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第7話 「アンデッド」その1

 「まるで、テレビゲームのバイオハザードやな」

 再び刀を強く握りしめるリュウセイに反し、後退りするアンリ。

 「まだ小さな子供まで…」

 目の前の彼らの中には、幼い子供や、女子高生、老人など、点滴をケーブルごと引きづりながら向かってくる者までいる。

 

 いくら何でもアンリには、酷い光景だった。どうしても殺さないといけないのか?何か手段は無いのか?

 「寺村さんっ、どうしても殺さないとダメなんですか?助けられないんですか?」

 リュウセイは刀を構えながら口を開いた「こんな状況を予測して、フォースライドの資料室で、術者に洗脳された人達を助ける術を調べてたんやけど、術を掛けた張本人を気絶、又は、殺せば、術が解けて操られている人達が助かるかもしらん」

 「ホントですか!?」

 「確証は無い、やけど、どうやって見つける?」

 「もしかしたら、私が最後に見た、ローブの女かも!?」

 

 話をしている間にも非常階段からは、蟻の巣から大量の蟻が出てくるかの様に、操られた患者などが現れ、リュウセイ達を囲む。

 「やったら探すしか無いな、でも、生半可な事してたら俺らがられてまうぞ。ある程度力を抜いてぶっ放せ」

 「了解!」アンリは手に付けている、黒い革製のバトルサポーターをしっかりと握りしめた。

 リュウセイが、ブレスレットを嵌めている右手を横に開くと、ブレスレットに付いている蒼い水晶が光り出し、手に持っていた刀が消えた。

 そして、もう一度ブレスレットが光ると、手の中に黒いバトルスーツ一式が現れ、ソレらをソラへ手渡した。


 「これは…?」ソラは不思議そうに渡されたモノを見た。黒いタイトなスボンに、体に空気の隙を与えない程ピッタリしたシャツ、バトルサポーターらしきグローブに、ブーツ、ブレスレット、そしてシルバーの装飾が施された黒いコート…それらは全て黒い。


 「こんなの着るんすか?」

 ソラは冗談とバカリに問いかけた。

 「死にたくなかったら、今すぐ着ろ、シオンが着てた服や」

 「いやいや…此処で着替えるんすか…?」

 黙って群衆に向かって構えるリュウセイとアンリ。自分の方にも迫り来る群衆に尋常じゃ無いモノを感じ取ったソラは、一目も気にせずに急いで着替えた。

 

 「なんかスゲー体が軽い!」

 着替え終わったソラは驚いた、次の瞬間。

 「突っ込むぞっ」

 怒濤の如くリュウセイとアンリは走って群衆に襲いかかりながら非常階段を目指す。慌てたソラも置いて行かれないよう様に走った。


 スーツのパワーは、リュウセイの一突きで5〜6人の敵を纏めて突き飛ばす程の威力を発揮している。3人は迫り来る群衆をなぎ倒しながら少しずつ非常階段へ近づく。普通の人間が相手なら一撃で意識を失う程の力だが、彼らは幾度も立ち上がり襲いかかってくる。それでも何とか非常階段に到着したが、おぞましい光景が広がっていた。

 更に数を増した「操られた者達」で非常階段は満員だった。


 「このアンデッド共がぁっ!」

 リュウセイは白い光を帯びたパンチを先頭のアンデッドに喰らわすと、先頭から8人くらいの奴らは宙を舞い、非常階段の天井に激突した。残りのアンデッド達は階段をドミノ倒しの様に倒れていく。その隙にアンデッドの上を走りながら、下の階を目指した。





つづく


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