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シネマね!~剣とナゴヤがB級ホラー~  作者: 山田中ミキヤ
前章 剣とナゴヤがB級ホラー
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2章 十三日の金曜日は28日後・・・(ウソ) 3

「どーこーいってたんだこのどたわけぇぇぇっ!!」

「ほ、ほっぺた、ちぎれる、ちひれるぅぅぅっ!!」

 少し落ち着いた後、大樹は葵を折檻していた。




「停電起きたときに探したのよ!

 取調室にも居ないし!

 あいつらと戦って怪我でもしたんじゃないかって心配したのよ!」

「えへへ、心配してくれたんだー」

「ニヤニヤすんなうつけがぁぁぁぁ!!」

「むぐぅッ!!

 鼻、もげる、もへるぅぅーっ!!」


「……ったく。ホントなにやってたのよ」

「うーんと……」

 大樹が捜索していた間、葵が何をやっていたかはすぐにわかった。

 葵は女子トイレに戻りたいと言い出し、しぶしぶそうしてやる。

 入り口に脱出時には気が付かなかった荷物が置いてあった。

 大樹のスポーツバックだった。

 名古屋駅で放置して以降、しばらくぶりだ。


 そういえば押収したって刑事さんが言ってたっけ。


「……これ探してたの?」

「うん。

 名駅で逃げたときからずっと気になってたから。

 置いて来ちゃったの半分私のせいだし。

 大事なものが入ってたら大変かなって思って……」

「お前なぁ……。

 荷物と安全とどっちが優先かもわからないの?」

「うぅ……。

 くすん、ごめんなさい」

 大樹はスポーツバックを背負った。




「……──でもまあ、お礼言う」




「ふぇ?」

 中からういろうを取り出して口に含む。

 念願のういろうだ。

 葵がバックを取り戻してくれなかったら、もうしばらくは食べられなかっただろう。


「〝ありがと〟」


「……、おぉー」

「なによ、おーって」

「大樹ちゃんがちゃんとお礼を言った。

 はじめてかも」

「そ、そうだっけ?」

 そういえばそうかもしれない。

 葵には何度も感謝はしているが、ちゃんと言葉にしたことはなかった。

 意地っ張りだからなぁ。

 少し反省していると、頭に葵の手の平が伸びてきた。

「えへへー、大樹ちゃん、ちょっと成長したね」

 っと、よしよしをされる。

「やだ、もー……葵ったら──、」

 大樹は頬を染め、恥ずかしそうに葵の頭を鷲掴みした。

「なーんーでーお前が上から目線なんだナメてんのかうつけがああああ!!」

「眼はダメ、眼だけは許してぇぇぇぇッ!!

 ──ギャッ!!

 ギャァァァァァァァァァァァ!!」

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