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科学の世界の日常 運動会 伍

情集散から端末を借りて天気や火事について調べていると不意に肩を叩かれた。くるくると回転しながら視線を向けると、明須井さんの隣にいた女子がいた。名前は覚えてない。


「えっと、名前、なんだっけ?」

「伊藤舞衣です。舞衣と呼んでください」


表情のかわらない彼女は無重力場にふわふわ漂いながら淡々と答える。


「えっと、綱引きで呼びに来てくれたんだよね? 明須井さんは?」

「夢乃ちゃんは今玉入れに参加しているところです」


そう言ってグラウンドの中心を指さすのだが、なんか話しづらいな。


「玉入れが終わったらすぐに綱引きとなるので行きましょう」

「ああ、うん。じゃあ無重力解除するよ?」


断りを入れて魔法を解除する。舞衣は運動神経が良いのか、無重力場でも足を下に保っていた為、すんなりと着地を決める。


集合地点に移動するとソウと宮崎さんが居た。ソウは相変わらず植物図鑑を眺めている。こいつは競技に参加する気があるのだろうか。いや、ないな。

ソウは無視して宮崎さんに声をかける。


「宮崎さんも綱引きに出るんだ」

「あっ、科刺川君」


ビクッと肩を震わせてからこちらに振りむき、一瞬安堵したような気がしたが、なんとなく緊張した感じが伝わってくる。見ててなんか面白いな。


「それにしても、なんか綱引きをやる面子じゃなくないか?」


周囲を見回しても、青組の面々は女子が多く、男子も、ソウを始め運動が得意そうな人が一人も見当たらない。対して、他の色はほぼ全員男子で固めており、ガタイの良い人が多い。


「えっとね、うちのクラスから科刺川君が出るって決まったときに、だったらここは科刺川君の魔法に任せて、他の所に強い人を回そうってことになったからなんだけど、勝てそう?」

「なるほどね。まぁ勝てると思うよ」


宮崎さんが丁寧に説明してくれた。実際綱引きは去年も出ている(一昨年は休んで父に怒られた)が、余裕で勝てた。今年も変わらないだろう。


綱引きは総当たりだったはずだ。早速一戦目が始まる。

僕は青組の一番後ろで腕に綱を巻きつけ待機する。開始の空砲が鳴り響き、綱が引っ張られる。

当然僕が何もしなければこのまま一気に引っ張られて負けるだろう。

だが、僕は座標固定の魔法を使っている。どれだけ引っ張ろうと、僕の固定された手に巻きついた綱はピクリともしない。後はこの綱に魔法で力を加えて引っ張るだけだ。


結局三戦ともそれで問題なく勝ったのだった。

分割したので次も科学サイドです

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