7.ちなみに怪しそうなのは?-これからの検問はパスしてくれないかな?-
全34話予定です
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その目的地というのは車で走り続ければ一日ちょっとというところにあるのだが、いつも大事を取って迂回をして進む。それはもちろん敵国の偵察衛星を警戒しての事だ。そして行く道中の所々には同盟連合が設置した検問所のようなものが存在している。もちろんそれがあるから検問封鎖してどうの、という程物々しいものではないのだが、どんな人、車が通ったか、国籍はどうか、くらいは確認している。こんな何気ないところにも敵国の[モグラ]対策がとられているのだ。
――まあ、何事もないのが一番なんだけどな。
とは言ったものの、通った手前報告は聞かないといけない。そんな立場にいるのもまた事実な話である。
その兵士の話によると、ここ最近はミラール市は落ち着きを取り戻している、という話だ。帝国が戦術核をかの地で爆発させてから四年、それでも四年でかなり回復したといって良いだろう。
「ちなみに怪しそうなのは?」
と尋ねてみると[それが一人、外国人を捕えまして]と返ってくる。
「外国人?」
と返して詳細情報を教えるように伝えると、直ぐにカズの手元に情報が回ってくる。その情報を人眺めしたカズは、
「この人物は即時釈放と、これからの検問はパスしてくれないかな?」
と答えた。それは直ぐに[よろしいので?]と疑問形で返されるので、
「なに、オレの知り合いなんだよ」
と返答する。その時の憲兵の顔つきの変わり方といったら、それは見事なものである。即座に[分かりました!]といって実行に移したのだから。
――彼には会わない方が良いだろう。連絡ならいつでも取れるし。
そう思ったカズは、
「じゃああとはよろしく」
と言づけてその場をあとにした。
――それよりも今はやるべきことがあるんだ。
久々のアルカテイル行きである。そこでカズは彼にしかできないことをすべく足を運んでいるのだ。
それでも休み休み向かい、合計二日と半日をかけてやっとアルカテイル基地の正門ゲートをくぐる。もちろんここには機関砲台と、詰所の中には即応用のRPG-2が用意されている。警備の人間にしてみれば、あらかじめ来訪予定があり、実際に見知ったトレーラーとフルスモークのバンが入っていけば一度止めるにしても直ぐに[どうぞ]となるのである。
そんなカズは正門玄関から、ソフィアはレイドライバー格納庫へと向かう。
久々のカズの来訪に、基地司令が出迎える。
「よく戻っ……りましたね、准将殿」
敬称を付けられたのでカズは笑いながら[司令、敬称は無しでお願いします]と相手にそう伝える。
「しかし」
軍隊という階級制度を採用している組織にいるのだから、階級が上の人間には敬称、敬語を使うのが筋というものだし、現に基地司令は大佐である。つまるところ、カズより階級が下になった訳だ。
「もちろん、軍の規律は承知しています。ですから」
――今はこのままでいて欲しいんですよ。
というカズの思考が見えた訳ではないのだろうが、
「何か、考えていることが?」
と問われる。なので、
「ええ、基地司令にはとてもお世話になっていますし、現にこうやって最前線をずっと維持してもらっています。それに前回の戦闘もありましたから。ちょっと考えがあるのです。なので今しばらくこのままでお願いします」
とまで言われては流石に司令も[きみがそう言うなら]と引き下がってくれた。
「さて、全体ミーティングを執り行いたいのですが」
と本題を進めていく。それは直ぐに当事者たちの招集、サブプロセッサーにあっては回線の接続、現在移動中と思われる派兵組たちはレイドライバー内での回線接続という形で実現したのだ。
いつものミーティングルームである。ちょうど大学の講義室のような形、と言えば伝わるだろうか。壇上の人間が一番低い位置にあり、そこから扇状に椅子が並んでいく。後ろになるに従って地面の高さが高くなり、壇上の人間から全員が見渡せる形になっている。
元々、このアルカテイル基地というのは帝国の基地だったのだ。それを非破壊で手に入れてから改修を施して現在の形になっているのだが、この部屋は元々この形で存在していた。それは、作戦説明の場所というのはどの国でもほぼ同じ、という表れなのかも知れない。
それに、元々はここで全軍のミーティングを行っていたのだろう、収容人数は百名はゆうに入れるスペースである。
そこに基地司令、基地参謀、それにレイドライバーのパイロット、三五FDIのパイロットが集まったのだ。もちろんいない人間にもリモートで接続している。なので見た目以上のヒトの注目がカズに集まっているのだ。
「それでは」
そう言ってカズは話を切り出した。
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