短歌「君は遠くに」
望遠鏡をつなげて見るような解像度で君を見ていた
ふと君が僕を褒めた一言にいつまでも拘束されている
恋愛は酸素が足りない赤がいい「実験中よ、リチウムいれて」
青春の最後のサビの転調が君の「はい」から流れはじめた
さよならと別れた君のおはようが色づく世界のファンファーレ
一方向、君へのおもいサブスクは電話をかけても解約できず
昼食に誘えば「お腹いっぱい」と、5分後席を立つ君を見た
足音が来て、二人の声が響く 僕の声はそこにはなかった
持ったスマホは動画を流していた、見る目のピントは合わなかった
布越しに社会の始発、朝が着く 乗れない僕はベッドに居着く