入ってしまったら、間違い無く僕が殺されてしまうから。
「ちょっと待て!
というか、弄んだって何だよ!? 弄んだって!!
逆に僕の方こそ、お前の犠牲者になることの方が多いじゃないかっ!!
小さなころから、何度お前のせいで殺されかけたことか・・・。」
一瞬だが走馬灯のように、ソフィーのお陰で死ぬ程の目に合わされた、数々の悪夢な出来事を思い出してしまった。
「そんな・・・あんなに愛し合った仲じゃありませんこと?
それなのに・・・ 酷いわっ!!」
更に身を捩ってイヤイヤをするソフィー。
おい、頼むからこれ以上変な表現は止めてくれ。
「だぁーーーーっ!!
愛し合ったってなんだよ!?
小さなころに、馬が暴れたせいで汚れた僕が、先に風呂に入っていたら、お前が後から勝手に入ってきて・・・。
その時にお前が『愛してる?』ってしつこく聞いて来るから、可愛い妹へ家族愛を伝えるために、『愛してる』と伝えただけじゃないかっ!!
絶対それ他人に言うなよっ!!
とんでも無く、誤解されてしまうわっ!!」
「そうですの・・・ 小さな子供の頃の戯れとはいえ、私にとっては大切な大切な思い出。
あの時、お風呂場でお兄様に、私の大事なお尻を、何度も何度も何度も、繰り返し弄られましたのに・・・。
あの出来事も一生涯この胸にしまっておこうかと思いましたが・・・。
そこまでお兄様に否定されてしまうなんて・・・。
私悲しいですわ。
悲しさのあまり、お父様の胸に飛び込んで、この苦しさを吐き出してしまいたいくらいですわっ!!」
それだけは阻止せねばっ!!
基本めったなことでは手を挙げない父上だが、ソフィーが絡むとダメだ。
時には、問答無用で僕へ手加減無しの鉄拳が飛ぶ。
どんだけ娘ラヴなんだよ。
たまには息子にも理解をくれ!
でも、今はソフィーの暴挙をなんとか止めないと、明日には僕の死体が伯爵邸の敷地内へ埋められることになりかねない。
「待ったーーーーーーーーっ!!
ストップ、お願いっ!! プリーズ!!
ちょっと待て、落ち着いてくれ、な?
考え直そう・・・。」
分かっている。
こんなんじゃソフィーは止まらない。
あまりこんな表現はしたくは無かったけど。
「悪かった・・・ その・・・ 言い過ぎたよ。
決してその・・・ お前を愛していないんじゃ無い。
僕だってお前を愛しているよ。ソフィー。
でも、それは男女の愛じゃ無いんだ。家族愛なんだよ。
だから、な?」
今度は僕の方が、上目遣いでソフィーへ視線を向けてみた。
「・・・。
ええ、分かりましたわ。
お兄様が私を嫌いでは無いのですね?」
だから、その潤んだ瞳で、上気したように僕を見つめるのは止めて欲しい。
「ああ。
誰がお前を嫌ったりなんて、するものか。」
これは本心だ。
いつだって、心から言える。
「私のことを愛していますの?」
またしても、僕の方へ近づきながら、更に身長差を利用して、上目使いで覗き込んでくる。
「ああ。
愛しているとも、いも「良かったですわぁっ!!」 ぇ。」
僕が「妹として」と言おうとした途端に、ソフィーが言葉を割り込ませてきた。
あれ? 今泣いていなかったっけ?
女の涙は流すのも引っ込めるのも変幻自在か!?
「それでは、お兄様。
私は、部屋へ戻りますわ。
お兄様もお早いお帰りを。」
「って、わぁ!?
もうこんな時間じゃないかっ!!」
気が付けば、授業開始まで僅かに5分前だった。
僕の家から学園まで、馬車で1時間はかかるんだぞ!!
まさか、ソフィーが言っていた出席日数不足で留年なんて・・・。
冗談だよね?
こちらも気まぐれで書いてます。
不定期更新かと。