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十六話 魔王を……どうにかしよう!! 2 ※お○らし注意

……とか何とか言っていたら、遂にメテオが全て陥落したようだ。


それを知った俺とピアンテが顔を上げ、視線を魔王達のいる方へと移すと。


今はトロール君&ブラックドラゴン君と魔王が対峙し、二匹が主の説得を試みているという所だった。


「魔王様、何故こんなにも暴れて……もしかして、またセイントソード様のお話をちゃんと聞かなかったのではないですか?」


「ああもう!!うるさいうるさい!!

そんなのちゃんと聞いたに決まって…………は、なかったかもしれないけど……でも、アイツが女なんか連れて来るのが悪いのよ!!」


「ああ、そのご様子は……魔王様、誤魔化そうとしてもダメです。我々には分かりますよ?」


「ブラックドラゴンの言う通りです。どうせ早とちりして攻撃してしまったのでしょう?なら一刻も早く、セイントソード様に謝らないと……」


「嫌よ!絶対嫌!私悪くないもん!!

って言うか何よ〝どうせ〟って!失礼な奴ね!」


「…………本当に、それでよろしいのですか?

セイントソード様の連れて来たあの方はピアンテ様と言って、今は旅に同行しているだけのようですが。


魔王様から謝罪がないと言うのならば……

セイントソード様は愛想を尽かして、魔王様ではなくピアンテ様と恋仲になってしまうかもしれないのですよ?」


「えっ!?」


「トロールの言う通りに御座います。

それこそ、魔王様の望む未来ではないと思いますが、それでも魔王様は謝罪をするつもりは無いと仰るのですか?」


「そ、それは……私だって嫌、だけど……」


「…………魔王様、誰しも本音で話すというのは勇気がいるものです」


「ですが、そこまで心配する必要はありません。魔王様には我々が付いているのですから」


「お、お前達……」


「さ、魔王様。そうと決まればすぐに、セイントソード様の所まで行って謝りましょう」


「いざという時は我々も共に謝罪致しますから、さ、御早く」


「…………うん、分かった…………ありがと」


ここからは彼女等の声があまりよく聞こえず、何がどうなったのかは全く分からないが。


そのようにして何やらわちゃわちゃと話し続けていた一人と二匹が遂に動きを見せたので、恐らくだが魔王が何かしらの決断を下したんだと思う。


そして、魔王はと言うと。


まるで保護者のような雰囲気を醸し出しているトロール君とブラックドラゴン君に付き添われ、背中を押され、俺達のいる方へと近付いて来た。


そんな彼女は二匹の姿もあって、さながら思春期……いや、反抗期の子供のように見える。


まあ実際、コイツ色々とちっこいから本当にそう見えなくも無い……が、そーゆう事言うとまた起こり出すので今は黙っているとしよう。


「…………ねえ、その、何と言うか。

私、勘違いしちゃってたみたい……ゴメンね。


あと、ピアンテとか言ったっけ。

アンタも、さっきは悪かったわね……ケガとかしてない?」


そうして俺の前に立った魔王は、もじもじとしながらもきちんと謝罪してきた。


背後で微笑みうんうんと頷くブラックドラゴン君と、小さく拍手しつつこちらも微笑むトロール君に見守られながら。やっぱりこれはもう、二匹の子供だ。反抗期の子供だ。


まあ、それはともかくとして。


「……まあ、そんな気にしなくても良いよ。いつもの事だし。とりあえず、落ち着いてくれて本当に良かった……」


「あ……は、はい!私は大丈夫です!

心配してくれて、ありがとうございます魔王様!」


俺達はひとまずその謝罪を受け入れたワケだ……が。


「でも、どうして急に怒ったりしたの?

俺、今日は何も変な事言ってないよね?」


それだけがどうしても気になった俺は魔王にそう質問してみた……すると。


「えっ!?……そ、それはその、えーと……」


魔王は明らかに動揺し始めた……普通に気になったから聞いただけなんだけど、そんなにマズい質問したかな俺?


「……セ、セイントソード様!ピアンテ様!

失礼ながらお二人共少々臭いますので、まずはお着替えなさってはどうでしょう?」


「それと入浴もされた方が……いや、絶対その方が良い!では早速準備して来ます!!」


トロール君とブラックドラゴン君もやや焦った様子で謎のフォローを始め、それを有耶無耶にしようとしてくる。


じゃあやっぱり、聞かない方が良いやつだったのか、今の質問……でも、そうなると余計気になるんだよなぁ。


「えー、でもその前にさっきの答えを」


「そうね!そうしましょ!ほらアンタ達さっさと立って!今すぐお風呂に行くわよ!」


しかし、それもまた魔王に止められてしまったので。


俺達は仕方なく、彼女の命令(?)に従い二人でお風呂に入る事にしたんだ。


「……でもちょっと待って、さっきから俺達セットで連れて行こうとしてるけどさ。もしかして、俺とピアンテを一緒のお風呂に入れようとしてる?」


「……!?ええと、魔王様……それは流石にちょっと、恥ずかしいです……」


「なっ!?そんなワケないでしょ!?

ちゃんと別々の浴室にするから!いいからさっさと立って!」


「あ、ちょ……滑るからそんなに引っ張らないで!!」


「へ?何で滑るのよ……って、きゃあ!!」


でも、その前に魔王がピアンテの『アレ』に足を滑らせ、〝ビリビリ〟という謎の音を響かせながら派手に転んじゃって……


「あーあ、盛大にコケちゃったね……大丈夫?」


「え?本当に何でよ?私、飲み物を溢したりなんてしてな…………って、くっさ!?


はぁ!?何で何で何で!?何でよ!?

ちょっとアンタ達!!一体コレは何なの!?」


「…………それは、ピアンテの『お漏らししたやつ』だよ」


「うぅ、ごめんなさい……ごめんなさい……」


「はぁ!?ちょっとアンタ人の部屋で何してくれてんのよ!?」


まあ要するに、お風呂に入るのが三人になったってワケさ。


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