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第1章〜プロローグ〜 第1話 「神城 空」その1

小説を書き始めて4年が経過しました。

この作品は僕の処女作なので、文章レベルもカナリ稚拙なモノではありますが、話が進むにつれ少しづつ上達して行ってると思います。←「過信しすぎや!」

大体11話くらいまでは酷いと思います。そこを越えると、すこしマシになると思います。


誤字・脱字も多いですが、定期的に修正も加えていったりしますんで、その時は申し訳御座いませぬです。


一言でも結構ですので、感想とか、応援とか頂ければ、嬉しく思います。


現在になって、見直すと、全て書き直したい衝動はありますが、 僕の初めて文章を書いた歴史として残したいと思います。

現在の文章レベルは最新話で見えると思いますので、そこで判断いただいても良いかと。


ページを開いて頂けただけでも感謝です。

また、読んで頂けると更に感謝です。2012.4.26

 ――「行かないでっ」


 亜麻色の長く艶やかな髪が風に吹かれ乱れている。

 まだ十八にも満たない年齢の女は泣きながら必死に訴えた。

 

「ゴメン……こうする他無かった。次の俺達の生まれ変わりに全てを終わらせて欲しいんだ。負の連鎖を断ち切って欲しい……」

 全身傷だらけの同じ歳程の男は、怪我をしている左肩を右手で押さえながら、涙を流す女に優しく言った。


「私達、まだ……何も。だから、こんな別れ方って嫌だよっ!!」

 悲愴感漂う女は、男の足にしがみ付きながらも膝から崩れ落ちた。零した大粒の涙が、二人が立つ巨大な岩石の表面に小さな染みを作る。


 男は崩れ落ちる女と同じ目線に立った。

 「俺もさ。どれだけ悔しいか……結局、今の俺達でも運命を変える事が出来なかった。だからこそっ、誰かがこの流れを変えないと」

 女を優しい口調で諭そうとする男。

「だけどっ……」女は泣きながら震える声を振り絞った。


「何度も言おうと思って、言えなかった言葉を言わせてくれ……ずっと好きだった。初めて会った時から今も変わらず、瑠璃香るりかを愛している。」

 その言葉を聞いた瞬間、瑠璃香は泣き崩れた。

大地だいち……」

 ずっと言いたかった言葉……。

 ずっと待っていた言葉……。


 大地は骨が砕けている肩の痛みを堪え、血が流れている口を開いた。

 「今度生まれ変わっても俺達は必ず巡り合う。そして次こそこの戦いを終わらせてみせる。そしたらさぁ、結婚してずっと一緒にいような」

 そう言うと大地は満面の笑みを瑠璃香に見せ、立ち上がり後ろを振り返った。

 

 そして、気合いと共にまばゆい白い光に包まれた大地は、一筋の光を残し目の前の敵に向かい飛び掛かった。

「ガジャルッッッ!!」


 暗黒の空を突き抜ける輝く流星を見つめ、瑠璃香は悲鳴にも似た大声で叫んだ。

「だいちぃぃっっ!!」


 そして全ての世界を光りが包み込んだ……




挿絵(By みてみん)


  ~ H I K A R I (光)~





 太陽の暖かな光がカーテンの隙間から神城しんじょう そらの顔を柔らかく照らす。

 ゆっくりと目を開らいたソラは、パイプベッドの上で上半身を起こした。

「ふぅぁぁぁぁあ……っ」

 トドの様な大きなアクビ声が、六畳ほどの部屋に響き渡る。

 眠気眼で、床に落ちていた置き型のデジタル時計を拾い上げたソラは、目と心臓が同時に飛び出そうになった。

 

 ――「9:15」――

 

「ち、遅刻だぁぁぁっ!!」

 慌てて飛び起きたが勢い余って照明に頭をぶつけた。

「痛ってぇぇぇっ!!」


 ソラは五階建ての何処にでもある様な団地の三階で、父親と二人暮らしをしている。

 慌てて部屋を飛び出したソラは、リビングの木製テーブルの上に置いてある弁当箱を、おもむろに掴んだ。

 弁当箱を包んでいるナプキンに父親からのメモが挟まれているのに気付いたソラは、恐らく手帳から切り離したと思われるそのメモを抜き取った。

 

 ~今日の弁当はお前の大嫌いなシリーズで固めておいた♪楽しんで噛み締めろ!偉大なる父より~

 

「うるせぇー、このクソおやじっ」

 ソラは叫びながら弁当箱をカバンに詰め込み家を飛び出した。


 ソラの父親は都内のビルの中で施設環境管理の仕事をしている。

 仕事熱心で毎日泥まみれな作業着で疲れ果てて帰ってくるが、それでも、自分とソラの弁当は早起きしてでも毎日作り、ソラの分をリビングのテーブルの上に置いて会社に出勤する。

 周りから見れば息子想いの良い父親だが、ソラからしてみればウザかった。


 

 ――『都立 星野高等学校』――


 都内の高校の中でも学力的には平均的な学校ではあるが、スポーツクラブが盛んで数々のクラブがトロフィーを飾っている。

 ソラも「空手部」として幾つかのトロフィーを校舎の玄関に納めている。

 校舎はどこにでもある様なコンクリート造りの建物だ。


 ソラは『二年 C組』と書いてある教室の引き戸を、中の様子を伺いながら音を立てない様ゆっくりと開けた。

科学の講師「今岡」が白髪頭をボリボリと掻きながら大きな黒板に黙々と化学式を書き込んでいる。

 黒板に書かれている化学式を黙々とノートに書き写している生徒達。

 

 ソラの机は一番後ろの列の窓際に位置している。

 出来る限り足音と気配を消しながら、自分の机まで腰をかがめながら移動する。

 後部列の何人かの生徒はソラの滑稽な姿に気付き「クスクス」と笑っているが、今岡は全く気付かない様子で黒板にチョークを走らせていた。

 なんとか自分の机に到着したソラは、何食わぬ顔で黒板の内容をノートに書き写し始めた。

 


 ふと顔を上げるソラと、クラスメイトの松之宮まつのみや 杏里あんりの目が合った。

 長く艶やかな亜麻色の髪をしており、目の大きな小顔のアンリは、街で芸能事務所にスカウトされるほど整った容姿をしている。


  白く細い綺麗な手、八頭身以上を感じさせる程に長く形の良い足。ふとした瞬間に見せる輝くような笑顔に、通りざまに香る甘く爽やかな匂い。

 全ての魅力がソラの心を甘く豊潤な感覚で満たす。

 アンリの透き通った綺麗な瞳を見るだけで、ソラの胸の鼓動が激しくなり、正常な判断能力が混乱を起こす。

 ソラにとっては、それが人生で初めての「恋」だった。


 高校の入学式で一目見た時から、全身に雷を喰らったような衝撃を受け、それ以来、彼女の事で頭がいっぱいのソラ。だが、恋に奥手なソラは、まともに話をした事もなく、ずっと片思いのままだった。

 振られてしまうのが怖いからなのかも知れない……。

 

 直ぐに目線を逸らしたソラは、高鳴る鼓動を押さえ付けながら再びペンを走らせた。





 つづく


現在、ミクシーの日記にて、この小説を連載させて貰ってます。そこで頂けるコメントの中にも、沢山の指摘やアドバイスを頂き、自分の力の無さを痛感しております。ですが、この作品を愛してますんで、少しずつ、修正しながらでも最後まで書ききりたいと思ってますんでヨロシクお願いします。

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