8.ちょっとした話があっての事です-実はもう一つ、話があります-
全34話予定です
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「皆さんに集まってもらったのは他でもありません。現在の階級の確認と、現在の作戦進行、並びにちょっとした話があっての事です」
そんな言い回しで始めた話だが、
「まず先に、オレは階級が上がって准将に任命されました。これには同等の階級までの任命権が同時に付与されました」
と言うが、どよめきは、起きなかったのは皆がカズの事を信頼している、頼っている証拠なのかも知れない。事実、皆が静かに聞いていた。
「そこで、まずは基地司令を准将に任命したいと思います」
と言われた時の司令の顔は、それはたいそう驚いていたのだ。カズはチラッと司令を見て、笑顔を作って敬礼を一つ返す。基地司令もそれに倣って一例を返してきた。
「なので、このまま司令にはこの基地を引き続き切り盛りして頂きたいと思います」
という言葉に始まり、基地参謀の昇格も併せて行った。
「続いて」
レイリア・ルーデンバッハは大尉に任命となった。
「これには理由があります」
その理由とは、隊長機を任せたためである。隊長機が少尉では格好がつかない、そんな配慮からだ。本来であれば佐官クラスにしたいところではあるのだが、流石に三階級の特進は軍規に照らしてもマズいというところなのだ。
トリシャ・エカードも大尉へ、クリス・アンダーソンは少佐のまま保留となった。そしてクリスはレイドライバー部隊の副官という立場を引き続き担うよう伝えられたのである。
「拝命致します、ご主人様」
そんな上ずった二人の声がスピーカー越しに聞こえる。
順に続くと、ワンワンとワンツーのパイロットであるアイシャ、ミーシャ、それからアニー、イリーの四名は現在の少尉から中尉へと格上げとなった。
「きみたちがこの基地の守りの要だからね、以後もしっかり頼むよ」
そんなカズの言葉に、
「了解です、マスター」
と声がそろう。
「それから」
次に来たのがマリアーナ・ハリラ少尉は中尉へと昇格をし、レベッカ・キャリー准尉は少尉へと昇格となったのである。
「ありがとうございます、マスター」
やはり声がそろう。
その他、新人たちはそのまま既定の階級である准尉が適応となった。
「さて、サンド・ギルベルト大尉と、カレルヴォ・レイノ大尉は、今まで戦時特例で少尉から大尉に格上げされていたけど、これで晴れて大尉に任命する」
最近の作戦の評価がここでされたのである。サンドにしてみれば数年前は一等軍曹だったのが前線を転戦して今や大尉である。
「これで一通りの昇進の話は済んだと思います。各自任務をより一層の精進を願います」
と区切ってから、
「実はもう一つ、話があります。それはゼロフォーという存在です」
と切り出したのだ。
「ゼロフォーは皆さんが知っているように常に前線を転戦し、同盟連合にとってより良い結果を導き出してくれた。もちろん彼女一人の功績ではないのは承知しています。ですが」
それを差し引いてもゼロフォーの功績は大きい、そうカズは前置いてから、
「彼女にはサブプロセッサーからパイロットへの昇格と本名の開示、それに大尉という階級が付与されました。これはオレが行ったものではない、軍上層部からの提案です」
と前置くことで少しでもサブプロセッサーたちへの動揺を抑える、という目的があるのだ。つまり[言いだしっぺはオレじゃあないからね]というやつである。
そんなカズの心配も少しは当たったのか、少しだけざわめきが起きる。それは抗議の声、というよりは驚愕の声というべきなのだろう。
現に、
「それはあーしらも可能性として[ヒト]に戻れるんすか?」
と聞いたのは、ゼロツーだ。そんな彼女にカズは、
「働き次第ではそれも可能だ。逆の可能性もあるかも知れない」
と答えた。ゼロツーが[逆っすか?]と尋ねるので、
「もちろん今のサブプロセッサー諸君たちは好きでその姿になった訳じゃあない。その辺りは恨んで……出来ないのは分かってる。それについてはオレはすまない、とは言わないよ。必要なことだと思うからそうしたんだ。そしてきみたちは本来、部品番号で管理される存在、つまりは[ヒト]とはカウントされない。それをヒト扱いしてもいいんじゃあないか、そういう意見が出てきたんだ」
とまで言ってから、
「そして、今のパイロット諸君というのはタッチの差でサブプロセッサーにならなかった存在でもあるんだ。さっき逆、と言ったのはパイロットもサブプロセッサーになる可能性もある、という話だよ」
と話をまとめる。
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