表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5話 調理

※ 本小説はmixiの日記にて投稿された内容のため、『日記』と題していますが、日記形式ではいことをご了承ください。

薬でも何か飲まされたのだろう。僕の体は意思とは逆に全く動かなかった。自分の体が恨めしかった。紗枝が、今にもこの男に食べられようというときに、僕は何一つできないなんて。紗枝を守る事すらできない僕・・・涙が溢れてきた。僕は、ずっと紗枝に頼りっぱなしの生活だった。そんな僕を紗枝は優しく見守ってくれたのに、今の僕はただ紗枝を見てることだけしかできない。


「おい!おまえ!僕を代わりに調理しろ!!この化け物!!!!人でなし!!!!!」


僕は、とっさに男にありったけの罵声を浴びせかけた。声だけは、かろうじて出る。

僕を先に食べさせても、紗枝は、その後にあの男に食べられるんだろう。意味のない行動かもしれない。でも、僕は少しでも、紗枝を守りたかった。少しでも生きていてほしかった。


「僕は、食べられてもかまわない・・・でも、紗枝だけは・・・・助けてやってくれ!」


「イイダロウ オマエノコトハ ズットキライダッタンダ オレヲブジョクシタ ツミハ ツグナッテモラウヨ」


男はそう言うと僕の体の上に、乱暴に小麦粉と卵とパン粉をぶちまけた。大量の卵が服にまとわりついて気持ちが悪かった。男は僕を持ち上げると、巨大な中華鍋のほうに運んでいった。もう、これが僕の最後だろう。最後に紗枝をのことを思った。美しい紗枝。バーナーのゆらめく火に照らされた、紗枝の姿は幻想的でもあった。紗枝・・・・君を守れなかった僕を許してくれ・・・紗枝・・・愛している・・・・


バチバチバチ!ガタン!!!


僕の体は、宙を舞った・・・




つづく・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ