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三十九話 ダンジョンのボス(魔王)に挑もう……?

「…………え?」


驚きのあまり、それしか言えなかった。


数秒後、俺から離れた魔王は。

いつの間にか紫色だったはずの顔を真っ赤にしている。


な、何で?どうして?


魔王は確かに、俺にとって大切な存在ではあるし。

彼女の方もきっと、俺に対してそんな感情を抱いていてくれてるとは思っていたんだけど。


でも、まさか……それは。

キ、キスするような間柄じゃあ無かったはずなんだけど……??


そのように、流石の俺も混乱してしまい。


魔王も魔王でそれからは何も言わず。


暫く、二人の間には重い沈黙が流れた……



「ね、ねえ?これで分かったでしょ?」


数分後ではあるが、先にその沈黙を破ったのは魔王だった。


すると、俺もそこで漸く呪いが解けたかのように意識がはっきりとし、彼女との対話を始める。


「…………まあ、何となくは。


……違ったら恥ずかしいんだけどさ。

もしかして、魔王って俺の事…………


す…………好きだったり、する?」


「は、はぁ!?今更気付いたの!?


…………そ、そうよ!!そうじゃなかったらこんな事しないわよ!!悪い!?」


……やっぱり、そうだったのか。

じゃあ魔王は、今までもずっと俺の事を想って。


そんな事を考えていると。

いつしか、俺の身体は勝手に動いていて。


「……えっ!?ちょ、ちょっと何するつもりよ!?」


そうして、自分でも気付かぬうちに。

俺は魔王を抱きしめていたんだ。


「ね、ねえ!?ちょっと!?

は……恥ずかしいん……だけど……」


俺の腕の中で、じたばたとする魔王。

でも本気で離れようとはしていないようだった。


そして、それを見た俺は。

覚悟を決め、彼女へとこう言った。


「ねえ、魔王」


「え?」


「ありがとう、俺の事ずっと好きでいてくれて。


……正直、今までは自分でも、あんまりよく分からなかったんだけどさ。


どうやら、俺も魔王の事が好きみたいだ」


「ア、アンタ……!?」


「だから、これからは名前で呼んでもらえる?」


「え、あ……うん、せ、聖也」


「ありがとう、嬉しいよ」


「………………………………わ、私も」


それからはまた、俺達の間には沈黙が流れたんだけど。


でも、それで二人が離れる事は無かった。



……というワケで、もう戦いどころじゃなくなっちゃってさ。


だからその後も、俺達はずっとそうしていたんだけど。


「師匠、魔王様〜!!さっぱりしたので戻って来ましたよ〜!!あ、あと魔王様……ごめんなさい!!お洋服お借りしちゃってます!!」


「はぁ……臭いが、取れない……」


どうやらピアンテのお風呂と。


「聖也君!魔王様!ケーキが出来上がったから皆で食べましょう〜!


……フフフ、それにしても貴方、ケーキ作りが上手なのね。今日は色々と勉強になったわ、ありがとう〜」


「私の方こそ、こんなにも料理上手でお綺麗なご婦人にお手伝い頂けて、感謝の言葉も御座いません」


「あら、ケーキ作りだけじゃなくて口もお上手なのね、フフフ」


パサレーのケーキ作りが終了したらしく。


二人がほぼ同時にトロール君、ブラックドラゴン君と一緒に戻って来たから、そこで俺達は急いで離れたんだ。


「えっ!?あ、ああ!!お帰り皆!!

じゃあ俺もケーキを頂こうかな!?ま、魔王もそうするでしょ!?」


「そ、そそそうね!!私も聖也に……じゃ!!じゃなくて!!コイツに賛成!!さ、さあ皆で食べましょ!!」


で、そこからはまた、皆でいつものようにお茶会を始めたんだけど……


でも、魔王と俺が交際を始めるって事。

いつかは皆に言わないといけないんだし。


というかまず、俺と魔王がお互いに接する態度がさ……どれだけ隠そうとしても、普段とは全然違い過ぎて、そう遠く無い未来にバレそうだったから……


それなら、自分達の方から言った方が良いかなって。


魔王と目配せして、俺達二人でそう決めたんだ。


「あ、あのさ、皆……」


だから俺が代表して、それを皆に発表しようとしたんだけど……


その前に、事件は起きた。



それは、パサレーの何気ない言葉から始まった。


「フフフ、どう?コレ、私とブラックドラゴンさんで一緒に作ったシフォンケーキなのよ!


ほら、〝聖也君〟も食べて食べてっ!」


……という、そんな発言から。


そこから全てが始まった……いや。


始まって、しまったのだ……!!


「……〝聖也君〟?

ええと、パサレー……だったかしら?


……ねえ、アナタ。

コイツの事はいつも、そう呼んでいるのかしら……??」


パサレーの言葉にそう反応したのは魔王だ。


彼女は特に、その〝聖也君〟という単語に対して何かどす黒いような感情を抱いているらしく。


今は笑顔こそ保ち続けてはいるが、その奥にある怒りを隠し切れていない……!!


だがそんな魔王へと、パサレーは。

何と、意図せずして追撃を始めてしまった……!!


「……え?ええ、そうよ。

そっちの方が良いかな〜と思ってね。


それに私達ってもう、〝そういう関係〟だし……?ウフフ」


すると、その言葉を聞き……


とうとう魔王の顔には青筋が浮かび上がり。

トロール君は口をあんぐりと開け。

ブラックドラゴン君の手は震え、コップの割れる音がこの部屋に響き。

ピアンテは黙々とケーキを食べ進めていた。


……な、ななな!?言ってるのこの子は!?

流石にヤバいって!?そんな事言ったら……!!


「へぇ〜、〝そういう関係〟ねぇ?

パサレー……良かったらその辺りの事、もう少し詳しく教えてもらえるかしら?」


あぁ!!やっぱりだ!!

ただでさえ〝聖也君〟呼びに嫉妬していた魔王が!!


魔王が……!!とうとう堪え切れず、色々と聞き出そうとし始めちゃったじゃないか!!


だが、そうして焦る俺の想いはパサレーには届かず。


彼女の追撃の手が、止む事は無かった……


「え、えぇ〜!それはちょっと恥ずかしいわ……!


で、でも魔王様って、聖也君とは親しい間柄なのよね?それじゃあ、話しても良いか……


ええとね、聖也君にはね……

私、〝あんな姿〟や、〝こんな姿〟を見られちゃったから……〝責任〟を取ってもらわないといけないのよ。


ね、聖也君?」


そして最後に、パサレーは顔を赤らめながらも。


俺の目を真っ直ぐに見据えて、そう言い放った。



だが、それだけに留まらず。


「あ!それなら私も!

師匠に〝あんな姿〟を見られちゃいましたから、責任を取ってもらいたいです〜!!」


今の今まで、ケーキを食べ続けていたはずのピアンテまでもが。


そう言って、俺を見つめるのだった……

すみません完結までやっぱもうちょっと掛かりそうです…

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