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めんどくさがり令嬢の、めんどくさライフ 7

 あれから、いくつもの公務を同伴させられたアンジェリーナは、ベッドの住人と化していた。


「・・・・あんのくそ殿下っ。ひとの体力をなんだと思っているのでしょうっ。と云うかっ、ご自身のバカみたいな体力と同じに考えないで欲しいですわっ」

「アンジェリーナ様。あまり、怒られていますと、熱が上がってしまいます。いまは、体力回復に努めてください」

「ティーファ・・・・・。もう、ごめんなさいね。せっかくの休日がわたくしのせいで潰れてしまいましたわね。休暇は別にしますからね」

「わたしは特に気にしていませんのでご安心くださいませ。とりあえず、いまはお身体を休めてください」

「・・・・そうするわ。少し眠ります。ティーファも、休んでちょうだいね」

「はい。アンジェリーナ様」


眼を閉じたアンジェリーナを見て、掛け布団をかけ直し、ティーファは水差し持ち、そっと部屋を出た。


 一方、その頃、ライオットは次の公務に出る準備をしていて。そこに、テンが来て云った。


「ライオット様。本日の公務に同席いたしますのは、コーシャン侯爵家ご長女、マルゲリータ様です。あと10分ほどで到着すると使者が参りました」

「は? ・・・・アンジーはどうした? 公務の同席は筆頭婚約者候補であるアンジェリーナであろう」


袖のカフスを留めながら、ライオットは訝し気な顔をして云う。テンは、眼を細め息を吐く。ライオットは、そんなテンの姿を見て、ひくひくと頬を引くつかせていた。


「テン・・・・。アンジェリーナを呼んでくるんだ。公務は、アンジェリーナでないと完遂できない」

「・・・・アンジェリーナ様は無理ですよ。と云うか、暫く公務に同席するのは、難しいと云うかできないですから」

「・・・・・どういうことだ? 私の公務には・・・・!!」

「あのなぁ!! ライ! お前のそのバカみたいな体力と、アンの体力を同じにするな! スカイフォース公爵からっ、”殿下は我が娘を過労死させるつもりですか”、と国王陛下に直訴状が届いてるっ」

「・・・・・は? なんでそんな・・・・・。と云うか、バカみたいな体力ってなぁ・・・・。いくら、第一側近のテンでも云いすぎじゃあ・・・・」

「云いすぎじゃあないっ。良いかっ。国王陛下からの伝言だっ。


『本日から、公務の同席には、コーシャン侯爵家、マルゲリータ嬢とスペクト侯爵家、キャサリン嬢を日替わりで同席させよ。スカイフォース公爵家のアンジェリーナ嬢とは、暫くの間、接近を禁止する』


と云うことだっ」

「なぁ!? ・・・・俺に死ねと!? それに、マルゲリータ嬢も、キャサリン嬢もっ。いままで公務に同席したことはないだろう!?」

「ないからこそ、これからのことを考えて、同席させよ。とのことだ。・・・・国王陛下の云うことを聴かないと、アンとは、会うことも話すことも許されなくなるぞ。別に、俺としてはそれでもいいけどな。ティーファが今回のことでめちゃくちゃ怒っているし」

「ティーファが怒っているって・・・・。どういう・・・・・」

「ここまで云っても解からないなんて。良いかっ、ライの強行公務に付き合わされて、アンはっ、過労で倒れたっ。熱を出して寝込んでいる。・・・・で、そんな状態のアンを公務に連れて来い。と」


完全に眼が座って怒っているテンを見て、ライオットはやってしまった。と頭を抱える。テンは、ライオットを見ると云った。


「とりあえず、アンが回復するまではお二人を同席させることで、乗りきれ。ちゃんとその状態で公務をしていたら、万が一にでも、1000分の1にでも。また、アンが公務に同席できるかもしれないから」

「・・・・ううっ。学園時代にも、同じことをしてアンジーが倒れたことがあったのをすっかり忘れていた・・・・」

「ほんと・・・・。殿下はアンがかかわることになると、頭が馬鹿になりますよね」

「・・・・・・・・・・テン。アンジーにお見舞いの品を送るのは?」

「送るには送りますが。それを、筆頭メイドのティーファが渡すかどうか、ですね」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


めちゃくちゃに怒っているのが理解でき、ライオットは更に頭を抱えて座り込んでいた。



あけましておめでとうございます。ゆっくり更新ですが、今年もよろしくお願いいたします。

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