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独占の檻  作者: 猫巻団子
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第六話 終焉への秒読み

深夜、雨の音が静寂を支配する部屋

私は悠の隣で、規則正しい寝息を立てていた——

ふりをして、あなたの動揺を肌で感じていた


悠は、私が深く眠りについたと信じている

慎重に、まるで薄氷を踏むような手つきで私の腕をすり抜け、ベッドを抜け出した


(……どこへ行くつもり? 悠)


私は薄目を開けることすらせず、闇の中で耳を澄ませる

悠が向かったのは、玄関でも窓でもなかった

私が「絶対に触るな」と言っていたクローゼットの奥にある、小さな木箱


そこには、私が隠しておいた”もう一つのスマートフォン”が入っている


カチッ、という小さな起動音

闇の中に浮かび上がる青白い光が、悠のやつれた顔を照らし出す

悠は震える指で、必死に誰かへメッセージを打とうとしていた

警察か、あるいはあの拓海くんか


まぁ、契約の切れたどこにも繋がらないゴミなのだけれど


あなたが文字を打ち終わり

多分、送信ボタンを押した

だけど、それは動かないでしょ

私は背後から、優しく悠の首に腕を回した


「……灯、」


悠の指が止まる。スマートフォンの光が、床に落ちて空を照らした


「見つけちゃったんだ。……ねえ、悠。そのスマホ、契約切れてるよ?」


「……え?」


「送れるわけないじゃない。私が、そんな甘いミスをすると思った?」


私は彼の耳たぶを甘く噛み、そのままスマホを取り上げた

画面には、宛先不明のエラーメッセージ

悠は絶望に顔を歪め、膝から崩れ落ちた


「……あ、あかり……殺して……もう、殺してよ……!」


「殺さないよ。だって、こんなに可愛く足掻いてくれるんだもん。……でも、お仕置きは必要だね」


私は悠の髪を掴んで無理やり顔を上げさせ、彼の瞳に映る「何もない暗闇」をじっと見つめ


思い切り腕を踏み抜く


「がっ、」


少女とは思えない

呻く声が一つ


「これが最後だよ、悠。次、何かを『望んだ』ら……その時は、本当に君の脚、動かなくしてあげる」


悠の瞳から、最後の光が完全に消える音がした

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