08 ゲームの中での出来事
――――麗香視線――――
――2015年12月11日
――コマンド社本社5階の廊下
私は、湧太とコマンド社本社の社長室へと向かっている途中である。だけど、4階から敵の量が多くなり、手こずっている。それは敵がゾンビだからという面があることだ。私と湧太は二人ともゾンビがすごく嫌いだからだ。でも進まなければ行けないから進んでいるだけである。
私は、こんな結末になるなんて予想もしていなかった。コマンド社に仕組まれたトラップだったことを……。
この階では、たくさんのゾンビが隠されていたのだった。それを私らのプレイヤーは気づいてもいなかった。
私と湧太は、社長室の前についた。けれども、中に入ると誰もいない。すると目の前にボックスがあった。クエスト成功というもので、景品が入っていた。その中には、レアなものばかりだ。
私は、すぐに気づいた。これはプレイヤーを試すための試験みたいなことだったのだと。それは、社長が最初に仕組んだクエストだったことを。
湧太もそれに気づいたようだった。
「これって、社長が考え出したクエストの一つだったんだよ。それも知らずに、ここまで来たが、それで、モンスターがでてきたんだよ」
「そうだよ。私もいまわかったよ。これが、プレイヤーを試すための試験みたいなことだとは……」
2人で話していると、後ろから変な声が聞こえてきた。だけど、声だけが聞こえるだけで、何が来ているのかはわからない。
私は、変な感じがしたが、ボックスの中にあった武器を、コマンドコーディネーターで調べることにした。すると、意外なモノだった。ゲームの中ではレアなものであった。それは、何もかも破壊する剣と、なんでも撃ち殺す銃だったからだ。
私は、驚きを隠せない。
普通のゲームでは、レアなモノは、絶対に最後に出てくると決まっているからだ。それなのに、このゲームでは、最初のクエストで最強な武器が出てきてしまうということだ。それは今まででは考えらなれない光景だ。この社長が何を考えているかは本当にわからない。
すると、湧太は、社長室を出て行った。私もあとを追う。
「湧太。どこに行くの?」
「それは決まっているでしょ。さっきの鳴き声がなんだったかを突き止めるんだよ」
意外だった。湧太は、こんなにも勇気がある少年だったかと驚いてしまう。いつもは冷静で、こんなこともあまり気にしないのに……。
私は問いかけてみる。
「どうしたの? 今までそんなことも興味がなかったじゃない」
「俺はなぁ。わからないままで終わるのが嫌なんだよ。どうしても突き止めて、このゲームがどんなのかを知りたいんだよ」
「そんなのね。わかった。協力してあげる」
湧太は、コマンド社本社5階の廊下を進んでいく。ここは、夜なので電気がついていない。 それに、スイッチがあっても、触れると電流が流れるので、懐中電灯で進むしかないのだ。
私は怖くて仕方がなかった。それは、いつどこにモンスターが出てくるか予測ができないからだ。
2人は、見えない道を進んでいく。すると、またあの鳴き声が聞こえた。それは、人間ではないあるものである。鳴き声は、気持ちが悪くなる黒板を手で引っ掻いたような感じで、気持ちがよくない。でも、こいつを倒さなければ、いけないと思い、私たちは、戦うのだった。
湧太は、剣《ライトニングソード》を使い、私は、銃《ライトニングボルテージ》を使って倒すことにした。私たちは、簡単に倒せると思ったが、全然倒せなかった。
相手は、顔は人間であり、体は犬であり、しっぽが履いている。それを、銃で倒そうとおもったが、なかなか当たらない。
――――湧太視線――――
俺は、連携プレイが必要なことがわかった。この胴体モンスターは、しっぽが弱点なのはすぐにわかった。どうしても、しっぽを胴体の後ろに隠しているからだ。
俺は、コマンドコーディネーターを使った。コマンドコーディネーターには、カメラが搭載されている。これは、敵の弱点を直ぐに知ることができるが、後ろに隠れたものは感知できないため、連携プレイが必要だということだ。
俺は、麗香に言った。
「今から、連携プレイを行う。お前が銃で敵をおびき出しているうちに、俺が、ちゃんとした弱点を突き止めるから」
「……わかった……」
湧太は、頭の回転が速いため、すぐに思いついたみたいだ。
俺は、この作戦は、1度だけの勝負だと思う。敵に気づかれては、作戦は成功しない。たとえ、弱点がわからなくても、しっぽで、顔を変えれば、弱点だとわかるからだ。
俺は、合図をして、作戦を決行した。難しいが、やってみせるという根性は湧いてきた。
「いまだ。行くぞ。ライトニングゴールデンシュラッシュ」
俺は、倒したと思ったが、体力ゲージは半分残っている。だが、これでこいつの弱点は決定した。しっぽだということが。
俺は麗香の方を向く。
「大丈夫だよね。俺がやった作戦は成功だそ。これでこいつはもう少しで終わりだからね」
「そうなの。じゃあ、私がとどめを指すわよ。いでよ、ライトニングボルテージサンダー」
敵は、体力ゲージをゼロにして、消滅をした。その時、レベルアップと目の前にコマンドとして現れた。敵がいた場所には、第1ステージクリアと書かれていいた。これは、ボス的な存在だったのだろうと理解した。
俺は、ゲームを昔やっていたので、こんな展開はわかってた。学校ではさらさないが、俺は冒険するのが好きなのだ。
麗香は、涙を流していた。
「どうした。涙なんて流しちゃって……」
「……それは、こわかったからよ。……今までになかったことばかりで、……それに、ログアウトができないじゃないの………」
「それはな。しょうがないさぁ。俺だって、普通に勉強して、普通な生活がしたいさ。それに、お前と冒険ができることは俺にとっては嬉しいことさ」
俺は、麗香を慰めるためにいったが、全然慰めていない感じがした。でも、俺は、冒険することは嫌いではない。逆に楽しみである。
勇太と麗香はコマンド社本社の5階にまだいる。でも、もうモンスターは出てこない。それは、このゲームの特徴なのだ。クエストがクリアした場所にはモンスターは存在できなくなり、消滅する。だからボスをたおしたあとに襲われても、HPは減らないように設定されているらしい。社長らしいところがあるみたいだ。
俺は、父から社長の性格を知っている。社長は、何かが終わった時に、昔のヤツが出てくるのがイラッとするらしいので、ゲームを作るときは、ボスが倒れるとモンスターが出てこない設定にしていると、聞いていた。だから、こんなふうにずっとこの場所にいれるもかもしれないと俺は思う。
俺はこのクエストをクリアできて良かったと思う。なぜなら、これは、最初のしれんだし、社長へ近づくための第一歩だからだ。
それから、俺は、コマンド社を出ることにした。
「麗香。いくぞ。コマンド社の会社からでるよ。早く来て」
「……わかったわよ。いくわよ。チャット待っててば……」
俺と、麗香は最初来た道ではなく、最短ルートで、コマンド社をでた。だが、最短ルートを出すには、クエストをクリアする他にはないと、笹屋の情報に書かれていた。だから、大変長い時間を使うと思う。
それから、俺たちは、コマンド社にいる人たちがいないことに気がついた。それに、景色が、現実世界だと思えなかった。県外の世界は、現実世界に戻ったみたいだが、群馬県だけは、クエスト執行範囲内に入っていた。ほかの県は、あとからアップデートするのだと書いてあった。
俺と麗香はコマンド社をあとにして、県庁に登ることにした。県庁周辺は、クエスト県外なので、県庁周辺にモンスターが入ることができない。そのため、県庁周辺は安心な宿泊場として使われることが多い。そこで、俺たちは県庁8階に上り、自分たちの家を確認することにしたのだった。
「俺たちの家はどこにあるかわかる?」
「あのへんだよ。あの、山のふものよ」
「ほんとだ。それより、県境が変な結界があるよ」
「本当だね。それはやはり、この県の中だけなのかもしれないわね」
「そうみたいだな。これはすごい景色だよ」
「そうだね」
すると、俺たちの家の近くに、なにかあることがわかった。それは、テレビ掲示板だった。今までになかったためだれも気づかないのだ。
すると、いきなり県庁の中が異常ベルが鳴り始めた。それは、クエストが更新されたものだった。
県庁は、モンスターが入ってくることができない唯一の場所である。それに、クエストの申し込みが出来る場所でもある。そのため、クエストが更新されると、異常ベルみたいな音がなり、情報を更新したことを教えてくれるのである。
他にもクエストの申し込みができると笹屋の情報には書かれているが、その場所は、ここから遠い藤崎出張所と草松出張所である。あと、東部に太田交渉取引所がある。それは、今までにないものある。武器を改造してくれる場所があり、色々な店などが集まっている。
ここからでは、コマンド高速特急で行けば行くことができる。
県庁の周辺には、いろいろな店があったり、バスや電車が走っている。そのため、モンスターが入ることができないように結界が張り巡らされている。だから、安心に生活ができるようになっている。その町みたいな場所を出れば、敵はうじゃうじゃいることになる。でも、バスの中に入れば襲われない。
俺は、このことを頭の中に入れて、この世界でクリアするまでは、生活をしなければいけない。でも、クリアするには、北海道にある、コマンド社北海道札幌支店をぶっ潰さなければ、このゲームは終わらない。なぜかというと、このゲームのサーバーがあるのが、札幌にあるからだ。
それを壊せばいいが、そこには最強なヤツが守っているとかいうので、大変だということだ。それにアップデートされなければ、群馬県内しか動くことができない。
そこで、俺は悩んでしまう。アップデートを待つか、群馬県のボスを倒すかのどちらかだと思ってしょうがない。これは、俺がゲームの長年やってきたものである。勉強もしながら、ゲームの内容を研究してきたからこその発想である。
そんなことをいいながら、俺は県庁周辺を見てみたくなった。
「そういえば、この周辺に、色々な店があるらしいけど、いかない?」
「いいわよ。おかねが持っているから……」
「よし、こんな所でゆっくりしていないで、早く行こう」
「いいわよ」
これが、小学6年生だと言える会話だろうか。全然ちがうのである。これは学校で教わったからかもしれない。うちの学校は言葉については厳しく、小学生でも容赦ない指導で、指摘されるからだ。
俺と麗香は県庁の8階からすぐにエレベーターにのり、下の階に降りたのだった。
今年最後のネットワーク・コミュニケーションだと思います。楽しんでいただけてた光栄です。では、お読みになった読者の皆様、良いお年を……。よんでくださいましてありがとうございます。来年も応援よろしくお願いします。




