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魔法の世界の日常 魔物討伐演習 肆

「一旦帰還しよう」


僕が判断すると、皆速やかに行動に移す。ヤタを先頭に駆け足で走るが、魔法クラスの速度が若干遅い。というのも、武術クラスはほぼ確実に身体強化魔法を習得するのに比べ、魔法クラスは身体強化に使う魔力があれば他の魔法で対処した方が安定するからだ。


「やむを得ないか」


ファーナ、ユリー、ハルに身体強化の魔法をかけてあげる。部位的なものではなく、肉体強化、反応加速、回復増強の全部だ。これで多少の無理が通る。


「ヤタ、スピード上げて。急いで森を出るよ」


ヤタは僕の指示に一瞬迷うような素振りを見せるが、即座に行動に移してくれた。

問題なく魔法クラスの三人がついて来るのを見て、更に速度を上げる。周囲の警戒をしつつも味方への配慮が出来ているヤタは非常に助かる。



「森を抜けます!」


ヤタの声が聞こえ、既に森の外の光が見える距離まで来ていた。

勢いよく森から飛び出し、周囲を確認する。


「あら? もう終わったの?」


そう声をかけてきたのは魔法クラスの教師だった。遠くに武術クラスの教師も見える。


「いえ、そういうわけではないのですが、森の中で火が燃え広がっていたので危険だと判断して撤退したのです」

「燃え広がっていたですって?」


魔法クラスの教師は驚いた様子で森の方に視線を向けるが、森に近すぎて炎も煙も見えない。だが、さっき見た逃げてる連中が近付いてきているのか、なんとなく騒がしい気がする。

離れた距離にいた武術クラスの教師も異変に気付いたのか、立ち上がってこちらに駆け寄ってくる。


「どうした?」

「それが、森の中で火が広がってるらしいの。誰かが火の魔法を使ったのかも。注意はしてあったんだけど、甘かったわ」

「なに? 不味いぞ。この森は深部のゴブリンの集落を隔絶するために必須だ。森がなくなったらゴブリン達がどんな行動をとるか分かったものじゃないぞ」

「分かってます。でも私は天級魔法なんて使えませんよ」

「クッ、しかし王都まで魔法使いを呼びに行く時間は、……そうだ、アルディオス、たしか君は雷を落としたことがあるとか? そんな感じで雨を降らすことはできないか?」


二人の教師がなにやら相談していたが、不意にこちらに振られる。


「雨ですか、やったことがないので正確には答えれません。ですが、魔力がもてばおそらくできるとは思います」

「そうか。それならやってみてくれ。俺は森の中に入って生徒たちを連れ戻してくる。アルベティーナ先生、ここはお任せします」


そう言い残して武術クラスの教師は森の中に入っていった。

そうと決まれば僕も魔法の用意に移るとしよう。えっと雨ってのはどうなったら降るんだったかな。


えっと、水蒸気が上空に昇って、冷えて集まって雲になって、落ちて来た氷が途中で溶けて水になる。

クソッ、もっと詳しく調べたかったけど時間がないのか。


とりあえず、火事現場よりも広い範囲に雨が降るように雲を作らなきゃだから、森とその上空を含めて周辺にある水蒸気を上空へと移動させる。周辺の空気が乾燥していくのを肌が感じ取る。火事なのに乾燥するのは不味いんじゃないか?

調べてみると乾燥によって火の回りが早くなるとあった。予想通りだが、嫌な予想があたるもんだ。

一先ずある程度の水蒸気は戻して、上空の更に広い範囲から水蒸気を集めて雲を作る。


しばらくして十分なサイズの雲が出来上がり、雲から上空に入れなくなった水滴が落ちてくる。

かなり遠くにある水蒸気まで集め、更に足りない分は創造した為、結構魔力を消費した。嘗てここまで魔力を消費したことはないだろう。


書くのが大変になってきた;

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