25.よりにもよって沖縄を攻めようとしていた-これも第一歩になるんだよ-
全34話予定です
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旧ギリシャ戦から約三か月、帝国はやはり第六弾を仕掛けてきていた。よりにもよって沖縄を攻めようとしていたのだ。そしてかの地には空母艦隊がいる。マリアーナとターニャだって、カレルヴォだっているのだ。そんな中、戦闘は起きた。事実、上陸戦になったのだが、ここでも帝国は二体のレイドライバーを送ってきた。しかも原子力潜水艦搭載型での奇襲である。ちょうど警備が手薄だった場所に深夜の奇襲攻撃を受けたのだ。だが、流石に戦闘経験のある部隊が駐屯しているだけのことはある。ここでもゼロテンが被弾したものの、三五FDIとの連係プレーで事なきを得た。そんな戦闘が散発的におき、結局のところ形を変えて五度の襲撃をなんとか防ぎ切ったのである。相手のレイドライバーはやはり二体とも撃破、という形になった。
この結果は、カズたち同盟連合にとってに全世界的なレイドライバーや、最新鋭戦闘機である三五FDIの供給を急がせるきっかけとなったのだ。つまりは[戦場は既にアフリカ大陸だけでない]ということなのである。
そして。もう一つの帝国からのメッセージ、それは[同盟連合より質はともかく、物量で押せる、たくさんの機体を作れる]というのを実践して見せたというところだろう。
…………
そんなカズは研究所で、ある義体を目の前にしていた。
「これも第一歩になるんだよ」
そんな言葉を独り言のように言う。隣にいるアイザックは、
「そうですね、これが第一歩になるのでしょう」
そんな返しをしていた。
研究所はこれから研究の他に、人材育成というタスクが増えた。それは前述の、米州での脳核の取り出しにあたる人材の育成である。だが、間違えてはいけないのが、研究所の拠点が米州に移動、という訳ではないところである。引き続き研究の最前線はここエルミダスの地で行うという話で収まっている。前線が近いというリスクよりも試験段階の装備をすぐに実践に投入できるという機動性の良さを天秤に諮っての決定である。そして、カズはここの研究所を引き続き切り盛りしていく立場となった。
そんなカズたちが目にしている一体の義体。全身義体と呼ばれるその義体は女性の形をしていた。
…………
先だっての沖縄戦での損傷を修理するために、ゼロシックスとそのパイロットであるレベッカ、それにゼロエイトとフィリスの組み合わせの二体を入れ替わりで沖縄へと送り出したのである。被弾していないゼロフォーを引き上げる際には、それは現地の人間に引き留められたものだ。[戦の女神]の異名は前線に出ている兵士なら今や全世界的に知られる存在となったのである。それほどにゼロフォーは実績を残してきた、というべきなのだろう。カレルヴォは[また組めますか?]とわざわざアルカテイル基地まで連絡してきたくらいである。
そんな、皆から後ろ髪をひかれつつゼロフォーはエルミダス基地に帰還、となったのだ。そこで出迎えたトレーラーに乗せられてマリアーナ共々研究所へと向かっていた。もちろん、マリアーナは後ろ手に手枷を嵌められ、目隠しまでされての移動である。
度々出てくるが、パイロットというのは研究所からしてみれば[サブプロセッサーよりも躰がある分だけ格上だが被検体に変わりはない]のである。必然、自由など与えられる訳がない。それに自由を与えられない理由というのも存在する。それほどにこの研究所は秘匿されるべき存在だし、万に一つでも漏れがあってはならないのだ。先ほどの話ではないが[知らなければ話せない]のだから。
そして、これも恒例のことだがエルミダス基地から最短では向かわず、あちらこちらに寄り道をして夜間に到着、という運びになったのだ。
トレーラーが地下施設の試験場兼ハンガー兼正面玄関へと着いた。
「まずはマリアーナからかな」
カズが出迎えたのである。
全34話予定です




