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伝説のスキル

そして特に何もなく5歳の誕生日。

俺はステータスプレートを貰いに教会へザルムとやってきた。初めての外出だが問題があった場合の対処が可能なよう顔を隠せる外套を纏っており、視界は外套に阻まれ外を見ることは出来ない。


教会につくと神父などは暗黙の了解なのか、俺についてあまり関わろうとせず事務的に対応している。


「では、こちらのカードをお持ち下さい。

魔力が吸われ発光しだします。多少疲れるかもしれませんが、発光が終わるまで離さないようにしてください」


神父から手渡された銀色のカードに触れるとカードが発光した。事前に知らされていた事もあり、目を瞑っていたので何処かの大佐のようにはならなかった。

発光が終わったのを感じ目を開けると何も書かれていなかった銀色のカードに様々な事が書かれていた。


名前:ジルア=ゾルート

年齢:5

レベル:1

性別:男

職業:上流貴族

属性:【風】【闇】

魔力量:9万8432

攻撃力:F

守備力:F

敏捷性:F

思考力:C

精神力:A

スキル:【見極め】【アイテムボックス】【異常耐性】【先導】【未開放】


属性は風と闇…大当たりだ。

それに魔力量も10万近い。一流の魔法使いの平均魔力量が15万だが、魔力量は成人までなら修行で増やせるから成人するまでには十分間に合うはずだ。というか、5歳児の平均なんて貴族ですら1万もないから神童扱いされるかもしれないな。


スキルの方も名前からして当たりだろう。

【見極め】が少し微妙そうだけど。

【アイテムボックス】はテンプレ青狸の4次元○ケットみたいなもの、【異常耐性】はそのまま毒や麻痺などの耐性がつくものと予想出来る。

【先導】は貴族固有スキルで自身がリーダーとなり行動する時、周りの者の力を引き出すものだと説明を受けたことがある。


「ふむ、では家で確認させてもらおうか」


そう言ってザルムは神父に金の入った袋を渡し教会を後にした。大方、俺の存在に対する口封じだろう。俺は血の繋がりが無ければ存在を消される。そもそも存在しなかったことにするためにも徹底的に口封じは必要となる。


家に着くとザルムの秘書であるグラムが2冊の本を持っていた。そこには建国頃からの両親の先祖のスキルが全て記されているものだ。これと俺のスキルを見比べて問題がないか判断するようだ。


「ジルア、グラムにステータスプレートを渡すのだ」


「はい」


俺は言われた通りステータスプレートをグラムに手渡して、腕を後ろで組んだ。

グラムはステータスプレートを確認し本を開き確認しだすと…再びステータスプレートを見た。そして再び本を開きステータスプレートを見た。

二度見どころか三度見だった。


「どうしたグラム?」


ザルムもグラムの態度に不信感を持ち訪ねた。


「す、すみませんザルム様!

伝説級のスキルだったので思わず。

安心してください。間違いなく貴方と奥様の血を引いております」


伝説級?父側の【アイテムボックス】はわかるけど、母側の【異常耐性】は便利そうだがそれなりに所有者はいそうなものだ。

伝説級とは言えないんじゃないか?


「スキル本を確認しておらぬのにわかるのか?」


「ええ、まず【アイテムボックス】これは異世界勇者の仲間であった初代当主のスキル。

そして【異常耐性】は奥様のところの先祖…異世界勇者の仲間であった5代目当主のものです」


ふむ、勇者の仲間のスキルか。

本で得た情報だが、異世界の勇者は過去4度ほど現われており、その同世代に必ず勇者と近い力を持つ者が現れ勇者の仲間になる事が多いらしい。

恐らく俺のような巻き込まれ…いや違う、巻き込まれだが俺のように自発的ではないはず。

まあ、この事は置いておくか。


「どちらも過去に片手の指で数えられる程しか顕在化されたことのない効果も折り紙付きの正に伝説級のスキルです!」


とりあえず捨てられる事はないそうだな。

後ろで組んでいた腕を戻した。右手で持っていたナイフを袖下に隠して…

万が一の時に備えて袖下に隠していたナイフだが、不要になったな。


それにしてもグラムの興奮具合は気持ち悪いな。ザルムも若干ひいている。だが、その顔は喜びを隠しきれておらず口角が上がっていた。


「流石、我が息子だ!

これほどのスキルを持っていれば、その有用性から王族ですら嫁に貰えるかもしれんぞ!

丁度同い年に双子の娘が王にはいるからな!

そうでなくても他の上流貴族の嫁が貰えるだろう!ふふっこれで我が家も安泰だ!」


ザルムは天に感謝の言葉を語り出し、まるで何も見えていない。秘書のグラムも似た感じだ。

あぁ素晴らしいよ。この利益のみを見て本心を偽れず曝け出してしまう、ある意味純粋なその姿。


「ははっ流石は俺の親だ。俺が家を引き継ぐまでは良い思いをさせてやるよ」


その言葉はトリップしている2人には聞こえなかった。

スキルは上から自身の素質のスキル、父方から受け継がれるスキル、母方から受け継がれるスキル、職業(身分)のスキル、15歳で解放されるスキルと順番に表示されるようになっていて、それは一般常識とされています。

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