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めんどくさがり令嬢の、めんどくさライフ 4

 コーシャン侯爵家の長女、マルゲリータは、スカイホース公爵家 アンジェリーナから届いたお茶へのお誘いの手紙を見て、これはどういうことかと考えていた。


(・・・・こ、これは、わたくしが殿下の婚約者候補に挙がっていらっしゃるのをご存じのことでの、牽制のお誘いでしょうか・・・・。ですがっ、コーシャン侯爵長女としてっ。わたくし、公爵家のアンジェリーナ様がお相手でもっ、負けませんわっ)


マルゲリータは、返事を書くと、次に着て行くドレスとアクセサリーを選ぼうと、メイドを呼んだ。


 スペクト侯爵家の次女、キャサリンは、スカイホース公爵家 アンジェリーナから届いたお茶へのお誘いの手紙を見て、これはどういうことかと考えていた。


(・・・・こ、これは。わたくしが殿下の婚約者候補に挙がっていらっしゃるのをご存じのことでの、牽制のお誘いでしょうか・・・・。ですがっ、スペクト侯爵次女としてっ。わたくし、公爵家のアンジェリーナ様がお相手でもっ、負けませんわっ)


キャサリンは、返事を書くと、次に着て行くドレスとアクセサリーを選ぼうと、メイドを呼んだ。


 マルゲリータとキャサリンに手紙を出したアンジェリーナは、さっそく返ってきた封書に、にんまりと笑みを浮かべ、どうやって2人を被らずにライオットと会わせるかを考えていた。


「・・・・そうね。やっぱり、午前と午後に分けるよりも、1日おきにした方が良さそうね。月の日と、金の日をマルゲリータ様。火の日と、木の日をキャサリン様。水の日と日の日はライ様の息抜きの日として・・・・。土の日は・・・・。たまに騎士団の訓練場で鍛錬をされていらっしゃいますし。そこは、お2人にお任せしましょう。・・・・ふふふ。これで、良いですわ」


にんまりと笑い、アンジェリーナはマルゲリータとキャサリンに渡す用として、判るように封をし、机の引き出しに片付けた。


 そして、やってきたまずはマルゲリータ嬢とのお茶会の日、アンジェリーナは東屋にお茶の用意をしてもらい、マルゲリータを出迎えていた。


「きょ、今日はご招待をいただき、ありがとうございます。アンジェリーナ様」

「ごきげんよう。マルゲリータ様。そう、緊張なさらないでくださいませ。同じ年ごろの方とお話がしたくて、わたくしから招待しましたから」


どうぞこちらへ。と庭を歩き、お茶の用意がしてある東屋へと行く。マルゲリータはとてつもなく緊張していた。


(・・・・ど、どうしましょう!? ま、まったくと言っていいほど、は、話しができませんわっ。な、なんて麗しくて美しい方・・・・!!)


ど緊張しているマルゲリータを見て、アンジェリーナはたわいのないことを話す。


「今日は天気が良くて良かったですわ。庭にある花々も、咲き誇っていますので。見ていただきたくて。それに、こういう時でないとお話しもちゃんとできませんからね」

「・・・・・は、はいっ」


アンジェリーナに言われて、マルゲリータは顔をあげて周りを見る。咲き乱れる花々の饗宴に、思わず感嘆の声を漏らしていた。


「は、はぁ・・・・・・。と、とても素晴らしいですわっ。こ、こんなにきれいにいろんな花が咲き乱れているのを、わたくしは初めて見ました」

「そう? 嬉しいわ。そう言っていただけると、手入れをしたかいがありましたわ」

「手入れ!? ・・・・ま、まさかこの庭園のお花は、アンジェリーナ様が!?」

「庭師の方に教えていただいて、ですが。・・・・さ、どうぞ。お座りくださいませ」


見える範囲でもかなり美しい庭園に、マルゲリータは眼を丸くして見回していた。


 別の日、同じ東屋にお茶の用意をしてもらい、アンジェリーナはキャサリンを出迎える。


「きょ、今日はご招待をいただき、ありがとうございます。アンジェリーナ様」

「ごきげんよう。マルゲリータ様。そう、緊張なさらないでくださいませ。同じ年ごろの方とお話がしたくて、わたくしから招待しましたから」


先日、マルゲリータと話した内容と全く同じようなことを話しつつ、東屋へと向かい庭園を見てもらう。緊張がほぐれてきているのが見て取れて、アンジェリーナはにっこりと笑んでいた。


「は、はぁ・・・・・・。と、とても素晴らしいですわっ。こ、こんなにきれいにいろんな花が咲き乱れているのを、わたくしは初めて見ました」

「そう仰っていただくと、嬉しいですわ。手入れをしたかいがありましたわ」

「手入れ!? ・・・・・ま、まさか、この庭園は、アンジェリーナ様が!?」

「庭師の方に教えていただいて、ですが。・・・・・さ、どうぞ。お座りくださいませ」


マルゲリータとキャサリンとでは、少しばかり手入れの先を視違っていたが、おおむね同じことを口にするのに、アンジェリーナはにこにこと笑っていた。


 無事にマルゲリータとキャサリンに、ライオット殿下の1日の業務内容と好き嫌いなことを伝えたアンジェリーナは、これで、どちらかを婚約者に据えるでしょう。と思うのだが。


「・・・・いいえっ。これで、気を緩めていてはいけませんわっ。ライ様は、わたくしの斜め上を簡単に行く方ですからねっ。どうにかして、婚約者を回避しないとっ。めんどくさい王侯行事など、絶対にいやですからねっ。スカイホース公爵令嬢としてっ、絶対にっ、面倒くさいことはすべて回避してみせますわっ」


ベッドに立ち、こぶしを突き上げて誓うアンジェリーナを見て、ティーファは、溜め息を吐きつつお茶を煎れていた。


 アンジェリーナから渡されたライオットのスケジュールを見て、マルゲリータとキャサリンはどうやって、ライオットに気に入られるかを考えていた。どちらも、このチャンスを取り逃がさないように、スケジュールとライオットが好む飲み物と食べ物を見比べて、まずはお昼休みに中てている時間に接触して見よう。と侍従たちと作戦を練っていた。






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