第3話 「松之宮 杏里」その1
ここは非常に恥ずかしく、擬音語のオンパレードです。
文章の基礎自体がわからず感覚で書いていた時代です。
現在も基礎が出来ているかは定かではないですが(笑)2012.4.26
「今日は昼過ぎから雷を伴う大雨が降るでしょう、仕事や学校へお出かけになられる方は傘を忘れないようご注意ください。」
天気予報士のお姉さんは満面の笑みで液晶テレビに映っている。
肩よりも長く、滑らかで綺麗な髪の毛をゴムで束ね、松之宮 杏里は、学校へ行く用意をしていた。
綺麗な庭付きの洋風一戸建てがアンリの家である。
家の2階に位置するアンリの部屋は、白を基調とした清潔感のある部屋で、イケメンシンガーのポスターが壁に貼ってあり、コルクボードには親友達との写真が花柄の押しピンで飾られている。 出窓の縁には観葉植物やオシャレなサボテン、ビーズなどの小物も多数飾っている。
「あんりぃ〜今日もご飯食べていかないのぉ〜?」
今日もアンリのママは期待をしない質問を投げかけた。
「いらなぁ〜いっ」
そしてアンリも解り切っているだろうと言わんばかりの返事をする。
決して2人の関係は悪い訳ではない、むしろ休みの日には二人でショッピングモールへ買い物に行ったり、外食に行くほど仲が良いほどだ。
ただ、朝は時間が無い、 夜遅くまで勉強をしている為、朝がギリギリなのであった。
黒い革製のカバンを手に取り、部屋を出ようよしたその時、
バァリリィィーンッ!
強烈な粉砕音と共にアンリの部屋の窓ガラスが割れた。
「キャャァァーっ!」
アンリは頭を両手で抱え、床にうずくまった。
何が起こったのか状況が飲み込めなかった。 近所の子供が野球ボールで悪戯をしたのか?
アンリは込み上げる恐怖を必死に押さえつつ、恐る恐る目を開けた…。
コロコロコロ…。
アンリの目の前に転がって来たのは、一点の曇りも無いほど透明に透き通った球体…綺麗な水晶玉の様に見にもえる。
その透き通った直径5センチほどの球体は、眩しいくらいに美しく光輝いていた。
「どうしたのっ、何があったの!あんりっ!?」
アンリのママは血相を変えながら、凄い足音で階段を駆け上がってくる。
アンリはとっさに…いや、無意識と言っても良い、水晶玉をポケットへ忍ばせた。
壊れるくらいの勢いでアンリの部屋の木製の扉が開いた。
「杏里っ大丈夫? 何があったの!?」
アンリのママは息を切らしながら部屋の状況を確認している。
「ガラスが割れたの」
アンリは水晶玉の存在をふせた。 が、やはりママは当たり前の質問を返してきた。
ママは窓ガラスが割れた付近を見ながら「何が飛んで来たの?」と言い、窓の外に目をやった。
アンリは不思議と水晶玉の事が言えなかった。
「解らない、でももう大丈夫だから」
アンリは逃げる様に家を飛び出した。
「ちょっと!」
アンリのママは、不審を抱きながらも1階に掃除道具を取りに向かった。
家の門を勢いよく開け、走って行くアンリ。その姿をしっかりと確認する者が向いのマンションの屋上にいた。
つづく