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33/34

33.ここは?-二〇三三年五月十五日!?-

全34話です



明日(2/4)の第34話で長きに渡ったレイドライバーシリーズは一旦完結になります。読んでくださって本当にありがとうございます!!


ここで連続して投稿していた小説の寄稿は終了しますが、執筆を終えたわけではありません。次作の構想に手間取ってしまったり、諸般の事情もありでしばらくの寄稿が困難な状態なのです。


何はともあれ色々とありますが、ここは是非、最後までお付き合いくださるととても嬉しいです!


「ここは?」


 そう言ったカズ自身、まず日本語を話していた。普段は同盟連合の第一言語を話しているカズが日本語を話しているのだ。そして、周りを見渡せば散らかった一人部屋の風景がそこにはあった。


 ――ん? ん!?


 どうやら布団に横たわっていたようだ。そんな布団を見れば枕が二つ。


「という事は、これが夢の中?」


 そう思ったカズは思いっきり自分の顔をビンタした。


「いってーー……あれっ、起きない?」


 という事はこれが覚醒状態なのだろう。枕元にあったデジタル式の目覚まし時計に目を遣れば、今は朝の九時という事らしい。


「うん、そこまでは分かった、分かったよ。じゃあ、今日はいったい何年の、何月何日になるんだ?」


 という疑問が口からこぼれる。独り言が多いカズの癖である。では、とスマホはあるかと探してみれば目覚まし時計のすぐ横に、昔見慣れたスマホが置かれていた。ロックを解除してカレンダーを表示させれば、


「二〇三三年五月十五日!?」


 それはそうだ、今の今まで二〇五一年の時間で生活していたのだから、ざっと二十年近くさかのぼった計算になる。


 だが、言われてみれば確かに体つきが若い。慌ててユニットバスの中にある鏡を見れば、あの当時の顔つきになっている。当然ながら身体に埋め込んだ[子供]の摘出跡もない。


 ――夢の類をまだ見ているのか。それとも別の何かか。


 だが、夢だと考えるには辻褄が合わない。夢だ、とするにはこの空間はあまりにリアルなのだ。


 ではスマホを、と考えて画面を見れば通知が来ている。どうやら千歳からのようで[あれだけ起こしたんだけど、起きなかったから学校行ってくる。起きたら連絡して]という内容だった。


「おぉ、確かに以前使ってたスマホだ。じゃあ」


 そう思って[今起きた]とメッセージを送信すれば[今からなら二限に間に合うからおいでよ]と返って来る。


「まぁ、悩んでいても仕方がない。外に出ればまた変わるかも」


 そんなことを呟きつつ着替えて教科書類をカバンに詰めて家を出る。手元に鍵があって、と当時と何も変わっていない。だから何も考えずに準備が出来たのだ。そして外に出てみれば、少し湿気のある、それでいて懐かしい爽やかな風が身体の脇をを抜ける抜ける。アフリカのカラッとした熱気を帯びた空気とはまた違う、日本特有の天候である。


 この空気ですべてが分かった。自分は今まで夢を見ていたのだ、と。それほどに、カズにそう思わせるほどにリアルなのである。


 もちろん今までがリアルでなかった訳ではない。エルミダス基地で食べたカルラさんが出すカレーの味だってしっかり覚えている。それに、人体実験をしたあの感覚も。人を殺めるあの感覚だってちゃんと残っている。それでも、それに匹敵するくらい今置かれている現実はリアルなのである。


 ――まずはみんなに会ってからだな。


 カズは内心、嬉しかった。吉岡や岩田、下山、襟坂。それに何より千歳にまた出会えるのが素直に嬉しいのである。


 季節は五月、クーラーの出番はまだ先という、ちょうど過ごしやすい時間軸にいるらしい。


 ――なんと話そうか。


 カズはそんな事を考えながら自分が今まで通っていた大学に向かうべくアパートを出る。二階にある自室から階段を下りる。そういえばこの階段がよく響くので、特に深夜に帰宅するときは気を遣ったという記憶が蘇る。


 しばらくまっすぐな道を歩いて十字路を右に曲がればあとは一直線で大学に着くことが出来る。そんな道をあれこれと考えつつも歩いていた。


全34話です


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