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28話:進級しました!

読者様の温かい応援に支えられ、続編書けました(感謝)!

とはいえストックはあまりないので更新カメちゃんですがお許しください。

優しく見守っていただけた御礼を込め、続編をお届けします☆彡

 私の誕生日は、その日のディナーで盛大にお祝いしてもらえた。


 チキンの丸焼きが登場し、高級なチョコレートをふんだんに使ったケーキも登場。

 ブルースもテスト勉強で忙しい中、プレゼントを用意してくれていた。

 しかもそれは、婚約者であるミユと選んでくれた扇子と日傘。

 流行を先取りし、春に向け、店頭には日傘も並び始めている。シルクのレースで出来た美しい日傘。象牙が使われた扇子。大切にしようと心に誓った。


 誕生日という楽しいお祝いの後、ブルースはいよいよテストが始まり、そこで学年三位という好成績を収めた。二位の学生との点数差はわずか一点! そのうち一位や二位もとれてしまうのではないかしら? とはいえ一位は、あのスチュアートの腰巾着とも言うべき宰相の息子コール・デイヴィス。一年間、学年首位を守り切っている。この牙城を崩すのは、難しいかもしれない。ちなみに二位がスチュアートだった。


 こうしてブルースとミユは、二年生へと進学した。


 二年生と言えば。

 春に一大イベントがある。それは二年生の男子学生による剣術大会だ。


 一年生の間、剣術の授業が行われる。二年生になると、その腕前を剣術大会で披露することになるのだ。


 剣術大会は二つの部門があった。演舞部門と実戦部門で、どちらか一つへの出場となる。


 演舞部門は、剣を使った基本の型を披露するもの。多くの男子学生が演舞部門に出場する。ゆえにこれはもう団体競技のようなもので、全員の動きが見事に一致することで、父兄席からは拍手喝采が起きる。


 そう。


 この剣術大会、父兄観覧で行われる。二年生の女子だけではなく、一年生や三年生も観覧するのだから、まさに晴れ舞台。


 ブルースは既に十年間剣術を習っているので、実戦部門での出場になる。でも実戦部門へ参加する学生の数は限られていた。卒業後、騎士養成学校へ進学を予定している者。ブルースのように子供の頃から剣術を学んでいる者……スチュアートのもう一人の腰巾着である騎士団長の嫡男マーク・グレンジャーなどごく限られた者が、実戦部門へ参加する。


 実戦部門はトーナメント方式。優勝者には、トロフィーに加え、希少性が高いと言われるタンザナイトのペンダントが贈られる。タンザナイトは碧い宝石で、とても美しいもの。市場にはあまり出回っていない。


 そんなタンザナイトのペンダントを得ることは、最高の栄誉となる。


 この栄誉を手に入れた男子生徒は毎年、愛する女性にこのペンダントを捧げることが、伝統になっていた。さらにこのペンダントを贈られた女性は、贈った男子と永遠の愛で結ばれるというジンクスがあるのだから……。


 男子生徒の多くが一度は、タンザナイトのペンダントを得ること考える。だが実戦部門に出場するのは、精鋭ばかり。よって遊び半分の出場者はおらず、皆、優勝を狙う。そして熱い戦いを繰り広げる。


 ブルースも当然、このジンクスを知っていた。実戦部門で優勝し、タンザナイトのペンダントを得て、ミユに贈りたいと考えている。そこでブルースはジェラルドに頼み、剣術の練習量を増やしていた。早朝に加え、食後も一時間、練習をしている。その上で、ちゃんと勉強もしているのだから……。


 もうこれには、偉い、ブルース!だ。

 ブルースの練習に付き合うジェラルドも、実に頼もしい。


 さらにミユはブルースが優勝できるようにと、フォード公爵家の紋章を刺繍したハンカチをブルースに贈っている。ブルースはそのハンカチを身に着け、練習に励んでいた。


 私は二人が快適に練習できるよう、武具の手入れを使用人に指示する。そして練習後、すぐに汗を流せるよう、入浴の準備をさせた。


「ジェラルド。ブルースの練習、いかがですか?」


 入浴を終えたジェラルドが、紺色のバスローブ姿で私の寝室へとやって来た。ソファへと彼を案内し、ジンジャーティーを出す。そしてまだ濡れているジェラルドの髪をタオルで拭きながら、練習の成果を尋ねた。


「ああ。順調だ。ブルースの体もぐっと大人の体に近づきつつある。体力、腕力、脚力。すべてのバランスが最高の状態に近づきつつある。これまで突くも、斬るも 力が足りなく感じていたが、今はそれもない」


「ではブルースが優勝する可能性は?」


「そうだな。最大の相手は、騎士団長の嫡男マーク・グレンジャーだろう。何せ現役の騎士団長の嫡男だ。相当、鍛え上げられているだろう。勉強で奮わないのも、学業より剣術を優先した結果だろうしな」


 やはりそうなるわよね。ただ、気になることもある。


「スチュアート殿下も実戦部門に出場すると、ブルースから聞いています。もしもマークと殿下がぶつかったら、どうなるのでしょうか?」


「うーん。マークが騎士に叙任されていれば、正々堂々勝負だろう。相手が殿下だったとしても。だがまだ学生だ。騎士見習いでもない。そうなると……忖度があるだろうな。何しろ、タンザナイトのペンダントのジンクスもある」


「それは……殿下が剣術大会の実戦部門で優勝し、ペンダントを手に入れ、ミユに贈りたいと考えているということですか?」


 ジェラルドは頷く。


「とはいえ、剣術大会は父兄観覧もあるし、全校生徒の目もある。殿下もさすがにそこは分かっているだろう。それにスキー合宿以降、ミユに不用意に近づくこともないと、ブルースから聞いている。進級もして、ミユのことを諦めたのかもしれない」


 この世界でヒーローであるスチュアートが、ヒロインであるミユを諦める……。

 どうなのだろう。


 剣術大会まであと三日だった。

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