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27.人ぎょ……義体?-とても笑みが上手ですの-

全34話です


いよいよあと一週間で長きに渡ったレイドライバーシリーズは完結を迎えます。もしも、ご興味がありましたら再度読み返して頂ければ嬉しいです!

もしもまだ読んでいないという方は、是非読んでくださると嬉しいです!


レイドライバーシリーズの前日譚であるヒューマンシリーズも是非読んでくださると嬉しいです!


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップします(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です


 目隠しをされたマリアーナを連れてカズは中央室まで来ていた。そこで目隠しを取る。そこで目隠しを取る代わりに足枷を嵌めた。つまりはその場から身動き一つとれないようにしたのである。


 マリアーナはその行動にやはり戸惑いを見せたがそれもすぐに慣れた。そんな彼女が目を遣ると、


「人ぎょ……義体?」


 手術用に使われる中央の台には全裸の人形のようなものが置いてある。だが、それが義体であることは何となく分かるのである。何故ならマリアーナも左手左脚は義肢なのだ、そこに置かれているものが義肢の類であるのは何となく類推がつく。


 そんなマリアーナに、


「よく分かったね、正解だよ。さて、これからやるのは手術の類ではない、んー簡単に言うと[乗せ換え]かな」


 そう言いながらカズは片手で、とあるほうをひらりと指し示す。その手の示す方向には副所長のアイザックと、移動用のサブプロセッサーの生命維持装置が一つ。


 カズは、


「あの機械は見たことあるよね?」


 と尋ねる。もちろんそれは、


「サブプロセッサーを運搬するための装置、ですの」


 とすぐに答えが返って来る。なので、


「中には[誰]が入っていると思う?」


 と問うと、


「誰、と仰いましたね? サブプロセッサーは基本モノ扱いされると聞いていますの。それをマスターは[誰]と仰った。そしてこの状況からするに」


 思わず声が上ずる。だからなのだろう、後ろ手に手枷、足には足枷をしてその場から動けないようにしたのは。


「分かってくれたみたいだね。これからその一部始終を見ててもらうよ」


 カズはそう言って職員に合図をした。


 職員はマリアーナに見える位置に外部接続用の端子を持ってきてケーブルを繋ぐ。一瞬、プッというノイズと共に息遣いが聞こえる。それは元々躰を持っていた証拠なのだろう。無意識に息遣いをしてしまうのだ。これはどのサブプロセッサーにも言えるのである。


 この人物も例外ではない。


 カズは、


「きみの名前は?」


 と問うた。すると、


「私はソフィア・ペトローヴナ・スルガノヴァです。マスター、これから私は何をされるのでしょうか?」


 と質問が返って来る。その問いに、


「少しの間、ほんの少しの間だけ眠ってもらうよ。次に目覚めた時の感想をぜひとも聞かせてほしいな」


 と言って合図を送る。職員は生命維持装置に何某かの細工をする。すると寝息のような声に代わる。


「意識のあるままでこれをやっては騒ぎだからね、流石に眠ってもらうんだよ」


 そういって目の前で起こっている事をマリアーナの肩を抱いたまま一緒に見ていた。


 ソフィアは生命維持装置から外され、外装が取り外される。するとほぼ脳の形に添った内装が出てくる。そこで装置を切り離して義体の頭部へと収納する。その間ほんの十秒あっただろうか。脳核が収容されているケースに備えられている生命維持装置は持っても数分が限度なのである。だが、そんな時間は必要ないほどにここの医師たちは優秀だし、それだけの被検体をさばいてきたのだ。


「接続は無事に終了。本体のウォームアップ開始。循環器系は正常、成功しました」


 と報告が上がる。カズは[じゃあ起こしてくれるかい]と指示を出す。すると何某かのショックを与えたのだろう、身体が一瞬ピクッとなったあと、


「これは……一体、私はどうなってしまったんでしょうか」


 そこにいるのは間違いなくソフィアなのだ。


「あの時はまだ正式には言えなかったんだけどね、きみはパイロットになった……のは知ってると思うけど、全身義体という形で躰をプレゼントしようと思ってね」


 そう言いながらカズは職員に指示を出す。それに沿って職員はソフィアの身体を一通りチェックする。触覚、痛覚、嗅覚に聴覚、視角まで。それらが異常ないことを確認してから、


「自分の足でここまで来られるかい?」


 カズはそう尋ねた。ソフィアはゆっくりと足場を確かめるように歩きながらマリアーナのところまで来て、


「マリア、私はどうやらヒトになったようです」


 と笑みを浮かべた。


「とても笑みが上手ですの」


 マリアーナは、泣いていた。


全34話です


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